快進撃続くイガ・シフィオンテクが女子テニス界・次代の怪物へと変貌|2022年全仏オープン展望

2022-05-19
読了時間 約2分
Getty Images

アシュリー・バーティ(オーストラリア)が圧倒的な強さで1月の全豪オープンを制した後、世界ランキング1位の座はしばらくの間は不動になるかと思われた。

それからわずか3か月余りで、女子テニスの勢力図は大きな変化を遂げた。主役の座に躍り出たのは20歳のポーランド人選手、イガ・シフィオンテクである。

シフィオンテクは5月15日、BNLイタリア国際の決勝戦でオンス・ジャバー(チュニジア)から一方的なストレート勝ちを収めた。ジャバーは世界ランクトップ10ランカーで、前週のマドリード・オープンで優勝しており、クレイコートのシーズンでキャリア最高の調子だったはずだった。シフィオンテクはこれでWTA 1000大会5連覇である。

バーティの引退によって開けたシフィオンテクの女王への道

バーティの突然の引退が女子テニス界に空白を生み出した。3月末にバーティ―が引退したことで、シフィオンテクが世界ランキング2位から1位へと上昇した。

シフィオンテクが世界テニスに衝撃を与えたのは2020年全仏オープンである。当時19歳、世界ランキング54位だった少女が1セットも落とすことなく、初のグランドスラム優勝を達成したのだ。

2020年の残りと2021年はアデレード国際での1タイトルに留まったが、2022年全豪オープン後には世界ランキング2位にまで上っていた。

しかし、その後にやってきた2022年前半の快進撃を予感させるものは何もなかった。

シフィオンテクが2022年の女子テニスに君臨するまでの着実な進歩

わずか1か月ほどで、シフィオンテクはバーティ―の挑戦者という立場から女子テニス界の怪物へと急激な変貌を遂げた。ポーランド(シフィオンテク)とオーストラリア(バーティ―)のライバル関係を見ることができなかったのは残念ではあるが。

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2022年シーズンが開幕すると、シフィオンテクはアデレード国際の準決勝でバーティ―に敗れ、続いて全豪オープンでも準決勝でダニエル・コリンズ(米国)に敗れた。しかし、その後のシフィオンテクは1敗しかしていない。出場した6大会のうち5大会で優勝しているのだ。そのなかには4つのWTA 1000タイトルも含まれる。

2月16日にドバイでエレナ・オスタペンコ(ラトビア)に敗れて以来、シフィオンテクは28連勝を飾り、カタール・トータル・オープン、BNPパリバ・オープン、マイアミ・オープン、ポルシェ・テニス・グランプリ、そしてBNLイタリア国際で連続優勝を達成した。

シフィオンテクが現在の女子テニス界で圧倒的な存在であるのは、単に勝利数だけではない。直近43セットのうち、42セットを制しているのだ。

つい先日のBNLイタリア国際と4月のマイアミ・オープンでは、1セットも落としていない。その対戦相手には大坂なおみ、ジェシカ・ペグラ、アリーナ・サバレンカ、そしてジャバーなど世界トップ級の選手が並んでいたにもかかわらず、である。

決勝戦に強いことも特筆に値する。直近8回の機会ですべて勝利し、しかも1試合で5ゲーム以上失ったことがない。

シフィオンテクが6月初めの全仏オープン決勝戦で大会2連覇を達成することを予想する声は大きい。この怪物を止める選手はいるだろうか。

@iga_swiatek

イガ・シフィオンテクの驚異的な2022年シーズンここまでの軌跡

  • アシュリー・バーティ引退後に自身初の世界ランキング1位に上昇(ポーランド人初)
  • 4つのWTA 1000 大会で優勝(BNLイタリア国際、マイアミ・オープン、BNPパリバ・オープン、カタール・トータル・オープン)
  • 1つのWTA 500大会で優勝(ポルシェ・テニス・グランプリ)
  • 直近28連勝
  • 2022年でわずかに3敗(バーティー、コリンズ、オスタペンコ)
  • 直近43セットのうち、42セットに勝利
  • BNLイタリア国際とマイアミ・オープンで1セットも落とさず

(翻訳:角谷剛)

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