デンバー・ナゲッツは、フェニックス・サンズのデビュー・ブッカーとケビン・デュラントを抑える方法を見つける以上の問題を抱えるかもしれない。
5月7日(日本時間8日)に行われたウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦で、ナゲッツのニコラ・ヨキッチとサンズのオーナーであるマット・イシュビアとの間にもめごとが起きた。ヨキッチはテクニカルファウルの笛を吹かれたが、退場にはなっていない。
ヨキッチはこの試合でフィールドゴール30本中20本成功。自己最多の53得点を記録した。だが、ナゲッツは124-129で敗れ、シリーズを2勝2敗のタイとされている。
第5戦は9日(同10日)、コロラド州デンバーのボール・アリーナで行われる。両チームのファンは、同じことを疑問に思っているだろう。ヨキッチは第5戦に出場できるのだろうか?
ニコラ・ヨキッチとマット・イシュビアの間に起きたいさかいとは?
第2クォーター終盤、ルースボールがベースライン付近のコートサイドで観戦していたイシュビアの方に向かった。ヨキッチはすぐにインバウンズパスをしたがったが、イシュビアがボールを離さず。ヨキッチはボールを奪い取ろうとした。
ボールがイシュビアの後方に飛んでいった際、ヨキッチはイシュビアを腕で押したように見えた。この行為でヨキッチはテクニカルファウルの笛を吹かれ、ヨキッチの腕を叩いたとしてファン1名が退席となっている。
ニコラ・ヨキッチに対するテクニカルファウルの公式説明
試合後、審判団責任者のトニー・ブラザーズは、『The Arizona Republic』に対し、「故意に(イシュビアを)突き飛ばした」ことから、アンスポーツマンライクのテクニカルファウルになったと話している。
ブラザーズ審判は「あそこで起きたことに対する適切なペナルティーがテクニカルファウルだと判断しただけだ」と話した。
「彼は走ってきてファンにぶつかったというわけじゃない。関与があったんだ。だからテクニカルファウルが適切なペナルティーと判断した」
ニコラ・ヨキッチに出場停止処分は科されるのか?
現地7日夜の時点で、NBAはヨキッチにさらなるペナルティーが科されるかどうかを発表していない。リーグは難しい判断を迫られる。ヨキッチの行為はグレーゾーンだからだ。
NBAのルールブックには以下の項目がある。
試合中に観客席スタンドに故意に立ち入ったコーチ、選手、トレーナー、チームのベンチ関係者は、自動的に退場となり、バスケットボール運営部にEメールで報告される。選手がボールをプレイ中に保とうとしてスタンドに入った場合、あるいは勢いから選手がスタンドに入ることになった場合は、故意とはみなされない。スタンドは観客席の最前列からとみなされる。
ヨキッチはコートに残ったままで、最前列を越えてはおらず、技術的にはスタンドに入っていない。だが、ブラザーズ審判は故意に観客を突き飛ばしたと判断している。
ナゲッツとサンズの反応
ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)
「(審判に)僕がファンをひじで押したと言われた。でも、先にファンが僕に手を出したんだ。リーグは僕らを守るべきだと思ったんだけど、僕が間違えているのかもしれないね。どうなるか、様子を見よう。彼はファンだ。ボールをつかんで試合に影響してはいけない」
マイケル・マローン・ヘッドコーチ(ナゲッツ)
「あの状況でニコラがテクニカルファウルになったのはクレイジーだと思う。彼はボールを持とうとして、ファンがボールを離さなかったんだ。試合の一部になりたがっているかのようにね。とにかくボールを手放すべきだ。彼らはニコラが行き過ぎたことをしたと判断したんだろう。それでテクニカルファウルにした。だが、私はまだ本当に理解できない」
アーロン・ゴードン(ナゲッツ)
「彼はボールをつかんでいた。離さなかったんだ。(ヨキッチは)ボールを取ろうとした。そして彼はボールを争うかのようだったんだ。バカげているよ。自分の球団だというのは分かる。でも、選手たちにプレイさせないと。試合をさせなければいけない。とにかくあんなことはすべきじゃない。めちゃくちゃダサいよ」
デビン・ブッカー(サンズ)
「彼が僕らに1点をくれたね。自分の仕事をしたってことだ。僕はまだ映像を見ていない。でも、ベンチから彼が倒されたのだと聞いた。どうなるかを見てみよう」