トム・ブレイディとタンパベイ・バッカニアーズがスーパーボウル56へ進めるかどうかは現時点ではまだ分からない。しかし、このクォーターバックの博愛精神のおかげで、ある1人のゲストが会場となるロサンゼルスのソーファイ・スタジアムへ行く予定を立てられることが決まった。癌を克服したノア・リーブ君、10歳である。
ブレイディはレギュラーシーズン第7週目にノア君と出会った。そして、1月15日(日本時間16日)にブレイディはノア君にビデオ・メッセージを送り、ノア君と家族をスーパーボウルに招待すると発表した。
ブレイディはビデオのなかで以下のように話しかけている。
「君は多くの人々に感銘を与えた。僕もその何百万人のうちの1人だよ。毎年、NFLとバッカニアーズは素晴らしいストーリーを作ったファンをスーパーボウルへ招待することを嬉しく思っている。そう、君のようなファンをね」
「僕の感謝の気持ちを込めて、ロサンゼルスで行われるスーパーボウルのチケットを君と君の家族へ贈るように、NFLとバッカニアーズに頼んだのだよ。僕らはもちろんそこに行けるように頑張るけど、君がそこに行けることはもう決まったよ」
メッセージの後で、ノア君はスーパーボウルのチケットが入った封筒を受け取った。心温まるこの瞬間はノア君が叫ぶ「頑張れ、バッカニアーズ!」の声で終わっている。
ブレイディは2021年NFLレギュラーシーズン第7週目にノア君と初めて出会った。このバッカニアーズのクォーターバックがスタンドでノア君が掲げていたメッセージボードを目に止めたのだ。そこには「トム・ブレイディは僕が脳癌をやっつけるのを助けてくれた」とあった。
バッカニアーズがシカゴ・ベアーズを38-3で下した試合が終了した直後、ブレイディはスタンドのノア君と家族のもとに駆け寄り、帽子をプレゼントした。この出会いは今シーズンに起きたもっとも心温めるエピソードの1つだった。
No.2 シードのバッカニアーズはNFCワイルドカード・ラウンドでフィラデルフィア・イーグルスを31-15で破り、スーパーボウル連覇に向けて好スタートを切った。ブレイディは37本中29本のパスを成功させ、271ヤードと2個のタッチダウンを獲得し、チームの勝利に貢献した。
次のディビジョナル・ラウンドでは、バッカニアーズは本拠地でNo.4 シードのロサンゼルス・ラムズを迎え撃つ。もしそこでバッカニアーズが勝てば、NFCチャンピオンシップ・ゲームへと駒を進め、グリーンベイ・パッカーズ対サンフランシスコ・49ers戦の勝者と対戦することになる。
(翻訳:角谷剛)