元札幌FWジェイがコスタリカ戦・森保采配の問題点を指摘|カタールW杯

2022-12-01
読了時間 約2分
Getty Images

現在カタールで行われているFIFAワールドカップで8強入りを目指すサッカー日本代表は、勝てば決勝トーナメント進出を決められたコスタリカ戦でまさかの敗戦を喫してしまった。

かつてJリーグでプレーし、日本のサッカーをよく知る元イングランド代表FWジェイ・ボスロイド氏に、コスタリカ戦の感想と次戦のスペイン戦の展望を聞いた。

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「情に厚すぎる」森保采配

日本代表は、森保一監督の「義理堅さ」によって、ワールドカップのベスト16進出を決める大チャンスを逃した。しかし、この問題は単に監督だけのものではなく、長年にわたって日本サッカー界を苦しめてきたものだ。

ドイツ戦で2-1の衝撃的な勝利を飾ったあとに、コスタリカ戦の1-0での敗戦。多くの人が驚くのは当然で、サムライブルーの評判はすっかり落ちてしまった。しかし、私は試合前、日本が負けてもおかしくないと考えていた。ドイツ戦では途中交代の選手が良い影響を与えていたので、今回のメンバー選考は不可解だったが、それよりもっと根深いメンタリティーの問題がある。

これは私が日本にいた頃、何度も見た光景だった。日本代表は、アルゼンチンやブラジルといった強豪相手にいいパフォーマンスを見せた後、タイのような実力で劣るチームを相手に苦戦していた。

それと同じようなことが今回も起こった。

日本は、世界最高のチームの一つであるドイツを打ち負かした。前半最初の20分間を優位に進め、後半はさらに素晴らしかった。プレスをかけ、相手の背後を取った。森保監督の采配が光った。

試合を変えたのは、冨安健洋、三笘薫、南野拓実、そしてこの試合の決勝点を奪った浅野拓磨だ。味気ない試合展開だったが、彼らが出てきて切れ味がよくなった。

コスタリカ戦でも、途中出場の三笘が、中に切り込み、ドリブルでペナルティエリア内に侵入した。そういう選手をプレーさせるべきだ。でも久保建英はベンチだった。なぜか。

日本代表には、今大会が最後のワールドカップになるかもしれない選手たちがいる。そういった選手たちに、出場機会を与えたかったかのように見えた。これは情に厚すぎるように思える。この状況で、そんなことをしてはいけない。調子のいい選手を選ばなければならないのだ。

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スペイン戦は絶対に三笘を先発に

ドイツ戦の勝利の後、私は森保監督を称賛したが、今回は完全に間違っていた。彼はドイツ戦で最後にピッチに立っていたメンバーを先発させるべきだった。三笘は世界最高峰のプレミアリーグで、ブライトンの一員として大活躍している。なぜ彼はコスタリカ戦で先発しなかったのだろう?

コスタリカのような選手層で劣る国に対しては、三笘、久保、浅野、鎌田大地のような選手で圧倒することができるはずだった。前田大然は疲れ知らずで、一日中でも走り続けられるが、他の選手と比べると技術やサッカーのインテリジェンスに欠けるところがある。

もし冨安が復帰できれば、私ならスペイン戦で先発させる。ただ、ディフェンス陣の変更はこれだけだ。長友佑都と吉田麻也のプレーには満足している。浅野をストライカーとして起用し、鎌田を10番、久保は右からカットインさせる。そして、絶対に三笘を先発させ、左サイドで起用するだろう。

この4人のアタッカーが「自分らしく、自分を表現してプレーすること」が重要だ。後ほど説明するが、このアドバイスはサッカー界で最も優秀な指導者のものだ。

選手たちの創造性を引き出して

今大会のスペインは見ていて最高におもしろい。あれほど素晴らしい中盤が見られることは滅多にないだろう。ペドリとガビ、20歳と18歳のコンビがワールドカップで試合を支配している。ペトリは次のアンドレス・イニエスタになれる。それほどの選手だ。

ダニ・オルモは左サイドからのカットインが素晴らしく、ボールの扱いもとても丁寧だ。フェラン・トーレスは常に驚異的だし、調子を上げているアルバロ・モラタは、よりシンプルなアタッカーだ。守備に問題があると思う人もいるかもしれないが、彼らはボールをしっかりキープするので、相手にチャンスを与えない。

コスタリカ戦は悪夢のようだったが、日本にはまだ出し切れていない実力がある。選手たちの能力と勤勉な姿勢には、賞賛の言葉しかない。私はJリーグで日本代表選手の多くと対戦し、彼らの能力を知っている。しかし、彼らはピッチ上で自信満々なプレーはしない。スペインのようなチームはいったん主導権を握ると自信を持ち始める。

私には森保監督が選手たちに指示を与えすぎているように思える。1カ月ほど前、ペップ・グアルディオラと話したとき、攻撃の選手たちにどんな言葉をかけているのか聞いてみた。彼は選手たちに「パスや入れ替わりを駆使して動き回り、ポジションにとらわれない自分らしいプレーをしろ」と伝えているそうだ。

日本のトップ選手たちにはそれができる。だからこそ、大きなチャンスを逃したコスタリカ戦が残念でならない。「いい意味での傲慢さ」がまったく見られなかったのだ。次戦の前に、現代のスペインサッカーのスタイルに大きな影響を与えた、グアルディオラの話を持ち出すのはおかしいかもしれないが、もし森保監督がペップの哲学で選手たちを導けば、サムライブルーのワールドカップでの冒険は、まだ終わらないかもしれない。


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