イングランドにおけるサッカーリーグの2部チャンピオンシップから、1部のプレミアリーグに昇格を果たすクラブが決定した。
レスター・シティはチャンピオンシップの王者として、2024-2025シーズンに向けてプレミアリーグに昇格する。またイプスウィッチ・タウンは、そのレスターに次ぐ2位につけ、22年ぶりのプレミアリーグ復帰を果たした。
そして5月26日のプレーオフ決勝、最後の1枠を勝ち取ったのはリーズ・ユナイテッドを1-0で下したサウサンプトンだ。
これら3つのクラブは、チャンピオンシップ降格となった3クラブ(ルートン・タウン、バーンリー、シェフィールド・ユナイテッド)に代わり来季からプレミアリーグで競う。例年通り、プレミアリーグが持つ富と名声が、チャンピオンシップの昇格レースを欧州サッカー界で最も熱いものにした。
来季からプレミアリーグに昇格するクラブは?
2023-2024シーズンにおいて、プレミアリーグ昇格を決めた最初のクラブはレスター・シティだ。彼らは4月26日、リーズ・ユナイテッドがクイーンズ・パーク・レンジャーズに4-0という衝撃的な大敗を喫したことで2位以内を確定させ、その3日後、プレストン・ノース・エンドに3-0で勝利を収めチャンピオンシップ王者となった。
イプスウィッチ・タウンは4月30日、コベントリー・シティを2-1で下してチャンピオンシップ2位につける。彼らが昇格のために最終節のハダースフィールド・タウン戦で必要だった勝ち点はたったの1で、結果2-0の勝利によりそれを獲得した。
サウサンプトンはチャンピオンシップのプレーオフ決勝戦、ウェンブリー・スタジアムにてリーズ・ユナイテッドを1-0で下し最後の昇格枠を勝ち取った。
順位 | クラブ | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 勝点 |
1. | レスター・シティ | 46 | 31 | 4 | 11 | 89 | 41 | +48 | 97 |
2. | イプスウィッチ・タウン | 46 | 28 | 12 | 6 | 92 | 57 | +35 | 96 |
上位2クラブは自動的に昇格 | |||||||||
3. | リーズ・ユナイテッド | 46 | 27 | 9 | 11 | 81 | 43 | +38 | 90 |
4. | サウサンプトン | 46 | 26 | 9 | 11 | 87 | 63 | +24 | 87 |
5. | ウェスト・ブロムウィッチ | 46 | 21 | 12 | 13 | 70 | 47 | +23 | 75 |
6. | ノリッジ・シティ | 46 | 21 | 10 | 15 | 79 | 64 | +15 | 73 |
3位から6位のクラブはプレーオフ進出 | |||||||||
7. | ハル・シティ | 46 | 19 | 13 | 14 | 68 | 60 | +8 | 70 |
レスター・シティはチャンピオンシップ王者としてプレミアリーグ昇格へ
レスター・シティは、今季プレミアリーグ昇格を決めた最初のクラブであった。
4月26日、リーズ・ユナイテッドがクイーンズ・パーク・レンジャーズに0-4で大敗を喫した時点で、レスターの今季2位以内が確定。そして4月29日、アウェイでプレストン・ノース・エンドを3-0で下し、チャンピオンシップ優勝を達成した。
レスターはリーズ、サウサンプトンと共に昨季チャンピオンシップに降格。奇跡のプレミアリーグ制覇からわずか7年後のことだった。そんな彼らは、2023-2024シーズン前にエンツォ・マレスカを監督に任命するという賭けにでる。かつてユベントスやセビージャの中盤でプレーした彼だが、監督としては6か月間と経験が浅く、その前のシーズンはマンチェスター・シティでペップ・グアルディオラのアシスタントとして過ごしていた。
だが、この判断は吉とでる。マレスカはレスターに前向きで積極的なサッカーを取り戻させ、リーグ戦46試合のうち31試合で勝利と好成績を残した。
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マッケナはイプスウィッチに連続昇格をもたらす大仕事
イプスウィッチ・タウンは、もう1つの自動昇格枠であるチャンピオンシップ2位の座を獲得し、2002年以降初となるプレミアリーグ復帰を果たす。
キーラン・マッケナが監督に就任した2021年12月、イプスウィッチはリーグ1(3部リーグ)まで降格し苦しい時期を過ごしていたが、彼がもたらした攻撃的サッカーによって連続して昇格を成し遂げた。
マッケナはジョゼ・モウリーニョ、オーレ・グンナー・スールシャールのアシスタントとしてマンチェスター・ユナイテッドで指導経験を積んでおり、今回イプスウィッチをプレミアリーグ昇格に導いたことで、チェルシーやブライトン、またマンチェスター・ユナイテッドなどからの関心が報じられている。イプスウィッチは大舞台に復帰する最初のシーズンに向けて、彼を引き留めようと必死になっていることだろう。
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『世界で最も裕福な試合』を制したサウサンプトン
サウサンプトンはプレーオフ決勝でリーズ・ユナイテッドを1-0で下し、2024-2025シーズンに向けたプレミアリーグへの最後の昇格枠を勝ち取った。
その試合で唯一の得点を挙げたのは、アダム・アームストロングだ。ラッセル・マーティン監督が深刻なプレッシャーにさらされていた今シーズン序盤の不振を考慮すれば、プレーオフでの勝利は見事な成果である。
チャンピオンシップのプレーオフ決勝は、次季から勝者にプレミアリーグの莫大な富がわたるため、しばしば『世界で最も裕福な試合』と形容される。ただ敗退する側、今回でいうリーズにとっては、過酷なチャンピオンシップにおいてさらなる1年を意味しており、プレーオフ決勝で敗退することは、そのような意味で最も辛い敗退であると言えるかもしれない。
原文:Teams promoted to Premier League 2024: Southampton join Leicester City, Ipswich Town in promotion from Championship
翻訳:山下晴輝(スポーティングニュース日本版)