現地時間3月13日(日本時間14日)、アメリカンフットボールの至宝とも呼ばれるトム・ブレイディがスポーツ界を揺るがせた。現役引退を撤回し、タンパベイ・バッカニアーズに戻って2022-23年シーズンをプレイすると発表したのだ。ブレイディが引退していた期間はわずか40日間で終わった。
この朗報はバッカニアーズのファンを大喜びさせたに違いない。ただひとりの不運な入札者を除いては。
その人物は今、自分の運命を呪っていることだろう。トム・ブレイディが現役最後のタッチダウンパスを投じたボール(その時点では)が、つい最近オークションサイト『Lelands』において51万8000ドル(約6100万円)で落札されたことを、スポーツ専門局『ESPN』が報じた。
そしてその記事が掲載されてから約4時間後、ブレイディが引退撤回を発表した。
もちろん、このタッチダウン・ボールが持つ歴史的価値はほとんどなくなってしまった。別の言い方をすれば、何処かの誰かはブレイディが投じた最も直近のタッチダウンパスに50万ドル(約6000万円)以上を支払ってしまったのだ。現役最後のタッチダウンパスとは価値がまったく異なることは言うまでもない。
関連記事:タイガー・ウッズの世界ゴルフ殿堂表彰式典での名言と名シーンの数々。両親の教えからトム・ブレイディの祝辞まで
参考までに、そのボールとは昨シーズンのNFC地区ラウンドの第4クォーター終了3分20秒前に投じられたものだ。55ヤードのタッチダウンパスがワイドレシーバーのマイク・エバンスに渡った。このタッチダウンによって、ロサンゼルス・ラムズのリードは27-20にまで狭まった。しかし、結局ラムズは30-27でこの試合を逃げ切り、最終的にはスーパーボウル制覇を果たした。
ESPNによると、ブレイディがNFLで初めてのタッチダウンパスを決めたボールも最近落札された。その価格は42万8841ドル(約5054万円)だった。その記事ではブレイディの現役最後のタッチダウン・ボールは最低入札価格10万ドル(約1179万円)から始まり、23人が入札したことも報じている。
ブレイディのNFL復帰を誰よりも喜んでいるひとりの人物がいる。ロサンゼルス・ラムズのコーナーバック、ジャレン・ラムジーだ。問題のタッチダウンを許してしまった不運なディフェンダーである。
ラムジーのツイッターより(ブレイディの引退撤回ツイートに返信して):
ありがとう! (次の)最後のタッチダウンは他の誰かに投げてくれよ。
不運な入札者がいる一方、少なくとも、誰かは幸運に胸を撫で下ろしている。
(翻訳:角谷剛)