インフィールドフライって何?どんな場面で起こる?タッチアップはできる?

2023-10-23
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(Getty Images)

野球における難しいルールの一つに「インフィールドフライ」がある。経験者でも完璧に把握するのが難しいルールなだけに、高校野球やプロ野球でも度々話題になるルールだ。この記事ではインフィールドフライについて解説する。

インフィールドフライって何?

インフィールドフライとは公認野球規則の「本規則における用語の定義40」において「0アウトまたは1アウトで、走者が一・二塁、一・二・三塁にあるとき、打者が打った飛球(ライナーおよびバントを企てて飛球となったものを除く)で、内野手が普通の守備行為をすれば、捕球できるものをいう」と定義されている。

つまり「無死または1死」「走者が一、二塁または満塁」という状況で、打者が「普通にプレーすれば捕れるであろう内野フライを打ち上げた時」に起こるプレーのことを指している。

この場合の内野フライとは、投手や捕手が捕球したり、外野手が内野部分で捕球した場合も含まれる。ただしライナー性の打球や、バントがフライになった場合は、インフィールドフライは適用されない。

<インフィールドフライが起きる条件>

  1. 無死 or 1死
  2. 走者一、二塁 or 満塁
  3. 打者が放った打球が内野フライになった時

インフィールドフライが起きたらどうなる?

まず、インフィールドフライが宣告されると打者はアウトとなる。これはフライが捕球されることなくグラウンドに落ちた場合でも同様だ。

この時、塁上にいる走者は進塁しても帰塁しても良い。しかし、フライが捕球された場合はリタッチの義務が生じるため、通常のフライと同様にアウトになる可能性がある。フライが捕球されることなくグラウンドに落ちた場合は、リタッチせずに進塁することができる。

なぜインフィールドフライが必要なのか

ここまでは打者が無条件でアウトになること以外は通常のフライと同じなため、なぜインフィールドフライが必要なのかがわかりづらく、一見攻撃側に不利なルールのようにも思える。しかし、実際は攻撃側が不当な不利益を受けないためのルールなのだ。

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塁上に走者がいて内野フライが上がった場合、内野手はわざとフライを落としてダブルプレーを狙うことがある。場合によってはトリプルプレーにもなるかもしれない。

インフィールドフライを宣告して打者をアウトにすることによって、打球がグラウンドに落ちても走者は進塁の義務がないため、こういった事態を防ぐことができるのだ。

誰が宣告する?

打球が明らかにインフィールドフライになると判断される場合、審判員はただちに「インフィールドフライ」を宣告しなければならない。インフィールドフライは審判員が宣告して初めて効力を発揮する。

タッチアップはできる?

インフィールドフライが宣告されたあとでも、ボールインプレーであるため、捕球されたあとに走者がタッチアップ(※)することは可能となる。

※正確にはタッグアップ

フライを落としたらどうなる?

インフィールドフライが宣告された場合、野手がフライを捕球しても、落球しても打者はアウトとなる。そのため、フライがグラウンドに落ちた場合でも、走者は元の塁に戻ることが可能となる。

ファウルだったらどうなる?

打球がベースライン付近に上がった場合、審判員は「インフィールドフライ・イフ・フェア」を宣告する。打球がファウルボールとなれば、インフィールドフライにはならずに打席が継続される。

打球が何にも触れずにフェアグラウンドに落ちても、転がってファウルとなればインフィールドフライにはならない。また、打球が何にも触れずにファウルゾーンに落ちたあと、フェアグラウンドに入った場合はインフィールドフライとなる。