レギュラーシーズンも終了し、今週から王座を懸けたプレーオフに突入する。1回戦に当たるワイルドカードは、各カンファレンスで最高勝率のカンザスシティ・チーフス(AFC)、フィラデルフィア・イーグルス(NFC)以外の6チームがそれぞれ、第2シード対第7シード、第3シード対第6シード、第4シード対第5シードの組み合わせで、高シードの本拠地で行われる。
ここでは今週の見どころ、試合日程(試合開始時間・対戦カード)、放送予定(テレビ中継、ネット配信)についてまとめる。
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今季はAFC、NFC共に南地区のチームが苦戦したことを象徴するかのように、NFCではタンパベイ・バッカニアーズが8勝9敗、AFCではジャクソンビル・ジャガーズが9勝8敗の成績で地区優勝をもぎ取り第4シードになった。勝ち星が一ケタゆえ、ワイルドカードではそれぞれ12勝5敗(NFC東地区2位)のダラス・カウボーイズ、10勝7敗(AFC西地区2位)のロサンゼルス・チャージャーズと勝率の高いチームと対戦することとなったが、バッカニアーズ、ジャガーズ共に決して勝率だけでは計れない、魅力あるチームだ。
下剋上のカギはやはりブレイディ!?
バッカニアーズは、45歳のクォーターバック(QB)トム・ブレイディがどのように攻撃陣を導くのかに大きな注目が集まる。
ニューイングランド・ペイトリオッツからバッカニアーズに移籍してきた2年前を含め、これまでのキャリアでスーパーボウル制覇7回、同MVP5回をはじめ、あらゆる栄誉を手にしてきたブレイディは、全盛期を過ぎたとはいえ今季もリーグ3位の4694ヤードを投げ、成功率66.8%、25タッチダウン(TD)、9被インターセプト(INT)の数字を残した。リーグ最下位のラン攻撃、ケガ人等の影響もあり、第6週のピッツバーグ・スティーラーズ戦からはブレイディ自身にとって実に20年ぶりとなる3連敗を喫するなど、思うように事を運ぶことができない時期も長かった。
それでも、守備陣の踏ん張りもあり、要所での勝ち星を拾い、地区優勝でプレーオフ進出を決めた。決めてしまえばあとはポストシーズンに備えるだけと、最終第18週の対アトランタ・ファルコンズ戦(17-30)は優勝決定後の試合だったため、前半の途中までの出場でサイドラインに下がっている。
かたやレギュラーシーズンの勝ち星で4つも上回るカウボーイズは、第1シード獲得の可能性もあった第18週で、格下のワシントン・コマンダース相手にミスのオンパレードで6-26とまさかの敗戦。今ひとつ乗り切れないレギュラーシーズンの最終戦となってしまった。
今季、両チームの唯一の対戦となった開幕戦では、バッカニアーズが敵地で19-3と完勝。カウボーイズのQBダク・プレスコットがケガで途中退場した試合だったが、プレスコットが最後まで出場した昨シーズンの開幕戦でも31-29でバッカニアーズは勝利を収めており、潜在的な「何か」になる可能性を秘めた事実もある。
両チームの守備陣が粘りを見せ、ロースコアの展開で要所でブレイディの勝負強さが発揮されれば、下剋上は現実味を帯びてくるだろう。
2年連続リーグ最下位から再生したジャガーズ
2年前は1勝15敗、昨季は3勝14敗と2年連続リーグ最下位だったジャガーズだが、攻守ともに若手を中心に躍動。今季も開幕から2勝6敗と出遅れたが、シーズン中盤以降、攻守共に鮮やかなケミストリー(化学反応)を起こし、4勝8敗から最後は5連勝で5年ぶりの地区優勝&プレーオフ進出を決めた。
攻撃陣を象徴したのが2021年NFLドラフト全体1位指名、2年目のQBトレバー・ローレンスの活躍だ。4000ヤードパッサー(リーグ9位の4113ヤード)になると同時に、25TD・8被INTと前年の12TD・17被INTから劇的にスタッツを改善。自身初の1000ヤードレシープ(1108ヤード、8TD)を達成したクリスチャン・カーク、ザイ・ジョーンズら移籍1年目の選手が中心のレシーバー陣と強固で多彩なホットラインを築いた。
ラン攻撃でもローレンスとクレムゾン大時代のチームメイトで昨季はケガで全休していた2年目のランニングバック(RB)トラビス・イーティエンが1000ヤードラッシャー(リーグ9位の1125ヤード)となり、勢いをつけた。守備陣でも2019年ドラフト全体7位のジョシュ・アレン、2022年ドラフト全体1位のトレボーン・ウォーカーらラインバッカー(LB)が相手にプレッシャーをかけ続ける。
対するチャージャーズも中盤まで勝率5割ラインを粘り強く維持し、シーズン後半に勝ち星を重ねた。リーグ2位の4739ヤードを投げた3年目のQBジャスティン・ハーバート、ランとパスレシーブと万能な活躍を見せるRBオースティン・エケラー、キーナン・アレンやマイク・ウィリアムスのレシーバー陣らの攻撃陣、リーグ7位の被パス獲得ヤードの守備陣とこちらもバランスの良い布陣。
今季の直接対決では第3週にジャガーズが38-10と完勝しているが、いずれもシーズン後半に勢いをつけたチームだけに、好ゲームが期待される。
NFL ワイルドカード 試合開始時間・対戦カード・放送局
※右がホームチーム。チームのカッコ内はA=AFC、N=NFC、数字はシード
日本時間1月15日(日)/現地14日
午前6:30 シーホークス(N7)対49ers(N2)|GAME PASS / DAZN / 日テレジータス
午前10:15 チャージャーズ(A5)対ジャガーズ(A4)|GAME PASS / DAZN / 日テレジータス
日本時間1月16日(月)/現地15日
午前3:00 ドルフィンズ(A7)対ビルズ(A2)|GAME PASS / DAZN / 日テレジータス
午前6:30 ジャイアンツ(N6)対バイキングス(N3)|GAME PASS / DAZN / 日テレジータス
午前10:15 レイブンズ(A6)対ベンガルズ(A3)|GAME PASS / DAZN / 日テレジータス
日本時間1月17日(火)/現地16日
午前10:15 カウボーイズ(N5)対バッカニアーズ(A4)|GAME PASS / DAZN / 日テレジータス
※試合開催・放送予定は主催者及び放送局の都合で変更になる場合があります。