【独占コラム】ジェイ・ボスロイド選出『Jリーグで活躍しそうな英国選手ベストイレブン』

2023-02-08
読了時間 約2分
(Getty Images)

サッカー元イングランド代表のフォワード(FW)で、Jリーグのジュビロ磐田と北海道コンサドーレ札幌でもプレーしたジェイ・ボスロイド氏が、2月17日に2023年シーズンの開幕を控えるJリーグを含む、海外で過ごした経験について思い出を振り返る。Jリーグで活躍しそうなイングランド人選手の『ファンタジーイレブン』(夢のベスト11)も選出した。


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日本に行って選手寿命を伸ばし、高いレベルでプレー

Jリーグの2023年シーズン開幕が近づいてきたが、日本に行ってプレーするイングランド人選手が少ないことを残念に思う。

私のキャリアで最高の決断は、カーディフ・シティに加入したことだ。素晴らしい3シーズンを過ごし、イングランド代表にも選出された。次に良かった決断は、日本に行って、ジュビロ磐田と北海道コンサドーレ札幌でプレーしたことだ。

選手寿命を伸ばし、高いレベルでプレーすることができた。共にプレーした選手に影響を与え、成長させることもできた。

現在のイングランドは、少し変わってきている。ドイツやイタリアに出ていってプレーする選手が増えてきた。ジェイドン・サンチョやフィカヨ・トモリは、それで成功を収めている。キャリアの終盤にアメリカやオーストラリアに行く選手もいる。

だが、多くの選手は、居心地のいい場所から離れて、外国のトップリーグで優秀な選手たちとプレーするよりも、下部リーグに移籍して国内に留まることを選ぶ。私は違った。大勢の中の一人にはならず、自分が正しいと思うことをやる人間だ。大衆に従うことはない。

海外での経験が自分を大人にした

21歳のとき、プレミアリーグとチャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)のクラブからのオファーを断り、セリエAのペルージャに加入した。オファーがなくて仕方なく国外に出たわけではない。父親と一緒にイタリアサッカーを見ていた子供のころからの夢だったのだ。

とても大きなカルチャーショックを受けたが、その経験で精神的に成長できた。ほとんどの21歳は実家で母親と暮らすだろうが、私は厳しい環境に身を投じた。

渡航前に選手リストを見ると、オーストラリア人やギリシャ人の選手がいて、アフリカ出身の選手も数人いた。だが、彼らは長い休暇を取っていたので、最初の2週間は、私以外の全員が英語の話せないイタリア人選手だった。

最初の1か月間は、山中での合宿だった。話す相手は誰もおらず、携帯電話の使用料は1か月で7000ユーロ(約98万円 ※1ユーロ=140円換算)に達した。ペルージャに戻ってからは、少し落ち着いた。ペルージャは学園都市で、アメリカ人や多くの外国人が住んでいた。イタリア語も学び始め、少しずつ上達した。

イタリア人選手のプレースタイルも学んだ。彼らにとって重要なのは3つの「F」だ。家族(Family)、フットボール(Football)、そして食事(Food)だ。私は、これらの本質的な意味を学ぶことができた。まだ若者ではあったが、このような経験が私を大人にしてくれた。トレーニングでは手を抜かず、試合と同じように取り組まなくてはいけないことも理解した。

10年後に日本に渡航したときには、他の選手たちに影響を与えられるようになっていた。チームメートの成長を助け、ヨーロッパでプレーできる実力を持つ選手たちにアドバイスできた。マインドセット(考え方)を変える機会があったのだ。

ここまで書いたことを考慮して、Jリーグのためになるポテンシャルのあるイングランド人選手11名のリストを作成した。ほとんどがキャリア終盤の選手たちだが、もし彼らが日本に行ったら、影響を与えられるだろう。彼らが日本に行くべきだと言いたいのではない。

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ジェイ・ボスロイド選出 Jリーグで活躍しそうなイングランド人選手ベストイレブン

(SN Illustration)

フォーメーション:4-3-3
GK:トム・ヒートン
DF:ナサニエル・クライン、ジャマール・ラスセルズ、ベン・ミー、ライアン・バートランド
MF:ジョンジョ・シェルヴェイ、ジェイク・リヴァモア、リース・オックスフォード
FW:テオ・ウォルコット、ダニエル・スタリッジ、アンドロス・タウンゼント

もし彼らが本当に移籍するとなれば、日本サッカーの哲学と文化について受け止める覚悟を持つ必要がある。社会と文化に適合するのが、どこよりも大変なのだ。

「イングランドでは、こうしていた」と言うと、「ここはイングランドじゃない。日本だ」と返されたことは何度もある。最初は混乱したが、時間が経つにつれて、「それもそうだ。変わらなければならないのは、私の方だ」と気づいた。

私が変えようとしていたのは、ピッチ上でのマインドセットだ。それなら変えられる。前述のリストに挙げた選手たちは、日本でそれができる才能があると思う。

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多くのイングランド人選手にJリーグへ行ってほしい

他にも候補の選手たちはいる。リストのベンチメンバーに入れてもいいかもしれない。ジェイ・エマニュエル・トーマスは、スピードがあって体も強い。彼はインドでプレーしているので、場所を変えるのは現実的だ。アダム・ララーナはブライトンでプレーしているとはいえ、キャリアの終盤に差し掛かっている。年齢を気にすることはない。イニエスタは36歳で日本に行った(訳注:イニエスタの神戸入団時の年齢は34歳)。ララーナの技術と賢いプレッシング能力があれば、問題ないだろう。

もっと多くのイングランド人選手にJリーグへ行ってほしい。たくさんの日本人選手たちが国外でプレーしていて、その数は増える一方だ。ワールドカップでの彼らの活躍を見ただろう。私がリストに挙げたような、イングランドのフットボーラーたちは、それに貢献できるはずだ。

翻訳:早坂卓真

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