4月25日(日本時間26日)、トロント・ラプターズの渡邊雄太がNBA Japan/スポーティングニュースとの単独インタビューに応じた。
渡邊は同日、敵地ウェルズ・ファーゴ・センター(ペンシルバニア州フィラデルフィア)で行われたNBAプレイオフ2022ファーストラウンド(1回戦)のフィラデルフィア・76ersとのシリーズ第5戦試合終盤に途中出場して2試合連続の出場を果たし、2得点をマークした。プレイオフでの得点は、自身初出場となった16日(同17日)のシリーズ初戦以来となった。
ラプターズは3連敗から2連勝を飾り、シリーズを2勝3敗としている。
以下、試合後の渡邊との一問一答。
プレイオフになって気持ちがより引き締まり、全員が全プレイのギアを一段階上げている
――3連敗に加え、フレッド・バンブリートも故障離脱という厳しい状況からの2連勝。こうやって巻き返せている要因は?
第3戦では終盤、(76ersが)タフショットを決めて、(ジョエル)エンビードに勝ち越しの3Pショットを決められて負けたんですが、あの日もゲームプラン、試合運び自体は良かったんです。最初の2戦は嫌な負け方だなと思いましたが、3戦目の負けに関しては不運なところもありました。それでも第4戦は気持ちを切り替えてプレイできました。外から見ているとわかりづらいかもしれないですが、第3戦くらいからディフェンスもいろいろ変えながらやっています。第3戦で上手くハマったのが、今日もいい感じで効いてましたね。さすが(ニック・ナース)コーチかなという感じです。
――大舞台で改めてコーチ陣の力を感じる?
もともと3連敗で始まるほどの力の差はなかったと思っています。厳しいスタート後も、しっかりとアジャストできている。もともとのうちのチーム力と、コーチ陣の腕があっての2連勝かなと思います。
――自身のプレイを振り返って。
今日は1分ちょっとなんでなかなか難しいですけど、点を取ることはできましたし、体調はいいと思っています。ここまでくるとローテーションに戻るのは、ケガ人が出たりとか、よっぽどのことがない限りは厳しいのかなと思うんですけど、それでも気持ちを切らさずにいつもやっていることをやり続けたいです。本当に何が起こるかはわからないですし、もしかしたら(主力選手の)ファウルトラブルで数分だけでも出てこいって言われるかも知れないですし。いつでも準備はできているので、あとはコートに出たときにそれを表現するだけかなと思っています。
――初体験のプレイオフ。ベンチで見ていても、コートに立っても、シーズン中との違いは感じる?
外から見ている時間がほとんどなんですけど、インテンシティーの高さというか、フィジカルもかなり上がっているのは感じます。レギュラーシーズンで手を抜いていたとかそういうことではなく、プレイオフになって気持ちがより引き締まり、全員が全プレイのギアを一段階上げているなという感じです。
――その中で自身が心掛けていることは?
僕はずっとやらなければいけないことはやってきたので、プレイオフだからといって何かを変える必要はないのかなと思っています。今までやってきたことを、そのままどれだけできるかですね。
――こういった舞台での経験はこれから先にどう生きてくると思う?
グリズリーズのときにバブルでのプレイイン(ゲーム/2019-20再開シーズン)は経験しているんですけど、プレイオフは初めてです。こういった観客の雰囲気の中で、レギュラーシーズンとはっきり違いが見えるんだというのを感じられたのは自分でもすごく大きいですね。対戦する相手が決まっているので、スカウティングもひとつひとつがレギュラーシーズンより細かくなっています。1試合1試合、ゲームプランを変えながらやっているので、本当に集中しておかないとわけがわからなくなってしまう。そういったことを経験できたのは本当に大きかったと思っています。
――逆転勝利に向けてあと2試合を勝たなければいけないが、手応えは?
手応えはありますね。今日もいい勝ち方だったと思います。次はトロントに戻り、(76ersも)すごいプレッシャーを感じるでしょう。3勝3敗になったらもうまったくわからない。これから先のゲームが楽しみですね。
※取材、一問一答構成:杉浦大介 @daisukesugiura
ラプターズの次戦(シリーズ第6戦)は、29日(同28日)にオンタリオ州トロント(カナダ)のスコシアバンク・アリーナで予定されている。