なぜキャバリアーズはビッカースタッフHCを解任したのか? 直近でレブロン・ジェームズ復帰の憶測も

2024-05-23
読了時間 約2分
(NBA Getty Images)

クリーブランド・キャバリアーズは5月23日(日本時間24日)、JB・ビッカースタッフ・ヘッドコーチの解任を発表した。

ビッカースタッフHCは、キャバリアーズを2018年にレブロン・ジェームズが退団してから初めてとなるプレイオフ進出に導いた指揮官だ。それだけに、退陣はある意味で驚きだった。

今季のキャバリアーズはレギュラーシーズンを48勝34敗で終え、イースタン・カンファレンスの第4シードを獲得。プレイオフ・ファーストラウンドでは第5シードのオーランド・マジックを下して東地区準決勝に駒を進めた。第1シードのボストン・セルティックスとのカンファレンス・セミファイナルでは、シリーズを通じてオールスター選手のジャレット・アレンを、最後の2試合でやはりオールスター選手のドノバン・ミッチェルを欠いたが、立派な戦いを披露。1勝4敗でシーズンを終えている。

2019-2020シーズン途中に指揮官となったビッカースタッフは、フルシーズン1年目だった2020-2021シーズンに22勝50敗を記録。キャバリアーズの早期再建に貢献し、約4シーズンで170勝159敗を記録し、チームを2回のプレイオフ進出に導いた。

なぜ、キャバリアーズはビッカースタッフを手放したのか。『スポーティングニュース』がまとめる。

なぜキャバリアーズはJB・ビッカースタッフHCを解任したのか?

ビッカースタッフは2021年にロッタリーチームだったキャバリアーズを、直近の2年連続で第4シードへと導いた指揮官だ。それでも、続投に至らなかったかたちだ。

2023年のプレイオフでは、ファーストラウンドで第5シードのニューヨーク・ニックスを相手に落胆の敗退となった。しかし、今季のビッカースタッフはキャバリアーズをプレイオフシリーズ勝利に導いている。ジェームズ不在のロスターでは1993年以来のことだ。それでも、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、キャバリアーズは「さらなる前進を願って」変更に踏み切ったという。同記者は、フロントオフィスが「フレッシュなアプローチを望んでいる」と報じた。

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『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によれば、ゴールデンステイト・ウォリアーズでアシスタントコーチを務めるケニー・アトキンソンが「チェック候補」という。また、「当初のターゲット」には、ニューオーリンズ・ペリカンズのアシスタントコーチであるジェームズ・ボレーゴの名があがった。

キャバリアーズの今後はどうなる?

キャバリアーズは独特な立場にある。ロスターには豊富な若いタレントがいるものの、2年連続でプレイオフ早期敗退となり、方向性を見いだす必要があるのだ。

スーパースターのミッチェルは、このオフシーズンに4年2億ドル(約314億円/1ドル=157円換算)超の延長契約を結ぶことができる。現行契約は来季が年俸3540万ドル(約55億5780万円)で、2025-2026シーズンは3710万ドル(約58億2470万円)のプレイヤーオプションだ。

ミッチェルの名前はトレードの噂にしばしばあがっている。獲得可能となれば、トレード市場で最も望まれるスター選手のひとりとなるだろう。

26歳のアレンと24歳のダリアス・ガーランドも、このオフシーズンで獲得可能になるかもしれない。どちらもオールスター選出経験のある彼らを手放し、変更に踏み切ると決めたら、キャバリアーズはかなりの見返りを受け取るはずだ。

そして、キャバリアーズについては、ジェームズ復帰の可能性に関する憶測もある。ジェームズは来季の契約がプレイヤーオプションで、このオフシーズンに無制限フリーエージェントになるかもしれない。

ロサンゼルス・レイカーズの敗退後、ジェームズはクリーブランドでキャバリアーズの試合を観戦。その去就を巡って関心を誘った。ビッカースタッフ解任という一手は、「キング」の愛称を持つジェームズの獲得を試みるためのものとなるのか。まだ分からないが、可能性がないわけではない。

原文:Why did Cavaliers fire J.B. Bickerstaff? Playoff exit, new approach amid LeBron James rumors led to change(抄訳)
翻訳:坂東実藍