パリオリンピック陸上競技の男子マラソンが、日本時間8月10日(土)15時(パリ時間8時)から行われ、日本の赤崎暁が、2時間7分32秒と、自己ベストを1分半以上更新する快走を見せて、6位に入賞した。
関連記事:【毎日更新】パリ五輪・日本代表のメダル 結果・成績(外部配信)
優勝は、タミラト・トラ(エチオピア)で、2時間6分26秒はオリンピックレコードだった。シセイ・レンマが直前に負傷離脱し、補欠だったトラが出場し、エチオピアに24年ぶりの金メダルをもたらした。日本から出場の大迫傑は13位(2時間9分25秒)、小山直城は23位(2時間10分31秒)だった。
上位30選手の中で、自己ベスト記録を更新したのは、赤崎と7位のテベロ・ラマコンゴアナだけ。オリンピック史上最も過酷といわれ、高低差が156mあるコースは、箱根駅伝の5区を上回るほどの急な登坂もあったが、坂道対策を徹底した赤崎の走りが光った。
赤崎はレース後のインタビューで「いやもう超楽しかったです。最高です。この3カ月間、落ち込むこともありましたけれど、その練習の成果を出すことができたのかなと思います・」と笑顔で語った。そして「タイムに関しては(九電工の綾部健二)総監督からも、『赤崎は(2時間)5分、6分台出るぐらいの練習はできている』っていうので、タイムだけ見たらもうちょっと本来良いコースなら出せると思いますが、この起伏のあるコースで7分台っていうのは、本当、自分にとってはすごくプラスっていうか、良かったのかなと思います。」と話した。
大迫は「ロス五輪を目指す」と宣言
大迫はインタビューの中で自身については「納得できる順位ではなかったけれど、最後まであきらめずに走ることができたのは良かった」と振り返り、赤崎の6位については「こうやって入賞を積み重ねることが大事だと思います。僕もこれに奢らずにあと4年、ロスに向けてしっかり準備していきたいと思います」と話し、2028年のロス五輪を目指すことを宣言した。
リオデジャネイロ、東京で金メダルを獲り、パリ大会で前人未到の五輪3連覇を狙ったエリウド・キプチョゲ(ケニア)は、途中で棄権した。
金メダル:タミラト・トラ(エチオピア)
2時間6分26秒=五輪新記録
銀メダル:バシル・アブディ(ベルギー)
2時間6分47秒
銅メダル:ベンソン・キプルト(ケニア)
2時間7分00秒
4位:エミル・ケーレス(英国)
2時間7分29秒
5位:デレサ・ゲレタ(エチオピア)
2時間7分31秒
6位:赤崎暁(日本)
2時間7分32秒=パーソナルベスト
7位:テベロ・ラマコンゴアナ(レソト)
2時間7分58秒=レソト記録更新
8位:コナー・マンツ(米国)
2時間8分12秒
===============
13位:大迫傑(日本)
2時間9分25秒
23位:小山直城(日本)
2時間10分33秒
===============
棄権:エリウド・キプチョゲ(ケニア)
2016リオ、2021東京の五輪金メダリスト
30キロの通過順位は71位
棄権:アブディ・ナゲーエ(オランダ)
2021東京の五輪銀メダリスト
35キロの通過順位は58位
関連記事:【パリ五輪2024】バスケ決勝予想 レブロンらアメリカとウェンバンヤマ擁するフランスの金メダルを争う対戦を展望
試合経過・ハイライト:赤崎、自己ベストを大きく更新し6位。
※内容は逆時系列。時刻は日本時間表記
17:15 小山直城(日本)は2時間10分31秒で23位。日本は出場した3選手が全員、過去の日本オリンピック最高タイム(2時間10分41秒)を上回った。
17:10 大迫傑(日本)は13位。2時間9分25秒はシーズンベスト、そして東京五輪で出した2時間10分41秒を1分以上上回った。
17:08 赤﨑暁(日本)は2時間7分32秒で、堂々の6位入賞。五輪マラソン史上最も過酷と言われたコースで、自己ベストを1分半以上更新した。そして日本の五輪マラソン史上最高のタイム。日本人で初めて五輪で「サブテン」(2時間10分以内)ランナーとなった。
17:07 ターミラット・トラ(エチオピア)が優勝。2時間6分26秒はオリンピックレコード。
フィニッシュ地点の旧・軍病院のアンヴァリッドが見えてきた。フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトが眠っている。
17:02 40キロをトラ(エチオピア)が通過。2時間00分2秒。 赤崎は2時間44秒の5位。
16:59 日本の赤崎は5位。39キロ通過。
16:55 日本の赤崎は5位。38キロ通過。
16:53 沿道は多くの観客。大きな声援。エッフェル塔を正面に見ながら選手が走る。37キロ通過であと5キロ余り。
16:48 35キロ通過。1位はトラ(エチオピア)1時間45分14秒。赤崎(日本)は1時間45分33秒の5位だが、2位との差は2秒。大迫は1時間46分45秒で15位。
赤崎は熊本県出身者としては、日本マラソン界の始祖、金栗四三さん以来、100年ぶりの五輪代表。
16:42 坂道を終えて、平坦なコースに入った。赤崎の走りはしっかりしている。
16:37 マラソンコースとは思えないような下り坂。赤崎は4位に上がった。赤崎は徹底的に坂道の練習をしてきたという。
16:35 30キロ通過。 1位はトラ(エチオピア)1時間31分12秒。赤﨑暁(日本)は5位で1時間31分31秒だが、2位との差は8秒。
16:33 登り坂を終えて、平坦な場所に給水ポイント。赤崎は5位で給水と新しい帽子を受け取った。
16:28 最大の難所、タミラット・トラ(エチオピア)が先頭。赤崎は3位。
日本陸連によると「28.5キロから29キロまでは、コースで最も急な最大勾配13.5%の上り坂。箱根駅伝5区の最大勾配13.0%を上回る傾斜」という。
16:18 25キロ通過。先頭は赤崎(日本)!1時間16分8秒。大迫も2秒遅れ。1時間16分20秒の10位。
16:16 間もなく25キロ。大迫が先頭集団に追いつこうとしている。
16:14 新しい第2集団はトップから8秒差。その中に大迫がいる。
16:12 新しい先頭集団は8人。赤崎がその中にいる。
16:10 10000、5000で五輪「金」を3回取ったケネニサ・ベケレ(エチオピア)も遅れる
16:06 21キロ通過 ファニエルは2位集団に追いつかれた。
16:03 20キロ通過 1位ファニエル1時間1分32秒、6位赤崎1時間1分43秒、8位大迫1時間1分44秒
16:00 3連覇を狙うエリウド・キプチョゲが遅れ始めた。2位集団の後方、腹部を抑える動作も。
15:57 2位集団が、かなり長くなってきた。赤崎と大迫は2位集団の前方にいる。
15:55 日本陸連によると、今回の42.195kmは、オリンピック史上最も過酷なコースという。
高低差が156mもある。コース全体では累積438mの上り坂と、436mの下り坂という構成となっている。
15:52 長い登り坂。しかし後半には、箱根並みの急な登坂が待っている。
15:47 15キロを通過。45分38秒。2位集団は27秒遅れ。赤崎9位、小山24位、大迫26位。3人とも2位集団にいる。
15:45 ファニエル(イタリア)が先頭。14.5キロ通過。長い登り坂。
15:38 ファニエル(イタリア)と2位集団との差は約90m。12キロを通過した。
15:35 ファニエル(イタリア)が先頭集団から飛び出した。
15:30 10キロの通過タイムは30分59秒。小山13位、赤崎52位、大迫60位。3人は全員が大集団の先頭にいる。
15:30 ラジオフランス横を通過。9.5キロ付近。先頭はまだ大集団。
15:25 楊紹輝(中国)が先頭。セーヌ川の河畔を走る選手たち。
15:17 給水ポイントを通過。日本の3人は先頭集団にいる。
15:16 5キロを通過、15分40秒。
15:15 大集団のままで、ルーブル美術館前の広場を通過。4.6キロ付近。
15:12 バンドーム広場を通過。
15:12 スタート前の気温は19度。夏季五輪としては、かなり涼しい気候でのレースとなっている。
15:11 3キロ通過。路面が石畳の場所が多く、選手の足には負担となる。
15:05 1キロを通過。3分5秒前後。
15:04 パリの中心街を走り抜ける選手たち。
15:00 パリ市庁舎前を一斉にスタート。
14:55 いよいよレース直前。スタート地点に81人の選手がそろった。五輪3連覇を狙う、エリウド・キプチョゲ(ケニア)が先頭。
パリ五輪男子マラソン 日本代表3人のベスト記録は?コースは?
3人のMGCと自己ベストの記録
小山直城(28歳)
MGC1位:2時間08分57秒
自己ベスト2時間06分33秒=2024年2月の大阪マラソン
赤﨑暁(26歳)
MGC2位:2時間09分06秒
自己ベスト2時間09分01秒=2022年12月の福岡国際マラソン
大迫傑(33歳)
MGC3位:2時間9分11秒
自己ベスト2時間5分29秒=2020年3月の東京マラソン
男女が「逆転で実施」
今大会では、男女の競技開催順が、これまでとは逆転した。男子のレースが女子(日本時間11日15時スタート)よりも先に実施されるのは、1984年のロス五輪で女子マラソンが採用されてから、初めてとなる。
パリの観光名所を巡るコース
パリ市庁舎前をスタートし、ベルサイユ宮殿で折り返し、ナポレオンが眠る旧・軍病院のアンヴァリッドがフィニッシュとなる。パリ市庁舎、オペラ座、ヴァンドーム広場、チュイルリー庭園、ルーヴル美術館、コンコルド広場、グラン・パレ、トロカデロ庭園、ヴェルサイユ宮殿、エッフェル塔とパリ観光の名所を巡るコースとなる。
(日本陸上競技連盟の情報に基づきました)
※以下、試合前時点の情報。
試合概要・日程
- 大会・競技・種目:パリオリンピック2024 陸上競技 男子マラソン
- 日程:8月10日(土)(日本時間)
- 会場:パリ市内
テレビ放送・ネット配信・中継予定
- TBS
- TVer