WOWOWのNBAオールスター2024生中継で五十嵐圭がゲスト解説

2024-02-16
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(提供:WOWOW)

2月19日(現地18日)の午前9時半からWOWOWにて生放送・ライブ配信されるNBAオールスター2024にて、群馬クレインサンダーズ(B.LEAGUE)の五十嵐圭選手がゲスト解説を務める。

2003年の実業団デビューから現在まで続く現役生活から得た豊富な経験を基に、現役選手ならでの視点から今回のオールスターや、NBAで活躍する日本人選手についてWOWOWとのインタビューで語った。

以下、質疑応答の抜粋。

NBA入りする可能性を持った新しい選手が増えてくるかもしれない

──2017-2018シーズンのWOWOW NBAファイナルでもゲスト出演していただきました。そこから6シーズンぶりとなります。当時と比べてみて、今のNBAにはどのような印象をおもちですか。

五十嵐:まずは日本人選手の活躍ですよね。当時も考えられなかったわけではないですけど、「可能性としたら今後あるのかな?」っていう程度でした。その中で翌シーズンに渡邊雄太選手がメンフィス・グリズリーズに入団しました。当時から渡邊選手も八村塁選手の名前は挙がってはいましたが、あまり現実的ではない気がしていました。それが今ではNBAを代表するチームでプレイしています。同じ日本人として嬉しいですし、まだまだこれからNBA入りする可能性を持った新しい選手が増えてくるかもしれないという違った楽しみも出てくると思います。

──渡邊選手、八村選手の活躍を見て、どのような印象を持たれていますか。

五十嵐:NBAの中でも2人ともしっかり結果を残しています。渡邊選手に関しては、日本代表や、サンズに移籍した当初のパフォーマンスをすればこれからローテーションに入って活躍していってくれるのかなと思っていました。ですが、やっぱりNBAは甘くないなっていうところはもちろん渡邊選手も感じていると思いますし、僕ら応援している側も甘くないんだなっていうのを感じました。

今回メンフィス・グリズリーズにトレードされましたけど、逆に古巣に戻ってどうなるかですね。バスケットボール選手だけでなくすべてのスポーツ選手がそうですけど、コートに立ってプレイすること、プレイタイムを伸ばすことはすごく重要なので、そういう意味ではまた自分ができるというところまで証明してもらいたいと思います。

八村選手は調子が上がってきて、試合に出れば出るだけ活躍しているイメージがあります。どのスポーツもそうですけど、チームの戦略や選手の起用法などで変わってくるので、そこは一概になんとも言えないですけど、これからも出た試合で結果を出し続けていってもらいたいなと思います。

──オールスターの注目選手を教えてください。

五十嵐:一番はやっぱりレブロン(・ジェームズ)ですね。同世代なので、あの年齢でパフォーマンスが落ちていくというよりも年々上がっていて、ずっと高いレベルでやれているのは凄いところだと思います。ベテラン選手と言ったら失礼かもしれませんが、年齢が高い選手でもしっかりとプレイで結果を出しているのは尊敬する部分です。

あれだけのパフォーマンスをずっと維持できるモチベーションやフィジカルを保つのは大変だと思います。自分もそうですけど、年齢を重ねるごとに色々なことも考えなければいけない中で、シーズンに入ったらしっかりと集中して結果を出しているところは、本当のプロフェッショナルだと感じています。

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フロアバランスを注目して観ています

──同じポイントガードの選手で気になる選手はいますか?

五十嵐:今回のメンバーだとミルウォーキー・バックスのデイミアン・リラードですね。移籍をせずにポートランド・トレイルブレイザーズに骨をうずめると思っていたのですが、バックスに移籍したのは、やっぱりチャンピオンリングが欲しいのかなと思いました。

僕自身も新潟アルビレックスBBから群馬に移籍してきた一つの目標にリーグ優勝を挙げています。もちろん新潟にいたから優勝できないというわけではありません。自分にとっても新潟は故郷でありBリーグ初年度からあったチームなので思い入れがあります。

リラードは移籍してもオールスターの先発に選ばれ、チームが変わってもしっかり結果を出せるのは凄いなと思います。リラードの一番の凄さはクラッチタイムに強いところです。他チームからすれば、ヤニス・アデトクンボとの“ビッグ2”はすごく守りにくいと思います。

──プレーヤー目線でNBAを見る時はどのような部分を見ていますか。

五十嵐:どうしてもポイントガードの選手に目がいってしまいますが、フロアバランスを見るようになりました。ガードの選手だけではなく、他の選手たちも含めて全体を見ています。若い頃は代表として、ヤオ・ミンがいる中国代表と対戦した時とか全員が2メートル以上で、ゾーンディフェンスをやっているのではないかというくらいコートが狭く感じました。

NBAだとそれ以上の大きい選手がいる中で、フロアバランスを注目して観ています。その辺が今までと違った見方になりました。今までだと、どういうボールハンドリングをしているとか個々の動きとかを追っていましたが、最近はどちらかというとポイントガードだけでなくコート上の選手全員がフロアをどのようにスペースを使っているのかを見るようになりました。もちろんこれまでも見てはいましたが、今の方が視野は広がったと思います。

──オールスターが終われば、シーズンも佳境に向かって今まで以上にし烈な戦いが繰り広げられてきます。プレーオフ、ファイナルの展望をお聞かせください。

五十嵐:ここ数年は絶対的エースの力だけではなく「組織力で勝っているチーム」が上位に来ている気がします。ベンチメンバーや仕事ができる選手が揃っているチームが強いですよね。イメージ的には、デンバー・ナゲッツやマイアミ・ヒートです。もちろん絶対的エースもいますが、その中でも総合力あるチームが勝ち上がってくると思います。

現時点では、東カンファレンスはミルウォーキー・バックスがファイナル進出の第一候補です。首脳陣とのケミストリーは懸念されますが、オールスター明けにどうなっているかですね。実力的にはリラードとアデトクンボという2大エースがいるのは魅力的です。

一方の西カンファレンスは、ロサンゼルス・レイカーズが上がってきてほしいです。レブロンや(アンソニー・)デイビスといった短期決戦であるプレイオフの勝ち方を知っている選手がいるのは大きいと思います。あとは、同じ群馬クレインサンダーズの(八村)阿蓮のお兄さんもいますしね。


NBAオールスターゲーム2024は、2月19日の午前9時半からWOWOWライブWOWOWオンデマンドにて生放送・ライブ配信される。ゲスト解説の五十嵐の他に、実況は近藤祐司、解説は伊藤大司、進行は宮脇咲良が担当する。