2024年のアメリカ代表は、時代を象徴する選手たちが彼らの国のために集う、おそらく最後の機会であった。レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ケビン・デュラントは2028年を迎えるころには40代にさしかかり、引退している可能性が非常に高いからだ。
つまり2028年のロサンゼルス・オリンピックの時には、アメリカバスケのバトンが新時代へと渡っているはずだ。
ロサンゼルス大会では新しい顔ぶれも見られるだろうが、今大会のロスターに選ばれた選手もいるだろう。アメリカはそのロスターの充実ぶりにかえって頭を悩ませるに違いない。どのポジションをとっても層が厚いが、ロスター枠に残ることのできる12人を選抜しなければならないからだ。
ここではポジションごとに、4年後の代表のロスターの予想図を紹介する。
2028年ロサンゼルス五輪のアメリカ代表ロスター予想
ガード
アンソニー・エドワーズ|27歳(2028年)
エドワーズはパリ五輪でチームのベストスコアラーの1人であったし、夏のFIBAワールドカップではベストプレイヤーであった。彼は電光石火の点取り屋でありながら、年々成長を続ける優れた1オン1のディフェンダーでもある。4年後、彼はキャリアのちょうど全盛期にあるだろう。
デビン・ブッカー|31歳(2028年)
ブッカーはすでに2度オリンピックに出場しており、申し分ない成績を残している。ブッカーはアメリカが常に必要としている優れたシューターである。彼はエドワーズとともにスタメンになるだろう。
ジェイレン・ブランソン|31歳(2028年)
2023年のワールドカップでキャプテンを務めたことを筆頭に、ブランソンは代表活動に何度も参加してきたが、オリンピックの出場経験はない。彼のサイズはディフェンスで問題になるかもしれないが、彼は得点を取りながら数多のテイクチャージも獲得できるオールNBAプレイヤーであることも事実だ。
ドノバン・ミッチェル|31歳(2028年)
ブランソンと同様に、ミッチェルも五輪での代表経験はない。彼は3ポイントでスペースを広げられる驚異的なスコアラーで、キャバリアーズでディフェンダーとしても成長している。
他の候補:ジャ・モラント、ディアロン・フォックス、タイリース・ハリバートン、トレイ・ヤング、タイリース・マクシー
ウイング
ジェイソン・テイタム |30歳(2028年)
テイタムはパリ五輪で十分な出場機会を得られなかった。レブロン、デュラントが同じポジションにいたからだ。
もし2028年のロサンゼルス大会に戻ってくるという決断をすれば、テイタムはアメリカを率いるチャンスを得るかもしれない。4年後にはチームで最高の選手になっているだろうし、パリ大会のようなオールスター選手が集うチームでは、彼の幅広いエリアでプレイできる能力は非常に必要とされるであろう。
ジェイレン・ブラウン|31歳(2028年)
NBAファイナルMVPに輝いたブラウンが、アメリカ代表に選ばれなかったことへの苛立ちを隠すことはなかった。それでも代表責任者のグラント・ヒルは、ブラウンが2028年の代表入りを果たす可能性はあると発表した。ブラウンは国際試合でも力を発揮できる、攻守に優れた選手だ。彼のキャリアのプレッシャーのかかる場面で、彼が大きな実績を残してきたことは疑いようがない。
ブランドン・ミラー|25歳(2028年)
ミラーは過去にポール・ジョージへの憧れを語ったことがある。ジョージは4年後のロスター争いには加わらないだろうが、ミラーは優れた3ポイントシューター、サイズのある万能ディフェンダー、そして第2のスコアラーとしてジョージのような役割を果たすことが出来るだろう。実際に、彼はこれらの役割全てをこなすだけの能力を1年目に示しており、2028年にはリーグのトップウィングへと成長しているかもしれない。
クーパー・フラッグ|21歳(2028年)
NBAでプレイするまでまだ丸一年あること、つい最近成人したことを踏まえると、フラッグの選出は驚きかもしれない。だが彼がアメリカ代表に披露したプレイを見てみてほしい。
それを見れば、彼がすでに満場一致の全体1位指名候補であり、そして複数チームが彼の指名を狙っている理由がはっきりと分かるだろう。フラッグはすでにエリートスコアラーであり、リーグ最高の選手の中でも目立つ存在なのである。
他の候補:ミケル・ブリッジス、ジェイレン・ウィリアムス、スコッティ・バーンズ
ビッグマン
バム・アデバヨ|31歳(2028年)
次のオリンピックまでにジョエル・エンビードは34歳、アンソニー・デイビスは35歳になっている。彼らのプレイは衰えないかもしれないが、アデバヨは4年後にも一番計算の立つ優勝メンバーであろう。
彼はアメリカ人の中で最高のセンターだ。彼は優れたパサーそして驚異的なディフェンダーであり、パリ大会では3ポイントショットも決めた。アデバヨは4年後のアメリカ代表のスタメンの一角を担うはずだ。
ザイオン・ウィリアムソン|28歳(2028年)
ザイオンには健康問題が常について回ってきた。怪我の不安がなければ、彼は確実に代表入りするはずだ。リーグに彼よりも爆発的なリムアタックをする選手はいない。試合に出ている間の彼は、まるでトップ10プレイヤーのようなプレイを見せてきたのだ。
チェット・ホルムグレン|26歳(2028年)
ホルムグレンは1年目の昨シーズン、平均ブロック数でアンソニー・デイビスに並ぶ4位という数字を残した。彼が20代半ばを迎えるころには、リーグでも有数のディフェンダーになっているはずだ。また彼は優れたシューターでもあるため、多様なラインナップに容易に順応出来るだろう。
パオロ・バンケロ|25歳(2028年)
バンケロは2023年のワールドカップに出場したが、パリの代表入りとはならなかった。そのスピードと運動能力を武器に、国際試合でも非常に効果的であった。また彼のパス能力も、オフェンスを得意とする選手の多い代表チームでは非常に重宝されるだろう。
他の候補:エバン・モーブリー、ジャレット・アレン、ドノバン・クリンガン
2028年五輪のアメリカ代表ロスター予想
ここまでの内容を踏まえて、ロサンゼルス大会のロスターを予想したものが以下である。
ポジション | 選手 | 年齢(2028年) |
---|---|---|
ガード | アンソニー・エドワーズ | 27 |
ガード | デビン・ブッカー | 31 |
ガード | ジェイレン・ブランソン | 31 |
ガード | ドノバン・ミッチェル | 31 |
ウイング | ジェイソン・テイタム | 30 |
ウイング | ジェイレン・ブラウン | 31 |
ウイング | ブランドン・ミラー | 25 |
ウイング | クーパー・フラッグ | 21 |
ビッグマン | バム・アデバヨ | 31 |
ビッグマン | ザイオン・ウィリアムソン | 28 |
ビッグマン | チェット・ホルムグレン | 26 |
ビッグマン | パオロ・バンケロ | 25 |
抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)