WNBAワシントン・ミスティックスの町田瑠唯が、ニューヨーク・リバティとのホームゲームを翌日に控える6月2日(日本時間3日)のチーム練習後の記者会見に登場し、メディアからの質問に答えた。
WJBL富士通レッドウェーブでのシーズンを終えたあと、4月下旬にミスティックスに合流した町田は、5月6日(同7日)の開幕戦でWNBAデビュー。開幕戦からの5月末までに10試合(先発2試合)に出場し、1試合平均17.5分のプレイで2.8得点、3.3アシスト(新人1位)、1.8リバウンド、フィールドゴール成功率35.8%、3ポイントショット成功率30.8%を記録している。
今回の記者会見では、渡米1か月が経過した現在の課題やWNBAでの経験、オフのときの過ごし方などについて語っている。
以下、会見での一問一答(※前半は英語、後半は日本語での質疑応答。町田の発言はすべて日本語。質問は要約)。
アップテンポな展開にもっと持っていけるように
――コーチからはシュートを打てと言われ続けているが、今の自信は?
まだ確率としてはよくないと思うんですけど、チームメイトもコーチもシュートを打って欲しいと言ってくれています。今までよりも積極的にシュートを意識したりとか、打ちやすい環境、雰囲気にしてくれているなと思うので、それに応えられるようにやっていきたいなと思っています。
――10試合をプレイして、自信がついてきたか? それとも課題があると感じるか?
まだまだやることがあると思っています。
――今、最大の課題は何だと思う?
さっきも言ったんですけど、シュートのところは意識しなきゃいけないなというのは思います。また、自分がゲームに出たときはアップテンポな展開にもっと持っていけるように意識してやりたいなとは思っています。
――素晴らしいプレイをしているが。
ありがとうございます。サンキュー(笑)
――いいパスを出しているが、どういうところを意識している?
今、1か月くらいみんなと練習、試合をやって、特徴だったりとか、みんなの動きに自分が慣れてきたというのもあって、最初と比べて合ってきたのかなと思っています。これからはもっとパスの精度だったりを上げていけるように、やっていきたいなと思っています。
こっちで初めてスクーターにも乗って、すごくリフレッシュができました
――日本からWNBAに挑戦しているが、難しさを感じている?
高さだったりとか、手の長さっていうところに慣れる必要があるのかなと思います。あとはやっぱり言葉のところが一番難しいと思うんですけど、わからなくてもみんながしっかりコミュニケーションをとってくれたりとか、長い言葉じゃなくて短い言葉でわかりやすく伝えてくれたりするので、すごいありがたいなと思いながらやっています。
――アウェイの遠征を含め、経験をどう捉えている?
正直、日本ではこういう移動がなかったりとか、1週間に何回も試合があるようなスケジュールではなかったので、そこの調整とか、アウェイに行ったときのコンディション作りというのは、結構難しいなと感じてはいます。時差は最大3時間と聞いていて、(時差がある場所でのゲーム時に)どうなるのかなというのを心配はしています。そこはうまく調整できればいいかなと思っています。
――ナターシャ・クラウドと一緒にプレイしての印象。学んでいることは?
もう本当に学ぶところが多すぎます。チームのムードメイカーでもあって、ゲームコントロールの仕方だったりとか、みんなへの声かけだったりとか、チームの流れが悪かったり、得点が取れていないときに、自ら得点を取って流れを掴んできたりというのをすごく見てきています。そういうところを自分もPGとして学んでいけたらいいかなと思っています。
自分が求められていることだったり、役割だったりっていうのはターシャとは変わってくると思うんですけど、そこはターシャに限らず、みんなのいいところ、すごいところを学んでいけるように、やっていきたいと思っています。
――オフコートではどう過ごしているのか。ワシントンDCは散策した?
オフのときはモニュメントを見に行ったりとか、近くを散歩したりとか、買い物行ったりというのはやっています。こっちで初めてスクーターにも乗って、すごくリフレッシュができました(笑)
――カルチャーショックを受けたことは?
そんなにないです。
※以下、日本語での質疑応答。
――アシストはリーグ全体でだいたい20位、ルーキーでは1位。その数字の手応えは?
アシストにすごくこだわっているというわけではないので、アシストの数字を気にしているとか、ここまで出したいというのは特にないです。
「そういったところに慣れてきた」という感じです
――日本と違いWNBAではバスケットボール以外の社会問題について選手が積極的に発言するが、どんな刺激を受けている?
日本ではそういうことが起きたときに、アスリートはあまり発言してこなかったと思うんですけど、こっちでは逆にアスリートが発言を大事にしているかなと思っています。もちろん影響力(の大きさ)もあると思うんですけど、そこの違いはすごいです。先ほどの“カルチャーショックを受けているか”という質問に対して、「そんなことない」というよりは、「そういったところに慣れてきた」という感じです。
――試合を重ねるごとにマークが厳しくなっていると感じる?
今のところ、自分に対してのディフェンスが強くなっているっていうより、他の選手のほうが得点もとりますし、中心選手が多いので、そこは自分はまだ感じてはいないです。他の選手のほうがたぶんすごくマークされている感じはあります。
――課題が出てきている日々は充実しているのか、それとも大変なものか。
充実しているとは思います。本当に毎練習、毎試合でいろんな課題があったりとかしていくので、本当にいい経験にはなっていると思います。
――2週間くらい前はターンオーバーが課題にも見えたが、渡米の疲れが出る時期だったのか。
ターンオーバーに関しては特に疲れが影響していたわけではないと思います。
思い切りよく自分のタイミングで出すっていうのを心がけたのが良かった
――先ほど話していた高さ、手の長さの難しさなのか、読まれていたのか。
味方と合わせるタイミングだったりというのも、ちょっと迷っていたりとか、思い切りよくパスを出せてなかったところもあったと思いますし、もちろん手の長さや高さもまだ慣れ切れてなかったところもあったと思います。ほぼ毎試合、トラベリング1回くらい取られていた感じだったので、そこはしっかり修正しないとと思ったので、意識してやっています。
――自分の良さを出せているという実感も増してきてはいるのか。
そうですね。みんなに合わせるのももちろんですけど、自分もこういうタイミングで出しますっていうアピールが必要なのかなとは思ったので、ターンオーバーをしてでもこういうパスを出しますっていうのを味方に伝えるのも大事なのかなって思って、試合でもやったりとかしてきました。でも、みんながそれにすぐ反応してくれたりとか、合わせてくれたりするので、自分がもっと出したいタイミングで出してもいいのかなと思っています。
――最初の頃は多少ミスをしてもいろんなことを試してみたいと話していたが、ターンオーバーも減ってきた。試すところから、次の段階に入ってきた?
シンプルにターンオーバーの数はすごく気になっていましたし、チームとしてもターンオーバーが多くなっていたので、そこはしっかり直していかないとなっていうのは思っていました。それで思いきりよく出せてなかったりとか、迷いながら出していた部分が、自分の中ではあったと思っています。そこをちょっと変えて、思い切りよく自分のタイミングで出すっていうのを心がけたのが良かったのかなとは思うんですけど、まだターンオーバーが少ない試合はここ何戦かだけなので、これをもっと継続してやっていけるようにしたいと思います。
――バウンズパスでのアシストが多いが、高さに引っ掛からないので出し易い?
いろんなパスが大事なのかなとは思うんですけど、高さに関してはバウンドパスがいいと思います。(ただ、)受け手にもよったりとか、変わってくると思うので、絶対的にバウンドパスがいいという感じではないと思います。
雰囲気が面白くて自分は笑ってしまう
――オフコートでチームメイトとどこかに行った?
まだしてないです。
――言葉でコミュニケーションを取るのが難しいなか、距離を縮めるのに意識していること。
自分からコミュニケーションを取りにいこうって思わなくても、チームメイトから声をかけてくれたりとか、気を遣ってくれたりしているので、そこはすごく助かってますし、わかんないときは笑顔にしています(笑)。その上で後から聞くようにして、みたいな感じです。何を喋って、何で笑っているのかがわからなくても、その雰囲気が面白くて自分は笑ってしまうので、チームメイトからもなんでも笑うみたいな感じで言われています。それはこっちに来ているからというより、日本でもそういう感じではあったので、自分らしくやればいいかなと思っています。
――食事面で合っていると思ったり、困っていることは?
ホームでやる際は一緒にサポートしてくれている子が作っているので、全然問題ないんですけど、アウェイに1人で行ったとき、向こうで日本食を探したりとか、いつも試合前に食べているようなごはんを探すのはちょっと大変かなとは思っています。