4月25日(日本時間26日)、WNBAワシントン・ミスティックスに入団した町田瑠唯(バスケットボール女子日本代表/前Wリーグ 富士通レッドウェーブ)がチームの練習場であるメドスター・ヘルス・パフォーマンス・センターで開催された記者会見にマイク・ティボー・ヘッドコーチとともに臨み、メディアからの多くの質問に答えた。
およそ50分にわたる会見のなかで、町田は通訳者を介して英語の質問にも日本語で回答。WNBA挑戦に至った理由や抱負、ミスティックスの姉妹チームであるNBAワシントン・ウィザーズに所属する八村塁との交流など多岐にわたる質問に丁寧に対応した。
町田は会見の冒頭で“Hello, my name is Rui Machida. Please call me Rui. I’m happy to be here. Nice to meet you, thank you.”(こんにちは、町田瑠唯です。ルイと呼んでください。ここにいられて幸せです。皆さんにお会いできて嬉しいです)と英語で話した。続けて、ミスティックスでの意気込みとして、「自分の役割やチームに求められていることをしっかり発揮して、チームの目標である優勝に貢献できるように頑張りたいと思います」と語っている。
以下、メディアと町田による一問一答(英語と日本語の質問が混在。英語での質問は通訳者が日本語に翻訳してから町田が回答。質問はすべて概要)。
まさか本当にWNBAからオファーをいただけると思っていなかった
――なぜ今、WNBAへの挑戦を決めたのか。ミスティックスは自分にフィットすると思うか。
WNBAにもともとすごい興味があったとか、もともと自分が行きたいとかはそこまでは思ってはいなかったんですけど、ミスティックスからオファーをいただいて、自分はその話を聞いたときにすごい挑戦したいという気になって、今回この挑戦をしようと思いました。
――ミスティックスはどんなチームという印象?
今日、スタッフの方やチームのスタッフの方、選手、全員にはまだ会えていないんですけど、挨拶して、すごくウェルカムなチームだなというのは感じています。温かくて、エネルギッシュなチームだなというのは感じました。
――アメリカならではの全米移動のイメージは?
まだイメージはついてないですけど、コンディションとかそういう面でも日本とはやっぱり違ってくると思うんで、そこはやりながら調整していけたらいいかなと思います。
――チームからどういうことを期待されていると感じる?
今までの自分のプレイと変わらず、富士通でもそうですし、代表と同じようなプレイをミスティックスのチームでやってほしいということは言われました。得点のところも積極的に意識してほしいと言われました。
――FIBAとWNBAの違いをどう思う?
トップレベルの選手が集まっていると思うので、どの選手が出ても、どのチームと当たっていても、ハイレベルなバスケットをしなければいけないと思っています。今までは日本人としか一緒にプレイをすることがなかったので、海外の選手と一緒にプレイするのは大変なところもあるかもしれないですけど、楽しみのほうが大きいです。
――開幕戦に出場の可能性もあるが、どんなプレイを目指していきたい?
たぶんバックアップになると思うんですけど、自分が試合に出たときは自分のスピードを活かしてアップテンポな展開に持っていけるように意識してやりたいと思っています。
――アメリカの……(質問不明)
ニューヨーク!
――ミスティックスのプレイスタイルのどの部分が魅力的?
ディフェンシブなチームというところが自分は好きです。ディフェンスからアタックしていくというのがすごく好きなチームですし、バスケット自体も自分のスタイルに合ったバスケットをやっているなというのを感じたので、楽しみだなという思いでいます。
――八村塁との交流は? まだなかった場合、話してみたいことは?
直接の会話とかはなかったです。知り合いとかではないので、話してはないですけど、会う機会があったらいろんな話を聞きたいです。
――五輪では多くのアシストをマークしてきたが、フロアジェネラルとしての力をどう発揮していきたい?
アシストは自分1人でできるプレイではなく、周りの選手がいてアシストというのはある。その数が増えているというのは、(周囲の)選手たちと意思疎通ができているプレイが多かったのかなと思います。ミスティックスでもいろいろな選手がいると思うので、一人一人の特徴だったりとかを早く理解して、うまくみんなを生かしていけるように頑張りたいです。
――WNBAのシーズンは3か月で36試合、Wリーグは5か月半で24試合。試合数の差にはどうアジャストする?
初めての経験ではあるので、調整しながら、やりながらうまく、いいコンディションに合わせられるようにやっていけたらなと思っています。
――日本での会見で「ぼこぼこにされるのも経験だ」と話していたが、これまでに一番そう感じたのはいつ?
国際試合ではやっぱりうまくいかないことはよくあったかなと思います。
――特定のゲームで覚えていることは?
(東京)オリンピック(決勝戦)のアメリカ戦は自分の思うようなプレイはなかなかできなかったかなという感じはします。
――ミスティックス入団を考えるまでに、やはり東京五輪での活躍が自信になった?
もちろん五輪は自分自身もすごい自信につながった大会ではあったと思います。(それでも)まさか本当にWNBAからオファーをいただけると思っていなかったんですけど、この歳でこんないい経験ができることはなかなかないと思ったので、挑戦してみたいなという気持ちになりました。
――後に続く子供たち、若者へのメッセージ。
自分は本当に小さいと思うんですけど、小さくても世界に通用するよっていうところを見せられるように頑張っていきたいと思いますし、どんなこともどんどんチャレンジしてほしいなっていう気持ちがあります。
――渡米の際も富士通のBT・テーブスHCと同じ飛行機だったが、どんなアドバイスがあった?
BTからはルイらしく、自分らしくやれば大丈夫だよってことは常に言われています。
――飛行機の中でもそういう話だったのか?
飛行機の中は席が違ったのでぜんぜんしゃべれてないです。
――(ミスティックスと同じ親会社を持つ姉妹チームである)NBAワシントン・ウィザーズが日本語公式サイトを設けていることを知っている?
ウィザーズのSNS、八村くんをピックアップしたやつはよく見ています。
――オフコートでどういった自分を見せていきたい?
本当に素の自分を見せられたらいいかなと思っています。
――日本を代表してという気持ちはある?
今、WNBAにいる選手は私ひとりなので、しっかり日本代表として日本のバスケットを伝えられるように頑張っていきたいなと思います。
※取材、一問一答構成:杉浦大介 @daisukesugiura