またひとり、象徴的な選手がスパイクを壁にかけた。3月22日(日本時間23日)、メスト・エジルが引退を発表したのだ。
レアル・マドリーやアーセナルといった名門サッカーチームでプレーし、ドイツ代表でも活躍した技巧派ミッドフィルダーは、輝かしいキャリアを送ってきた。
残念なかたちでアーセナルを退団して以降、エジルは近年トルコのフェネルバフチェやイスタンブール・バシャクシェヒルでプレーした。
そうして一部のサッカーファンのレーダーから外れていた彼だが、引退の決断はその年齢からも驚きをもって受け止められている。
なぜエジルは引退したのか?
エジルはまだ34歳であるだけに、近年のサッカー選手では早い引退と言える。
エジルは発表の中で引退を決意した背景にケガがあることを明かした。
インスタグラムに投稿した声明で、エジルは「ありがたいことに、約17年にわたってプロサッカー選手でいることができた。その機会にすごく感謝している。でも、最近は何度かケガにも苦しめられ、サッカーの大舞台を去るタイミングだということがどんどん明白になっていった」と述べている。
今季のエジルはイスタンブール・バシャクシェヒルに所属し、出場時間は187分のみ。そのうち45分はリザーブリーグでの出場だった。
今季戦列を離れていた主な理由は、腰のケガだ。エジルはキャリアを通じて腰、ひざ、そして足首のケガに悩まされた。
『Transfermarkt』によると、エジルはアーセナル時代にケガが理由で69試合を欠場している。
なぜエジルはレアル・マドリーを退団したのか?
エジルのキャリアで絶えず騒がれてきたもうひとつの話題が、2013年にマドリーからアーセナルへの移籍を決断したことだ。
2011-2012年シーズンのラ・リーガ優勝など、スペインの名門クラブでエジルは3シーズンにわたって活躍した。
個人としてもクラブとしても成功したにもかかわらず、エジルはアーセナル移籍という驚きの選択に踏み切った。本人はマドリー首脳陣からの信頼の欠如をその理由としている。
当時、エジルはドイツサッカー連盟のウェブサイトで「週末の時点でマドリーに残ると確信していたが、それから監督やボスに信頼されていないと分かった」と話している。
「僕はそういう信頼を必要とする選手だ。そしてアーセナルからはその信頼を感じた。だから加わることにしたんだ」
「本当に楽しみにしているよ。監督から信頼されているからだ。電話で長く話し、プランを説明してくれた。僕を信頼しているともね。選手として僕に必要なことだ」
「(アーセン)ヴェンゲルは僕を信頼してくれており、僕はもっと成長できる。自分にできることは分かっているし、どのクラブでも成功できると知っている。自分にすごく自信があるからね。でも周囲が自分を信頼してくれないなら…それが移籍しなければいけなかった理由だ。アーセナルでは完全に信頼されていると感じている」
エジルはFIFAワールドカップで優勝した?
2018年の代表引退まで、エジルはドイツ代表で92試合に出場し、2014年のFIFAワールドカップで優勝している。
当時のエジルは全盛期で、大会の全試合に先発出場。アルゼンチンを1-0で下した決勝では120分プレーした。
エジルはドイツ代表としてワールドカップの3大会、通算16試合に出場し、2ゴール、4アシストをマークしている。
原文:Why did Mesut Ozil retire? Former Arsenal, Real Madrid star ends his playing career after stint in Turkey
翻訳:スポーティングニュース日本版編集部
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