サッカー韓国代表の注目選手は? ソン・フンミンを筆頭に世界級のタレントたち|AFCアジアカップ2023

2024-01-26
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サッカー男子の韓国代表が最後にアジアを制したのは1960年だ。だが、彼らはAFCアジアカップ2023の優勝候補の一角とされている。

U-23代表は、2012年のオリンピックで銅メダルを獲得した。さらに続くオリンピック2大会連続でベスト8入りし、アジア競技大会では3連覇も飾っている。だが、その好パフォーマンスをA代表につなげることができていない。

現在の代表チームを指揮するのは、かつてドイツ代表やアメリカ代表を率いたユルゲン・クリンスマン監督だ。FIFAワールドカップ出場10回を誇る彼らは、今大会のアジアカップで優勝を目指している。

違いとなるのはクリンスマン監督ではない。アジアカップ2023で韓国に注目すべき本当の理由は、世界最高級の選手たちを含むエリートクラスのタレントがそろっているからである。

なぜAFCアジアカップ2023で韓国代表に注目すべきか

以下が、アジアカップ2023に出場する韓国代表のメンバーのビッグスターたちだ。

ソン・フンミン(トッテナム)

今大会の韓国はワンマンチームではない。しかし、主役がソンであることは変わらないだろう。今季のソンはトッテナムで新しくスリリングなキャリアを送っている。

31歳のソンは、ハリー・ケインのバイエルン・ミュンヘン移籍で生じた穴を埋めることになった。ケインとのコンビも脅威だったが、今季のソンはアンジェ・ポステコグルー監督の下でトッテナムの前線を担い、シーズン半ばにしてプレミアリーグで12得点をあげている。

今季序盤、ソンは『Optus Sport』で「(ポステコグルーと)一緒に仕事できてありがたい。選手としても人としても、とても多くを学んだ」と話した。

「彼が求めることは何でもやる。人として、監督として、とても良い情報を与えてくれるからだ。僕たちは彼と働けてとても、とてもうれしく思っている」

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ソンがポステコグルーの下で再生し、アジアカップでついに栄光をつかむことができれば、美しいポエムのような物語の完結となるだろう。ソンはかつて2015年のアジアカップ決勝でポステコグルー率いるオーストラリア代表に1-2で敗れている。アディショナルタイムのソンの同点弾で延長に持ち込んだ試合だ。

その半年後、ソンはトッテナムに移籍し、欧州を代表するアタッカーのひとりとなった。この世代の韓国の絶対的スターであるソンがアジアカップで優勝すれば、リオネル・メッシがアルゼンチン代表でついに主要大会を制覇したのと同じようなものだ。そしてメッシのように、この数年の韓国は見事な選手たちがソンの周囲を固めている。

ファン・ヒチャン(ウォルバーハンプトン)

「我々はいつも敵地でウォルバーハンプトン相手に苦しむ。特に前線の(ペドロ)ネト、(マテウス)クーニャ、それからあの韓国人など、個々の選手のクオリティーを見れば、本当に、本当に彼らは優れている」

記者会見でマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督がこのように述べた時、サッカーの神様がその代償を払わせるのは不可避のように感じられた。そして実際、昨年9月にシティが敵地でウルブスと対戦した際、ファンは決勝点をあげ、昨季王者シティに今季のプレミアリーグで初の土をつけたのである。

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その試合後、ファンは「試合前に見たよ。とにかくポジティブに考えるようにしている」と述べた。

「彼は世界最高の監督のひとりだ。その彼が僕のことを話している。僕にとっては光栄なことだ。とにかくポジティブなことだと考えた」

今、ポジティブなことはたくさんある。プレミアリーグへの適応に苦しんだ時期を経て、27歳の元RBライプツィヒのフォワードは、今季のリーグで10得点をあげている。過去2シーズンの合計を上回る数字だ。ソンとともに、得点王争いで上位につけている。

ファンはパワフルなアタッカーで、巧みに前線をけん引する。だが、両サイドから相手にダメージを与えるのも得意だ。ソンとのコンビで、他がうらやむような破壊力と万能性の攻撃をクリンスマン監督にもたらしている。

キム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)

ソンやファンが歩んできた道はよく知られている。韓国からドイツのブンデスリーガに向かい、そこでの経験を経て、一部はより大きく優れたリーグに移籍する。

キムはそのトレンドに反する選手だ。欧州5大リーグにたどり着くまで、もっと遠回りしてきたのである。北京国安とトルコのフェネルバフチェを経て、2022年にナポリに加入した。

27歳のキムに当時与えられたのは、決して容易ではない任務だった。ナポリ守備陣の主軸で、欧州有数のセンターバックとして高く評価されていたカリドゥ・クリバリがチェルシーに移籍した代役を務めることだったのだ。しかし、キムはその懸念を杞憂とした。技術的に卓越し、決して動じることのない熟練のスターとして、ルチアーノ・スパレッティ監督率いるチームの最終ラインの中央で輝いたのである。

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2022-2023シーズンのナポリは1990年のディエゴ・マラドーナ時代以来となるスクデット(セリエA優勝)を果たし、キムはリーグの年間最優秀ディフェンダーに選出。また、キムはバロンドールのショートリストにも名を連ねた。こうして、バイエルンが5800万ユーロ(約92億8000万円/1ユーロ=160円換算)の契約解除金を支払って獲得。キムは史上最高額のアジア人選手となったのだ。

イ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)

2018年のアジア大会でソンが韓国を優勝に導き、兵役を免除されたことは、ひとつのテンプレートとなった。2023年のアジア大会では、パリ・サンジェルマン(PSG)に所属する22歳の攻撃的ミッドフィルダーであるイが韓国の優勝に貢献し、兵役免除の条件を満たしたのだ。

バレンシアのアカデミーを経て、3シーズンでラ・リーガの44試合に出場したイは、2021年に4年契約でマジョルカに加入。その技術的クオリティーや目もくらむドリブルで、ネイマールとメッシの時代から少し異なることを目指していたPSGの目を引いた。昨年7月にPSGに移籍してからの活躍で、ルイス・エンリケ監督のお気に入りとなっている。

監督が4-3-3と3-4-3の切り替えを要求するチームにおいて、サイドでも中盤でもこなせ、異なる役割に適応できるイは重要な存在だ。クリンスマン監督はシンガポールと中国を下した直近のワールドカップ予選で、ミッティランのチョ・ギュソンをセンターフォワードとし、イを右ウィングに起用して、ソン、ファンとのエキサイティングな2列目を形成した。

また、イは中央でも起用でき、パク・ヨンウとレッドスター・ベオグラードのファン・インボムの頼もしいコンビに創造性を加えることもできる。

時計を刻む音が大きくなっているのは、韓国の黄金世代にとって呪いだ。ソンにとって重要なのは確かだろう。対照的に、イにはまだ10年の時がある。彼を待つ可能性は計り知れない。アジアカップ2023における韓国同様に、その今後は大きな楽しみとなるはずだ。

※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。
翻訳:坂東実藍
編集:スポーティングニュース日本版編集部