パリ五輪で陸上競技の金メダリストに史上初の賞金を贈呈、その金額は?

2024-04-29
読了時間 約2分
(Getty Images)

2024年のオリンピックに大きな変革がもたらされる。その恩恵を享受するのは陸上競技のアスリートたちだ。

2024年夏、フランス・パリで開催されるオリンピックにおいて、陸上競技はメダリストに賞金を贈呈する最初の競技となる予定だ。すでに、世界陸連はオリンピックの伝統を打ち破る7桁ドルの賞金を用意しているという。

陸上競技は、4年に一度開催されるオリンピックの中でも一際注目を集める花形競技だ。特に米国代表はノア・ライルズ、シャカリ・リチャードソンなど、これからのスター選手を生み出してきた。ライルズやリチャードソンはこの夏、メダルを手にすることで賞金も手にできるかもしれない。

ここではパリ五輪で陸上競技のアスリートたちに分配される予定の賞金について紹介する。

関連記事:なぜパリ五輪用女子米国代表陸上ユニフォームに非難の声が?

パリ五輪の陸上競技で分配される賞金は?

世界陸連(ワールドアスレティックス)は4月10日(水)、2024年のパリ五輪で陸上競技の選手たちに史上初となる賞金240万ドル(約3億7200万円/1ドル=155円換算。以下同)を用意したことを発表した。

世界陸連のセバスチャン・コー会長はリリースの中で、今回の決定は「オリンピックに参加するアスリートがもたらす収益の一部が、オリンピックを世界的な一大イベントとしている彼らに直接還元されることを保証するもの」だと語っている。

Scroll to Continue with Content

賞金を受け取るのは金メダリストのみなので、参加するアスリートにとってみれば一か八かといった要素はある。しかし、2028年のロサンゼルス大会ではそれも変更され、金メダリストに加え、銀メダリストも賞金を手にするようになる。

「オリンピックの金メダリストに賞金が与えられようになることは、アスリートをエンパワーしていくという我々のコミットメントを明白にし、オリンピックの成功における彼らの重要性を認識する上で、世界陸連にとっても、またアスリートたちにとっても重要な転換点となる」(セブ・コー)

分配方法はシンプルそのものだ。用意される240万ドル(約3億7200万円)は男女48競技で均等に分割され、5万ドル(約775万円)が各競技の金メダリストに贈呈される。リレーチーム の場合にはその5万ドルが4人のメンバーで分割され、1人あたり1万2500ドル(約194万円)が贈られる。

陸上競技はオリンピックで賞金を分配する初のスポーツとなるが、アメリカ代表選手たちはこれまでも手ぶらで帰国していたわけではない。米国オリンピック委員会はこれまでも金メダリストに対しての3万7500ドル(約581万円)を筆頭にメダリストたちへ賞金を授与してきた。それにならった国も多くあるが、賞金額は国によって異なっている。

今回、世界陸連はこうした各国が捻出している賞金にプラスして、オリンピックの収益の一部を再分配するという大胆な策に打って出たわけだ。

2028年のロサンゼルス・オリンピックで行われる収益の再分配の詳細については、大会が近づいた段階で発表すると世界陸連はしている。

※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集:石山修二