なぜキング牧師の日にNBAでは常にホークスとグリズリーズの試合がある?

2024-01-15
読了時間 約3分
(NBAE via Getty Images)

アメリカでは、1月第3週の月曜は「キング牧師の日」の祝日だ。マーティン・ルーサー・キングJr.牧師の人生とレガシィ(遺産)をたたえる。1月15日のキング牧師の誕生日を祝うこの祝日は、1986年に制定された。

全50州でこの祝日が祝われるようになるには、さらに14年を要した。だが、NBAでは1986年に祝うようになり、リーグ日程において重要な日となっている。注目試合が開催され、キング牧師のメッセージやコミュニティへの奉仕活動に焦点を当てた取り組みが行われる。

38年が経っても、NBAの日程において、キング牧師の日が重視されていることは変わらない。2024年は11試合が開催される。毎年恒例となっているのが、アトランタ・ホークスのステイト・ファーム・アリーナと、メンフィス・グリズリーズのフェデックス・フォーラムでの試合だ。

なぜ、キング牧師の日には常にホークスとグリズリーズのホームゲームが行われるのか。ここでは、アトランタとメンフィスがキング牧師の人生とレガシィにいかに関わっており、公民権運動に影響を及ぼしたかをまとめる。

キング牧師の日に常に試合を行うNBAチーム

アトランタ・ホークス

1998年と2017年を除き、ホークスは1994年以降の各シーズンでキング牧師の日にホームゲームを行なってきた。アトランタは現地時間1986年1月20日に初めてキング牧師の日の試合が行われた場所でもある。

2024年でキング牧師の日のアトランタでの試合は25年連続となる。通算では32回目だ。ホークスよりも多くこの日に試合を行なっているのは、ニューヨーク・ニックス、ロサンゼルス・レイカーズ、フィラデルフィア・76ersの3チームしかない。

ホークスがほぼ常にキング牧師の日にホームで試合を行う理由はシンプルだ。キング牧師が1929年1月15日にアトランタで生まれたからである。世界中に影響を及ぼしたキング牧師だが、そのルーツはアトランタにある。幼少期をアトランタで過ごし、15歳でモアハウス大学に入学した。

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キング牧師のレガシィは常にホークスに結びつけられてきた。だが、2020-2021シーズンにはそのつながりがさらに深くなる。球団が「シティ・エディション」の特別ジャージーにキング牧師のイニシャルをあしらったのだ。2022年には、ステイト・ファーム・アリーナのMLKウォールを発表した。

(NBAE via Getty Images)

メンフィス・グリズリーズ

2001-2002シーズンを前にメンフィスに移転してから、グリズリーズは2002年と2017年を除く毎シーズン、キング牧師の日に試合を行なってきた。移転以降、この日に試合したのは22回。2024年で7年連続となる。

メンフィスで試合が行われる理由は、キング牧師が1968年のメンフィス衛生労働者のストライキで働く人々の先頭に立ったからだ。キング牧師の最後の演説となった「私は山頂に達した」の演説が行われたのもメンフィスだった。

そして1968年4月4日、キング牧師はメンフィスのロレイン・モーテルで暗殺された。現在は公民権運動博物館の敷地となっている。

2017-2018シーズン、グリズリーズは50周年を記念し、衛生労働者ストライキにインスパイアされたジャージーを使用した。ジャージーにはデモ隊の標語「私は人間だ」が記されている。

NBAチームの「キング牧師の日」の試合数

2024年を含め、キング牧師の日にNBAチームが行なった試合数は以下のとおりだ。

チーム 試合数
ニックス 37
レイカーズ 33
76ers 33
ホークス 32
ウィザーズ 32
ウォリアーズ 30
ロケッツ 30
ブルズ 30
ピストンズ 29
クリッパーズ 26
セルティックス 26
ネッツ 26
ペイサーズ 26
ウルブズ 25
ホーネッツ 24
バックス 23
グリズリーズ 23
サンダー 23
スパーズ 22
ジャズ 22
サンズ 20
キングス 20
キャバリアーズ 20
マーベリックス 20
マジック 19
ラプターズ 19
ペリカンズ 18
ナゲッツ 17
ブレイザーズ 17
ヒート 17

原文:Why the Hawks and Grizzlies always host NBA games on Martin Luther King Jr. holiday, explained(抄訳)
翻訳:坂東実藍