シカゴ・ブルズが方向性を見定めるのに苦労している中、ザック・ラビーンは西に向かうことを望んでいると報じられている。
11月中旬、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、ブルズとラビーンがトレード模索に「前向きな姿勢を強めている」と報じた。ラビーンの新天地としていくつかのチームが候補と噂される中、『Chicago Sun-Times』のジョー・カウリー記者は、「ラビーンと代理人がロサンゼルスを望んでいることは明白と複数の情報筋が言った」と伝えている。
ラビーンのエージェントは、『Klutch Sports』のリッチ・ポール。ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスと同じだ。ラビーンは彼らのチームメイトになろうとしていると言われるが、レイカーズにとって彼を狙うのは最善なのだろうか？
ザック・ラビーンはレイカーズにフィットするのか
ラビーンはレイカーズの攻撃における大きな問題のいくつかを解決するのに役立つだろう。今季の25試合でレイカーズは攻撃がリーグボトム10という数字だ。オフェンシブレーティング（112.1）はシャーロット・ホーネッツやヒューストン・ロケッツといったチームを下回っている。
レイカーズが攻撃で苦しんでいる理由のひとつは、深刻なショット力不足にある。1試合平均の3ポイントショット成功本数はリーグ28位だ。チームトップはレブロン・ジェームズで平均2.3本。ディアンジェロ・ラッセルが2.1本で続く。
ラビーンはブルズでの7シーズンで平均3P成功2.7本、成功率38.3％を記録している。ジェームズほどのプレイメーカーと一緒なら、その数字は大きく伸びるかもしれない。今季のラビーンは18試合で3P成功率が自己最低の33.6％にもかかわらず、平均21.0得点をあげている。スコアラーとして、ラビーンがいかに才能ある選手かを示している。
ラビーンの天性の得点能力は、十分な得点力を生み出すのに苦労することが多いチームの攻撃を活性化させられるだろう。デイビスやジェームズと一緒にプレイすることで、ラビーンは恩恵を受けるはずだ。同様に、ラビーンの攻撃がもたらすスペーシングに、レイカーズのスターコンビも恩恵を受けるだろう。
わずか2シーズン前にオールスターにも選出されている28歳のラビーンを加えられたら、レイカーズにとって魅力的だろう。「ビッグスリー」を形成し、ウェスタン・カンファレンスでさらなるレベルアップを果たせるかもしれない。
しかし、レイカーズを躊躇させるかもしれないのが、ラビーンの守備だ。
攻撃では改善点があるレイカーズだが、一方で守備はNBAのトップ10に入る。チームの枠組みや、相手ガードを囲む力によるところが大きい。その守備のアイデンティティーに、ラビーンはぴったりフィットしないだろう。
レイカーズに有利に働くのは、デイビスやトーリアン・プリンス、ジャレッド・バンダービルト、そしてジェームズといった選手たちが、ラビーンの限界をある程度補えるほど守備に優れていることだ。レイカーズ以外のチームにラビーンがトレードされる場合と比べ、守備力低下がそこまで目立たないかもしれない。
また、ラビーンのこれまでの負傷もある。2022-2023シーズンは82試合のうち77試合に出場したが、今季は右足の炎症ですでに7試合を欠場した。少なくとも1月初旬まで離脱の見込みだ。
レイカーズはザック・ラビーンをトレードで獲得できるか？
答えはイエスだ。しかし、そのための道がより明確になるのは、オフシーズンに契約した選手たちがトレード可能となる1月15日（日本時間16日）だろう。
ラビーンの契約は2025-2026シーズンまでで、2026-2027シーズンのプレイヤーオプションがついている。今季の基本年俸は4000万ドル強（約56億8000万円／1ドル＝142円換算）だ。サラリーを合わせるために、レイカーズは1730万ドル（約24億5600万円）のラッセルと1570万ドル（約22億2940万円）の八村塁を中心とした取引を狙うだろう。サラリーを合わせるのに十分なパッケージを完成させつつ、ドラフト指名権も加えるかもしれない。
レイカーズはオースティン・リーブスを取引に含めるつもりがないと報じられている。リーブスは八村と同じく、1月15日（同16日）までトレードできない。
要するに、レイカーズが報じられるラビーンの関心を受けて動くなら、取引は年明け以降になる。その時には、レイカーズが西地区でどれだけの位置につけているか、ブルズがポストシーズンを狙えるかどうかが、もっと分かっているだろう。
原文：Zach LaVine trade rumors: Bulls star would like deal to Lakers, but should Los Angeles target him?（抄訳）
翻訳：坂東実藍