米プロフットボールリーグNFLは日本時間9月12日(金)にWEEK2に突入、昨季の移籍で注目を集めたNYジェッツのQBアーロン・ロジャースが2年目にして新天地での初勝利を挙げ、ようやくの再スタートを切った。一方で、地区ライバル対決に臨んだドルフィンズQBトゥア・タゴバイロアが脳震盪で途中退場、ドルフィンズの2024シーズンに黄色信号がともっている。
ここでは、WEEK 2の結果を振り返るとともに、WEEK 3の注目試合をピックアップする。
ロジャース新天地初勝利も完全復活はまだ?
グリーンベイ・パッカーズで4度のリーグMVPに輝いてきたロジャースがNYジェッツへと移籍したのは昨シーズンの夏のこと。ロジャースをはじめとした新加入の選手たちへの期待から、NYジェッツは2023シーズン台風の目になると大きな注目を集めていた。ところが肝心のロジャースは開幕戦でいきなりアキレス腱を断裂、わずかに4プレーしかフィールドに立てずに失意の中でシーズンを終えることとなった。
そして、迎えた今季の開幕戦。故障も癒え、満を持して臨んだ49ersとの一戦では自身のインターセプトを含む2ターンオーバーを奪われて敗戦。2023年1月以来勝ち星から遠ざかるロジャースにとっては、WEEK2のタイタンズ戦は是が非でも負けられない一戦だった。
結果的には勝負どころの第4Qで持ち前の正確なパスを連発して敵陣に迫ると、RBブレイロン・アレンのTDランにつなげて24-17と勝ち越し、ようやくの自身の力で新天地での勝利をもぎ取った。だが、内容的には一進一退、どちらに白星が転がりこんでもおかしくない展開でもあった。
ロジャースもジェッツも期待されているパフォーマンスにはまだ程遠い中、地元開幕戦となるWEEK 3のサースデイナイトゲーム、ペイトリオッツとの同地区対決は改めてその真価が試される一戦となるに違いない。
5年で3度目の脳震とうプロトコル、トゥア&ドルフィンズはこの窮地を乗り越えられるのか
AFC東地区のライバル対決、ビルズvsドルフィンズの一戦は思いがけない形でビルズの一方的な勝利に終わった。
序盤からビルズ守備陣がドルフィンズ攻撃陣を圧倒し、QBトゥア・タゴバイロアから3本のインターセプトを奪うパフォーマンスを見せると、迎えた第3クォーターにはタックルを受けたタゴバイロアが脳震とうで退場。エースを失ったドルフィンズに反撃する力はなく、31-10と大差で敗れ去った。
ドルフィンズにとって、序盤戦のこの1敗以上に深刻なのがタゴバイロアの状態だ。過去にも脳震とうに悩まされてきたタゴバイロアにとって今回は5年間で3度目の脳震とうプロトコル入りとなり、今後はNFLが課す5つのステップをクリアするまでフィールドに復帰することはできない。OB選手の中には「もう引退すべき」と明言する選手もいる。
ドルフィンズは急遽ボルティモアのプラクティス・スクワッドにいた元プロボウルQBタイラー・ハントリーと契約をしてこの窮地を乗り切ろうとしているが、果たしてトゥア抜きのこの窮地を乗り切ることはできるのか。2022年以降タゴバイロア抜きのドルフィンズの戦績は1勝3敗と苦戦必至のドルフィンズ、WEEK 3の敵地シーホークス戦の戦いぶりが注目される。
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苦しいスタートを切ったレイブンズにとって正念場のWEEK3
昨季のAFC選手権出場チームのボルティモア・レイブンズが開幕2連敗と思いがけず苦しいスタートを切っている。
2度のリーグMVPに輝くQBラマー・ジャクソンを筆頭に攻守に実力ある選手を多数揃えるロースターには、このオフにはキャリア通算1万ヤード目前のパワフルなベテランRBデリック・ヘンリーを加え、王者チーフス追撃に万全の戦力を整えたはずだった。
だが、レイブンズはWEEK 1のチーフス戦、WEEK2のレイダース戦ともに半ば自滅のような形で勝利を逸してしまった。しかも、この先のスケジュールはWEEK 3に敵地ダラスでに乗り込んでのカウボーイズ戦、WEEK 4にはホームにビルズを迎えての一戦と強豪チーム相手の連戦が続く。
ジョン・ハーボー・ヘッドコーチはシーズンをマラソンに例え、一週ごとに良くなっていけば最後に結果が現れるはずと語る。だが、地区内のライバル・スティーラーズが好調な出足を切っているだけに、あまり悠長には構えていられない。WEEK 3のカウボーイズ戦は今季のレイブンズにとっては今後を占う上でも正念場となりそうだ。
そのほかにも、2年前のスーパーボウル出場チームだったベンガルズとLAラムズ、QBトレバー・ローレンス率いるジャガーズなど8チームが0勝2敗と苦しいスタートを切っている。このうち何チームがWEEK 3で今季初勝利を挙げられるだろうか。