サンズが渡邊雄太を先発起用すべき理由 ブッカー、デュラント、ビールに並べる最善の選択肢?

2023-10-03
読了時間 約2分
(Getty Images)

フェニックス・サンズの5人のスターターのうち、4人は決まっている。そこに加わる5人目は、大きな未知数だ。

サンズのフランク・ボーゲル・ヘッドコーチは、2023-2024シーズンに向けてどのように考えているかを明かさなかった。『Arizona Republic』のデュエイン・ランキン記者のインタビューで、ボーゲルHCは「何人か」の選手がチャンスを得るとの見解を示している。

ブラッドリー・ビール、デビン・ブッカー、ケビン・デュラント、ユスフ・ヌルキッチと一緒にスターター候補となるべきひとりが、オフシーズンにサンズと2年契約を結んだ渡邊雄太だ。エリック・ゴードン、ジョシュ・オコーギー、ケイタ・ベイツ・ジョップといった選手たちと先発の座を競うだろう。

各選手がそれぞれのスキルセットをもたらせるが、渡邊を5人目のスターターとすべき理由、そしてすべきではない理由を見ていこう。

なぜ渡邊雄太はサンズでスターターとなるべきか

渡邊はサンズにとって条件のいくつかを満たす選手だ。

まず何より、渡邊は効果的な存在となるのにボールを持つことを必要としない。3人のスターを中心にチームをつくっていく中で重要なクオリティーだ。渡邊はNBAキャリアを通じてユーセージ率が高くない。ペリメーターでのスポットアップシューターとして最も相手にダメージを与える選手だ。

NBA入りした当初はそれほどではなかったが、渡邊は優れたシューターに成長した。昨季はブルックリン・ネッツで58試合に出場し、3ポイントショット成功率44.4%を記録している。リーグで最も効率の良いシューターのひとりだったのだ。オールスターウィークエンドに3Pコンテストに招待されてしかるべきだった。

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さらにボーナスとなるのが、渡邊がすでにデュラントとケミストリーを築いていることだ。

昨季、渡邊はデュラントのアシストから9本の3Pを沈めている。大きな数字に聞こえないだろうが、彼らが一緒に出場したのは25試合だけだったのだ。デュラント以上に渡邊の3Pをアシストしたのは、ロイス・オニール(10)だけだった。そして渡邊がオニールと一緒に出場した試合(44)は、デュラントと一緒に出場した試合のほぼ2倍である。

渡邊がデュラントやカイリー・アービングと一緒にプレイした経験を持つことは、ビール、ブッカー、デュラントとの相性という点で良い前兆だ。先発出場だろうが、ベンチスタートだろうが、渡邊はそのショット力だけで大きなチャンスを得られるだろう。現在のNBAで有数のスコアラー3人にスペースをもたらせるからだ。

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ガードを守る上では、オコーギーのほうが合っているだろう。だが、渡邊はサンズにもっとサイズをもたらすことができる。6フィート8インチ(約203センチ)で、ウイングスパンは6フィート10インチ(約208センチ)。ビールとブッカーが守備で取り組む限り、自分のポジションで守る時間が増えるだけに、渡邊は大半のチームとの対戦で自然にフィットできるだろう。

なぜ渡邊雄太はサンズでベンチスタートとなるべきか

渡邊は攻撃をつくるチームメイトに頼る選手だ。ただそれは、昨季と同じレベルでショットを決められる限り、現在のサンズにおいて問題にはならないはずである。

メンフィス・グリズリーズやトロント・ラプターズに在籍していたころの渡邊は、3P成功率が35.2%だった。昨季の向上ぶりを信じるべき理由はあるものの、彼はある程度まだ限定的なシューターということだ。

渡邊で最も脅威なのは、コーナーからのショットだ。それ以外の3Pは同等の精度がなく、ドリブルからショットを打つことはほとんどない。そしてまだ彼は3P試投が特別に多くはないのだ。昨季は36分間あたり平均5.2本。これはデジャンテ・マレー、リッキー・ルビオ、アイザイア・スチュワートといった選手たちと同等だ。いずれも、ショットの能力が有名な選手たちではない。

(NBA.com)

サンズが必要とする3Pの力を渡邊がもたらせなければ、ボーゲルHCはゴードンやデイミオン・リーに向かう可能性がある。ベイツ・ジョップも昨季以上の出来なら、渡邊の出場時間を奪うかもしれない。最初の4シーズンで3P成功率30.4%だったベイツ・ジョップだが、昨季は39.4%だ。

渡邊は守備でインパクトを与えられると示してきた。だが、たとえ攻撃でより限定的とはいえ、オコーギーのような選手にボーゲルHCが傾いても驚きではない。サンズにはすでに十二分なプレイメーク力がある。ステフィン・カリーやルカ・ドンチッチ、ポール・ジョージらを守ってきたオコーギーの経験は、そういった選手たちに対する守備でビールやブッカーの負担を一部軽減させてくれる。

昨季、レギュラーシーズンの26試合、プレイオフの5試合で先発出場したことも、オコーギーの後押しとなる。シーズンを迎える上で、オコーギーが有利な立場に立つかもしれない。

原文:Why Yuta Watanabe is — and isn't — Suns' best starter option next to Devin Booker, Kevin Durant, Bradley Beal(抄訳)

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