2月5日(現地4日)にバークレイズ・センター(ニューヨーク州ブルックリン)で行われたワシントン・ウィザーズ戦に途中出場したブルックリン・ネッツの渡邊雄太が6得点を記録した。125-123の逆転勝利後、渡邊が日本メディアの取材に応じた。
以下、試合後の一問一答抜粋(すべて日本語での質疑応答。質問は要約)。
あの3Pはすごく良いところで決められた
――大逆転勝利のあと、ジャック・ボーン・ヘッドコーチは最終クォーターの渡邊選手の3ポイントショットとディフェンスを称賛していた。
渡邊:オフェンスに関してはボールのタッチ数が少なかったんですが、あの3Pはすごく良いところで決められたと思っています。ディフェンスでもしっかりと足を動かして、頭を使ってやれていたと思います。いろいろあって、チーム状況も厳しい中、ああいうふうに勝ちきったというのは本当に大きいこと。今日はすごく満足しています。
――カイリー・アービング、ケビン・デュラント、ベン・シモンズが揃って不在という陣容で、前半は大差をつけられたが、後半で変わった部分は。
渡邊:入り方は悪かったですけど、前半も終わり方は悪くなかったんじゃないかなと思います。後半はみんなもう一段、しっかりとギアを上げてやれたと思います。いろいろと自分たちではコントロールできないことがあったりするんですけど、そのなかで全員、プロとして一人一人、しっかりと役割をこなしたかなという感じです。
――腰の具合、体調は。
渡邊:痛いですけど、とりあえずオールスターブレイク(休暇)がもうすぐなので、そこまでは何とか痛みと戦いながらやっていきます。
――主力がほとんど不在ながら逆転と、インディアナ・ペイサーズ戦(昨年12月10日)と似た流れの勝利だった。今年は本当に接戦に強いが、その要因は。
渡邊:前半20点差以上を離されたときも、慌てている選手は誰もいなかったんです。絶対に自分たちのほうに流れが来るからと、タイムアウト時もお互いに声を掛け合ってました。あの流れで点差を詰めていって逆転、というのが今シーズンのうちのパターンになっているところがあるので、あそこまでいくと勝ちが見えてくるというか、勝つ前提でプレイできるところがあります。だからバタバタしないですし、今シーズンはいろいろ経験しているというのが今、生きてきているんじゃないかなと思っています。
――クリスタプス・ポルジンギスには38得点を許したが、渡邊選手がマッチアップしている際にはよく守り、貴重なオフェンシブファウルも誘発した。
渡邊:ウチもチーム全体でファウルが多かったんですけど、それはしっかりとフィジカルに守っているという証拠でもあります。向こうもポルジンギスがファウルアウトしてくれました。今日は本当にみんなが1つになって、やれたと思います。個人的な数字は満足していないですけど、今日はチームとしてあれだけ良い勝ち方ができたので、僕自身も大満足です。
僕たちはみんなカイリーのことが大好きですし、ネッツのことも大好き
――アービングがチームにトレード要求という報道が出て、実際に今日は出場しなかった。今季は様々なことが起こってきたが、集中するのはやはり難しかったか。
渡邊:昨日、僕自身もかなりびっくりしました。僕だけではなくチーム全体が本当にあのニュースにはびっくりさせられたと思います。ただ、コーチがいつも言っているのは、“常にプロフェッショナルでなければいけない”ということ。誰がプレイしていようが、していまいが、自分たちがプロである以上、しっかりとショウアップ(show up=できることをやる)して、仕事を続けるんだとコーチは言い続けています。
これ(=トレード問題)に関しては自分たちがコントロールできることではないです。僕たちネッツのメンバーはみんなカイリーのことが大好きですし、ネッツのことも大好き。ビジネス的な部分でちょっといざこざがあるのはしょうがない部分がありますし、どっちのことも理解はできるかなと思います。これに関してはしょうがないと思って、また次の試合しっかりやっていけたらと思っています。
――日本バスケットボール協会の三屋裕子会長が視察に訪れていた。
渡邊:さっき聞いたら、もう明日の便で(帰るとのこと)。お忙しいと思うんですけど、1試合でも観れるとなったら、自分のためにああやって時間を割いてくれて、わざわざ来てくれるというのは僕にとってもすごく嬉しいことです。今はNBAに集中しているのでまだ夏のことはそんなに考えているわけではないですけど、自分も日本代表としてずっとプライドを持ってやってきています。この夏もまた日本代表の渡邊雄太を皆さんに見せることができたらと思っています。
――今日からご両親がブルックリンで観戦している。やはり気持ちは違うものか。
渡邊:あまりそこは考えないようにはしていますが、ただ、やはりもうちょっと僕が活躍しているところも見せたかったなと。今日はとりあえず勝利を見せることができました。まだあと何戦かあるので、次の試合では勝利プラス、僕の活躍も見せれたらと思っています。
取材・一問一答構成:杉浦大介
ネッツは次戦、2月7日午前9時30分(現地6日)に再びバークレイズ・センターでロサンゼルス・クリッパーズと対戦する。