【独占コラム】ありがとうイニエスタ…名門バルサから日本へやってきた史上最高のMFがもたらしたもの(ジェイ・ボスロイド)

2023-06-06
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サッカー元イングランド代表のフォワード(FW)で、Jリーグのジュビロ磐田と北海道コンサドーレ札幌でもプレーしたジェイ・ボスロイド氏が、ヴィッセル神戸を退団するアンドレス・イニエスタについて『スポーティングニュース』に独占コラムを寄稿した。


イニエスタが日本に来ていなかったら…

アンドレス・イニエスタは、多くの選手とシャツを交換してきただろう。素晴らしいチームでプレーし、ワールドカップで優勝ゴールを決めた彼は、史上最高のミッドフィールダーのうちの一人だ。私のシャツも、どこかに保管してくれているだろうか?

私が北海道コンサドーレ札幌でプレーしていたときに、同じピッチに立てただけでも素晴らしい経験だったのに、シャツまで交換してもらえた。私はシャツを額装してあるが、まだ飾れていない。彼がヴィッセル神戸を退団すると聞いて、ついに飾らなければと思っている。

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今週、バルセロナが神戸と対戦する。中盤での唯一無二の相方であるシャビが監督を務める、愛しのクラブと対戦できるのだから、イニエスタにとって、これ以上ないお別れの舞台になるだろう。

もちろん、もう少し若いときに日本に来て、もっと長くプレーしていれば、さらによかっただろう。私は、ディエゴ・フォルランがセレッソ大阪にいたときに対戦したが、彼はまだまだ動けた。一方、負傷が原因かどうかはわからないが、イニエスタは少々、俊敏さを失っていた。それでも、彼が日本サッカー界に与えた影響を考えれば、大したことではない。

前線からプレッシャーをかけたり、走り回ったりすることはなかったが、足元にボールがあるときに見せる魔法は昔のままだった。アシストが記録されていなくても、その前のパスは彼から出ていた。頭を使ったプレーで、スペースを見つけて動く、賢い選手だった。プレーが起こる前から、それを予測することができたのだ。

彼が日本に来てよかったのは、ピッチ上のプレーの質が高たったからだけではない。Jリーグに来る外国人選手は誰でも、若い選手たちに母国の文化を伝え、どうしたらヨーロッパに行けるのかを示してあげるべきだ。アンドレス・イニエスタから学べるものは、誰よりも多かったはずだ。

セルジ・サンペールやトーマス・フェルマーレンは、イニエスタを追って神戸に来た。それにより、日本の若手選手たちもヨーロッパが身近だと考えられるようになっただろう。たとえば、古橋亨梧はイニエスタからの学びがなければ、セルティックには行っていなかったかもしれない。

ありがとう、アンドレス。そして、彼の素晴らしいキャリアを祝福したい。さあ、彼のシャツを飾らなくては。

翻訳:早坂卓真


【インタビュー動画】ジェイが語るイニエスタの神戸退団(日本語字幕付き)