巨人の評価が低い。2023年シーズンの下馬評で「優勝」を予想した評論家はほとんどいない。常勝イコール巨人は過去の話なのか。
Bクラス予想ばかり
セ・リーグの予想を見ると、優勝候補は3連覇を目指すヤクルト、新監督(岡田彰布)の阪神、それに昨年2位のDeNAの3チーム。巨人の声はほとんどない。巨人は広島、中日と一緒の4位以下が多い。
「巨人をAクラスに予想しているのは巨人OBぐらい。球界地図がすっかり変わった」
専門家たちの声だが、ここ数年の成績を振り返ると仕方がない。
- 2017年4位(72勝68敗3分 .514)
- 2018年3位(67勝71敗5分 .486)
- 2019年1位(77勝64敗2分 .546)
- 2020年1位(67勝45敗8分 .598)
- 2021年3位(61勝62敗20分 .496)
- 2022年4位(68勝72敗4分 .486)
2012年から3連覇し、2015年と2016は2位。その後、後退したが2019年、2020年と連覇。ところが2021年と2022年は勝率5割を切り、3位から4位と下がったことでファンが不満をぶつけた。
「原(辰徳)監督は辞めろ」
とまで。実績十分の監督を名指しで非難した。球団としては予想外のことだったろう。
WBC代表もBグループ
テレビ視聴率40%台を記録したワールドベースボール・クラシック(WBC)の盛り上がりはすさまじかった。その日本代表チームに巨人から岡本和真、大城卓三、大勢の3人が入った。
ご承知の通り、注目はメジャーリーガーの大谷翔平をはじめダルビッシュ有、吉田正尚。それにヤクルトの村上宗隆、オリックスの山本由伸だった。岡本は先発出場したものの、三塁のポジションは村上が守り、一塁に回った。巨人勢はBグループ扱いの感じだった。かつては日本代表チームとかオールスター戦では、目玉といえば巨人選手だった。このWBCを見ると、常勝巨人の時代にわき役だったチームの選手が主役となっており、明らかに巨人中心の球界ではなくなった。
ファンの期待にこたえられるか
「エース菅野智之、間に合わず」
「坂本勇人は絶不調」
開幕直前、こんな状態だった。「さあ、スタート」といった盛り上がる雰囲気は感じられなかった。テレビでは大谷報道ばかりだった。常に主役だった巨人のファンにとっては不愉快だっただろう。
原監督は「新しいチーム」といった。昨年までとは縁を切り、復活を目指すということである。
3月31日の中日との開幕戦は、巨人の悩みを象徴するような敗戦だった。8回裏に2点を挙げて逆転したものの、9回表に抑え投手が4点を奪われ3-6。WBC帰りで調整中の大勢を使えなかったからだったが、リリーフ陣に不安が広がったといえる試合だった。翌日は3投手をつないで完封勝ちしたことでファンはホッとしたことだろう。打線も危うい。中田翔が好調で、左右に長打を打ち分けている。そのほかは、というと昨年同様にさまざまな選手を使いこなすことになるだろう。
「こんな巨人にだれがした…」。OBの声は苦しい。
原監督の手腕にすべてがかかっている。
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