ユルゲン・クロップの後継者は誰に? リバプールの次期監督候補たち

2024-01-29
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2024年1月26日、ユルゲン・クロップ監督がサッカー界を驚かせた。今シーズン限りでリバプールの指揮官を退任すると発表したのだ。

2015年10月にブレンダン・ロジャース前監督が退任して以降、クロップは8年以上にわたってアンフィールドのベンチで指揮を執り、リバプールをイングランドとヨーロッパの強豪へと戻した。

リバプールはクロップの下で2019-2020シーズンに30年ぶり19回目のリーグ優勝を達成。2018-2019シーズンと2021-2022シーズンには勝ち点90ポイントを達成したが、ジョゼップ・グアルディオラ監督のマンチェスター・シティに敗れている。

また、クロップは2019年のUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)決勝でトッテナムを2-0で下し、リバプールを6回目の欧州王座に導いた。2018年と2022年も決勝に勝ち進んだが、レアル・マドリーに屈している。ただ、2022年はカラバオカップとFAカップで優勝した。この両大会でリバプールは今季もタイトルを獲得する可能性がある。

これだけ見事な仕事ぶりだけに、誰が継ぐにしても後任にとっては大変な任務となる。マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルがアレックス・ファーガソン、アーセン・ヴェンゲルの退任後に示したように、これほどの指揮官の後は困難がつきまとう。

ここでは、次のリバプールの監督候補と言われる指揮官たちをまとめる。

ユルゲン・クロップの後任:リバプールの次期監督候補

リバプールの次期監督として早々に名前があがった主な候補者は以下のとおりだ。

シャビ・アロンソ

スペイン代表やマドリーで活躍したシャビ・アロンソは、ラファエル・ベニテス政権のリバプールでの5年間でアンフィールドのファンから好かれた人物だ。現在は欧州で最も高く評価されている若手指揮官のひとりであり、バイヤー・レバークーゼンを率いて強豪バイエルン・ミュンヘンを抑え、ブンデスリーガの首位に立っている。2023-2024シーズン開幕から公式戦27試合で無敗だった。

バイエルンを倒せば、ボルシア・ドルトムント時代のクロップのようだろう。リバプールが直近で優先すべき次期監督候補はアロンソかもしれない。

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ペピン・リンダース

クロップの発表が驚かれた大きな理由のひとつが、現在のリバプールの調子だ。1月26日時点で、リバプールは2位に5ポイント差をつけてプレミアリーグの首位に立っている。アレクシス・マカリステルやドミニク・ソボスライといった目玉補強で中盤も再びフィットさせるなど、夏の補強の成果も出ているのだ。

継続性のある候補を選び、この新しいチームの次の成長段階を監督させることを望むなら、長きにわたってクロップの右腕だったリンダース以上の人はいないだろう。リバプールはクロップの退任発表で、リンダースもアシスタントコーチの職を離れると明かしたが、「独自の監督キャリアを求めて」としている。その場所がアンフィールドではないと誰が言っただろうか?

アンジェ・ポステコグルー

クロップが2回目のプレミアリーグタイトルを手にして退任するかどうかを左右し得るチームのひとつが、ポステコグルー率いるトッテナムだ。魅力的で先進的なサッカーやファン人気の獲得など、北ロンドンにおけるオーストラリア人指揮官のインパクトは、リバプールにおけるクロップ政権初期に似ている。

ポステコグルーはセルティックでも輝かしい成績を残した。歴史の重みが恵みと同時にも呪いにもなり得る名門を率いることができると証明したのだ。さらに、ポステコグルーは幼少期にリバプールのファンだった。ただ、今季序盤にリバプールと対戦する前に、ポステコグルーはそれは関係ないと強調しているが。

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ロベルト・デ・ゼルビ

デ・ゼルビは最近、大きなクラブの監督候補として常に名前があがる人物だ。このイタリア人指揮官がブライトンでいかに素晴らしい仕事をしてきたかを証明している。今、攻撃的なチームにとって、限界を広げられる戦術家という点で彼以上の指揮官はいないだろう。

タイトルが期待されるチームには合わないとの声もある。クロップもリバプールに来て当初は似たような疑問を持たれていたが、彼にはドルトムント時代にリーグ優勝を果たした実績があった。さらに、ポステコグルー同様に、デ・ゼルビはグアルディオラが2025年にシティの指揮官を退任した際に、その後継者としてより適しているかもしれない。

スティーブン・ジェラード

レンジャーズで2020-2021シーズンのスコティッシュ・プレミアシップを制し、ジェラードはクロップの後継者になるかと思われた。しかし、元イングランド代表のジェラードはその後、アストン・ビラで失敗している。そしてサウジアラビアに向かい、アル・イテファクを率いているところだ。

アンフィールドで人気だったジェラードが監督として戻ってくるというのは、今のところ非現実的だ。しかし、ある種実践的かもしれない。クロップのように成功し、愛された監督の後任は、実質的に絶望的と歴史が示している。ならば、リバプール史上最高の選手と広く見なされている人物にある程度の荒波を乗り越えさせてから、真にエリート級の指揮官に手綱を託すこともあるかもしれない。

原文:Jurgen Klopp replacement: Next Liverpool manager candidates including Alonso, Ljinders and Gerrard(抄訳)
翻訳:坂東実藍