海外日本人サッカー選手トップ10:欧州主要リーグで戦うベストプレイヤーたち|2023年夏版

2023-05-16
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近年は日本人サッカー選手のヨーロッパ移籍がますます増え、日本代表にも大きな恩恵をもたらしている。複数の選手が移籍したのはドイツのブンデスリーガだが、イングランド、スペイン、ポルトガルなど、ヨーロッパのほかのトップリーグでも多くの日本人選手がプレイしている。

2022年FIFAワールドカップで日本がスペインとドイツを相手にアップセットを演じたとき、サムライブルーはこれから国際舞台で活躍していける若手の主軸がいることを示した。

ここでは、ヨーロッパのクラブでプレイしている最高の日本人サッカー選手たち十傑を取り上げる。

現在ヨーロッパのトップリーグで戦っている最高の日本人選手たちは以下のとおりだ。

ヨーロッパの日本人サッカー選手トップ10

10. 南野拓実(モナコ)

リバプールで一定の役割を確保できず、モナコに移籍することになった南野拓実のスター性は大きく低下した。それでも、最高の状態なら試合を変えられる選手なのは変わらない。リバプール移籍前はレッドブル・ザルツブルクで大活躍し、リバプールでも主にカップ戦で出場機会を与えられた際は重要な局面で貢献した。

だが、しばらく前から最高のレベルを見せられていない。モナコではインパクトを残すのに苦しみ、代表でも安定した出場機会を失っている。ここ10試合の代表戦では得点やアシストがなく、最後に記録したのは2022年2月。ワールドカップでは先発出場がなかった。モナコでは1ゴール、4アシストにとどまっている。だが、その才能に疑いはない。

9. 遠藤航(シュトゥットガルト)

代表50キャップを誇り、シュトゥットガルトでキャプテンを務める遠藤航は、またも降格の恐れに瀕している難しいシーズンとなった同クラブにとって、数少ない明るい材料のひとつだ。遠藤を擁する彼らにとって、守備は大きな問題にならなかった。

Jリーグで名を馳せた遠藤は、2022年ワールドカップで日本代表のレギュラーを務めた。守備の中心でトップの選択肢であり続けている。

8. 板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)

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ラインナップが安定せず、ブンデスリーガの中位で過ごすシーズンとなったボルシアMGだが、板倉滉はクラブや日本代表で安定して力を発揮してきた。ボルシアMGで居場所を確立し、その価値を証明している。

板倉は後方からのパスに優れ、守備面で大きく貢献する。タックルは磨きをかける必要があり、ポジショニングも改善が必要かもしれない。それでも、26歳で全盛期を迎えつつある彼は、今後の日本代表にとって安定した戦力となるだろう。

7. 前田大然(セルティック)

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2022年冬のマーケットでヨーロッパに渡った25歳の前田大然は、セルティックですぐに活躍したフォワードだ。慣れるまで2か月を要したが、レギュラーの座をつかむと、セルティックの2021-2022シーズンのスコティッシュ・プレミアシップ優勝に貢献した。

2022-2023シーズンもリーグ戦とカップ戦で二桁得点を達成。日本代表ではまだ12キャップだが、ワールドカップでは3試合で先発出場を果たしており、今後も一貫した選択肢となることは確かだ。

6. 堂安律(フライブルク)

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ここ3シーズンで3つ目のクラブとなったフライブルクで、おそらく自分が望んだように溶け込むことはできなかった。だが、かつてPSVやアルミニア・ビーレフェルトでプレイした堂安律が、ブンデスリーガの上位につけるフライブルクにとって重要な存在であることは変わらない。

ゴールを量産するスコアラーではなく、代表でも36試合出場で5ゴールだ。だが、カタールでのワールドカップではドイツ戦とスペイン戦で大きなゴールを決め、国際舞台で存在感を発揮した。24歳の彼がカタールで見せた有望ぶりを裏付けるには、クラブでもっと安定することが必要となる。

5. 守田英正(スポルティングCP)

ヨーロッパ有数の多才で効果的な守備的ミッドフィルダーに成長した守田英正ほど、2022-2023シーズンに輝いたスターはいない。2022年夏にスポルティングに加入し、すぐにスタメンとなって素晴らしい活躍を見せている。

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深い位置からゴールやアシストにも貢献する守田は、優れたパサーであるとともに、相手のパスコースを遮って大きな混乱を引き起こし、空中戦やタックルも優れている。Jリーグからの移籍に少し時間を要したが、このままもっと続ければ、ヨーロッパ全土で求められる選手となるはずだ。

4. 鎌田大地(フランクフルト)

鎌田大地は、2021-2022シーズンのヨーロッパリーグ(EL)で見事に優勝したフランクフルトの中心だった。2022-2023シーズンは後半戦に大きく調子を落としたが、フランクフルト攻撃陣における危険な存在であることは変わらない。

中盤でもウィングでもプレイできる多才な選手で、主に危険なエリアでボールを受け、ハイリスク・ハイリターンのスタイルで自分や味方にオープンなスペースをつくり、相手を苦しめる。バルセロナ、ウェスト・ハム、ベティス、レンジャーズ、オリンピアコス、フェネルバフチェといったクラブを撃破し、優勝に貢献したELでの活躍で欧州を夢中にさせた。

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3. 冨安健洋(アーセナル)

冨安健洋はひざのケガでアーセナルでの2022-2023シーズン後半戦を台無しにされ、マンチェスター・シティとプレミアリーグ優勝を争うチームをピッチ外から見守ることになった。それでも、彼は日本で最も貴重な選手のひとりだ。

まだ24歳の冨安は、サイドからのパスが本当に見事で、空中戦も極めて優れている。サイドバックにとって貴重な2つのスキルだ。タックルやインターセプトによる守備での貢献度も非常に高い。健康であれば、再びヨーロッパ有数の名門で大きな役割を担うはずだ。

2. 久保建英(レアル・ソシエダ)

レアル・マドリーがFC東京から久保建英を獲得して4年が経つが、このウィンガーがまだ21歳であることを考えれば驚きだ。スペインでそのスキルを向上させていくのに少し時間を要したが、2022-2023シーズンはソシエダで二桁近いゴールとアシストを記録。ようやく、2019年にマドリーが獲得した際に見た才能を垣間見せている。

ボールを持ったときの久保の能力は、シンプルに素晴らしい。スキルのあるボール運びで、パスに関してはまだ大きな改善が必要だが、積極的にドリブルでディフェンダーに仕掛け、危険なポジションに飛び込んで味方からのパスを受ける。成長の余地があり、有望であるとともに、ここまでに見せてきたことを考えれば、恐ろしいほどだ。

1. 三笘薫(ブライトン)

ブライトンがわずか300万ユーロ(約4億4400万円/1ユーロ=148円換算)で川崎フロンターレから三笘薫を獲得したのは大ヒットだ。ベルギーのユニオン・サン=ジロワーズにレンタル移籍した昨季の成功を経て、三笘はブライトンで自分を証明するチャンスを得た。そしてその貢献は、ブライトン大成功の大きな要因となっている。

三笘のプレイにはほとんど弱点がない。パスは他のウィンガーと比べてリスキーでなく、チームメイトとの連係率も高い。卓越したスキルでボールを前に運ぶ。ディフェンダーにたくさん仕掛け、成功率も高く、危険なエリアでパスを受ける。守備能力もあり、タックルに優れ、空中戦にも臆さない。

日本には三笘というオールラウンドな選手がいる。25歳の彼はまだしばらくの間、サムライブルーの重要な戦力であり続けるはずだ。

選外となったその他の最高の海外日本人選手たち

トップ10の選考には含められなかったが、ほかにも優れた選手たちがいる。

選出する上で最もアンラッキーだったのは、AZに所属する22歳の菅原由勢だろう。新進気鋭の右サイドバックで、2022-2023シーズンのヨーロッパカンファレンスリーグで活躍した。日本代表では出場わずか3試合とあり、まだあまり知られていないが、すぐにそのレベルに達するはずだ。

25歳の旗手怜央も同様だ。代表ではわずか1キャップで、2022年1月のセルティック移籍でヨーロッパに上陸したばかりのミッドフィルダーだが、スコットランドリーグで二桁アシストを記録するなど、すぐに定位置を確保し、才能を開花させた。

30歳の伊東純也は、ワールドカップで何度か印象的な瞬間を見せた。だが、スタッド・ランスでの今シーズンは安定せず、これまでのキャリアで本当の名門クラブではプレイしていない。ボーフムの浅野拓磨も、ひざのケガに影響されたようで、クラブレベルでは苦しんだ。

吉田麻也は34歳でキャリアの下り坂にあり、シャルケでは定期的に貢献しているが、クラブは降格に向かっている。ただ、日本代表で126試合に出場し、キャプテンを務めた彼だけに、ここで取り上げるにふさわしいだろう。

ストライカーの古橋亨梧は、2021年夏にセルティックに加入して以来、公式戦79試合で50ゴールと抜群の数字を残している。だが、28歳の彼にとってこれが瞬間的なものなのか、欧州5大リーグで戦う準備ができているのか、判断がつかない。来季も同様の数字を残せれば、遅咲きの選手としてこのリストに名を連ねる候補になるかもしれない。

翻訳:スポーティングニュース日本版編集部