UEFAチャンピオンズリーグ決勝の注目スタッツ:シティがインテルを下したCLファイナルの数字

2023-06-12
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(Getty Images)

マンチェスター・シティは6月10日(日本時間11日)、イスタンブールのアタテュルク・オリンピック・スタジアムで行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝でインテルを1-0で下し、クラブ初の欧州制覇と三冠を達成した。

圧倒的優位とされたシティは、試合の大半でインテルの見事な出来に抑えられたものの、68分のロドリのゴールが決勝点となっている。

シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、自身通算3回目のCL優勝を果たした。4回のカルロ・アンチェロッティ監督に次ぐ数字だ。

『スポーティングニュース』では、CL決勝を巡る様々な数字やスタッツを掘り下げた。

試合前

  • シティとインテルの対戦は公式戦で初めてだった。対戦したことがない2チームによるCL決勝は、2005年のリバプールとミランの決勝以来だった。 
     
  • シティは決勝までの12試合で無敗(7勝5分け)を保ち、圧倒的優位と見られていた。2021年に初めてCL決勝に進出した際も、シティはファイナルまでの12試合で無敗だった。 
     
  • インテルもまた欧州で好成績を残してイスタンブールでの決勝にたどり着いた。決勝トーナメントの6試合で無敗(4勝2分け)。ファイナルまでの12試合のうち8試合でクリーンシートを達成しており、これは大会最多の数字だった。 
     
  • インテルは今回が11回目の欧州大会決勝だった。イタリア勢ではユベントス(16)、ミラン(14)に次ぐ3位の数字だ。一方、シティはCLの歴史で23クラブ目の初優勝を達成した。初優勝は2012年のチェルシー以来だ。 
     
  • 両チームを率いるのは、グアルディオラとシモーネ・インザーギ。前者は4回目のCL決勝で、アンチェロッティ(5)に次ぐ数字だ。一方、インザーギはインテルのイタリア人指揮官としては1972年のジョバンニ・インベルニッツィ以来2人目のCL決勝進出だった。
  • シティのイルカイ・ギュンドアンは、ドイツ人選手として初めてドイツ以外のクラブの主将をCL決勝で務めた。一方、インテルではマルセロ・ブロゾビッチがクロアチア人としてはCL決勝で初めてのキャプテンを務めている。

前半

キックオフから2023年のCL決勝は緊張感に包まれた。対戦前の大半の予想以上に、インテルがシティを苦しめたのだ。

  • ポゼッションは予想されたとおり、シティが大半を手にした。だが、インテルのブロゾビッチが仕事する。最初の10分間でポゼッションを4回取り戻したのだ。ピッチ上のほかの全員の合計(5)をひとつ下回るだけの数字だった。 
     
  • インテルはすぐに試合に入っていった。18分の時点でシティのボックスに5本のパスを入れている。一方、シティは1本も入れていなかった。 
     
  • 前半の主な話題となったのは、ケビン・デ・ブライネの負傷だ。シティのタリスマンは自身にとって2回のCL決勝でいずれも負傷退場を余儀なくされた。
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  • チャンスは多くなかったが、それでも目立ったパフォーマンスはいくつか見られた。前半、最も多く相手ボックス内でボールに触れたのは、ジャック・グリーリッシュ(4)。デュエル勝利(5)でもグリーリッシュは2位の数字だった。 
     
  • インテルではブロゾビッチが最多のタックル成功(2)を記録。ボール奪取(7)はトップだった。 
     
  • シティのアーリング・ハーランドは苦しんだ。前半のボールタッチ数はわずかに9回。スタメンでは最も少ない数字だった。 
     
  • チームとしては、予想されたように、ほとんどのカテゴリーでシティがリードした。パス成功は278本とインテルの156本を上回り、相手ボックス内でのタッチ数は9回。だが、シティはゴールを奪うに至らなかった。

後半 

前半同様、後半も序盤は慎重な展開で、シティは68分までインテルを崩すのに苦しんだ。

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  • ロドリのゴールはCLにおける自身2点目だった。 
     
  • ロドリのCL初ゴールは今季の準々決勝。バイエルン・ミュンヘンを下した試合だ。決勝での得点により、ロドリはそれまでの47試合で記録したCLでのゴール数を倍増させた。 
     
  • CL決勝におけるセントラルMFの得点は、2017年のカゼミロ(当時レアル・マドリー)以来だった。
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  • アタテュルク・オリンピック・スタジアムで開催されたCL決勝では、7ゴールすべてが同じ側のゴールで決まっている。 
     
  • エメルソンはインテルに得点させまいとシティのゴールを堅く守った。決定的な2つのセーブでリードを保った。 
     
  • エメルソンのセーブのひとつは、近距離からのロメル・ルカクのヘディングを止めたものだった。ルカクは57分間からの途中出場だったが、ゴール期待値0.64を記録。フェデリコ・ディマルコ(0.68)に次ぐ2番目の数字だったが、得点をあげるには至らなかった。

総括

  • シティはCL、プレミアリーグ、FAカップを制して三冠を達成した。欧州では通算10回目のトレブル(三冠)だ。

  • イングランドはこれで6クラブがCL優勝と最多を記録。これまでシティのほかにリバプール、マンチェスター・ユナイテッド、ノッティンガム・フォレスト、アストロ・ビラ、チェルシーがトロフィーを掲げている。 

  • グアルディオラは監督として2回目の三冠達成。異なるクラブでの達成は初となる。グアルディオラは2008-2009シーズンにバルセロナで、2022-2023シーズンにシティで三冠をなし遂げた。

  • シティは2007-2008シーズンのユナイテッド以来となるCLシーズン無敗を達成した。 

  • CL決勝はここ4シーズン連続で1-0というスコアに終わっている。それまでの27回の決勝で1-0は3回だった。

  • エメルソンは決定的なセーブを5本記録した。今季のCLで自己最多タイの数字だ。インテルにゴール期待値1.81を記録されながら、ブラジル人守護神はゴールを許さなかった。
     
  • ロドリは決勝点で賛辞を集めた。前半の出来は悪かったが、シティ初のCL優勝を決めた試合で決定的な役割を果たしたかたちだ。ロドリは以下の数字を残している。

    1:ブロック(最多)
    2:チャンスメーク
    3:インターセプト(最多)
    9:ボール奪取
    17:ファイナルサードでのパス成功(最多)
    80:ボールタッチ
     
  • シティFWフリアン・アルバレスにとっては特別な夜となった。同一シーズンにワールドカップとCLの双方で優勝したのは、今世紀で4人目だ。 
     
  • ハーランドは12ゴールで今季のCL得点王となった。プレミアリーグとCLの双方で得点王は、ドワイト・ヨーク(1998-1999シーズン)、ルート・ファン・ニステルローイ(2002-2003シーズン)、クリスティアーノ・ロナウド(2007-2008シーズン)に続く史上4人目だ。

原文:2023 Champions League final by the numbers: Best stats and facts as Man City edge past Inter Milan(抄訳)
翻訳:スポーティングニュース日本版編集部