『ESPN』の解説者のジェフ・バンガンディが10月26日(日本時間27日)に全米放送で渡邊雄太のディフェンスを絶賛した数日後、渡邊はブルックリン・ネッツで再びスポットライトを浴びることになった。
連戦2日目のダラス・マーベリックスとの試合で、ネッツのスティーブ・ナッシュ・ヘッドコーチは渡邊に、おそらく彼のNBAキャリアのなかで最も過酷な任務を与えた。
ルカ・ドンチッチを守ることだ。
強さとサイズ、スキルを巧みに組み合わせ、自分のやりたいように得点できるドンチッチを止める最適な方法はほぼないに等しい。
ネッツがマーベリックスをホームに迎えた試合で、ナッシュHCは6フィート9インチ(約206cm)の渡邊を控えのベストオプションとして選択した。渡邊のサイズと努力があれば、少なくともドンチッチが全力を尽くさざるを得ないとおそらく信じてのことだろう。
しかし、渡邊にとって不運だったのは、MVP最有力候補のドンチッチが違う考えを持っていたことだ。
ドンチッチは、相手の隙間を縫うような無数のドライブとステップバック3ポイントショット、そしてあっと驚くようなパスでネッツのディフェンスを切り刻み、最終的に41得点、14アシスト、11リバウンドを記録したのである。
ベンチからチーム最多の22分間出場を果たした渡邊にとっては、これが今季初めて本格的なローテーションに入った経験だったわけだが、ドンチッチを目の前にして、今回は答えを見出すことができなかった。
NBAのトラッキングデータによると、ドンチッチは渡邊にガードされている間に5本中4本のフィールドゴールを成功させて15得点を記録し、ネッツのディフェンダーに対して最多得点をあげている。
その5本のショットがこれだ。
指摘すべきは、すべてのショットが必ずしも渡邊の責任ではないことである。スウィッチ後の場合もあれば、チームメイトとのコミュニケーションミスの結果のときもある。唯一無二の逸材を止めようとする以上、そういうことは起こるものなのだ。
ドンチッチはまた、4つのアシストを記録し、2つのファウルを誘い、渡邊がガードしている際に獲得した5本のフリースローをすべて成功させている。このアシストのうち少なくとも2つは守り方が悪かったのではなく、渡邊が厳しく距離を詰めてドンチッチにパスを強いた結果、オープンになったマーベリックスの選手に対するほかの選手のディフェンスが精彩を欠き、得点につながったものだ。
数字を見るとあまり良いとは言えないかもしれないが、ドンチッチは誰に対してもこのようなことができるということは言っておく必要がある。彼は、最優秀守備選手相手であったとしても、相手がまるでNBAの初試合で右も左もわからないルーキーのように見せることができる数少ない選手なのだから。
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc