イースタン・カンファレンスのプレイオフ・ファーストラウンドでマイアミ・ヒートに敗れたミルウォーキー・バックスが、大きな変更に踏み切った。
5月4日(日本時間5日)、バックスはマイク・ブーデンホルザー・ヘッドコーチの退任を発表した。球団にとって50年ぶりの優勝を果たしたブーデンホルザーのバックスでの指揮が、5シーズンで幕を閉じている。
なぜ、ブーデンホルザーとたもとを分かつことにしたのか。バックスの状況を見てみよう。
なぜバックスはマイク・ブーデンホルザーを解任した?
バックスはNBAプレイオフ2023でヒートにファーストラウンドで敗れたのを受け、ブーデンホルザー体制からの移行に踏み切った。
バックスのジョン・ホーストGMは、公式リリースで「非常に難しい変更の決定でした」と述べている。
「バド(ブーデンホルザーHC)は素晴らしい5シーズンにわたってチームをけん引し、バックスにとって50年ぶりのタイトル獲得と持続的な成功の時代に導いてくれました。バドがミルウォーキーで勝利の文化とリーダーシップをつくり上げてくれたことに感謝しています」
有力な優勝候補としてプレイオフに臨んだバックスだが、ヒートとのシリーズは第5戦で敗退を余儀なくされた。第1シードが第8シードにファーストラウンドで敗れたのは、NBAの歴史で6回目のことだった。
第5戦でブーデンホルザーはシリーズ最後の2試合で98得点をあげたジミー・バトラーに対するゲームプランを修正しなかったことを批判されていた。
また、指揮官は試合後、オーバータイム突入前にバックスが勝利を狙うショットを打てるようにタイムアウトをとるべきだったと認めている。
バックスはヒートとの2試合で腰を痛めていたヤニス・アデトクンボを欠いた。だが、ブーデンホルザー体制でバックスが期待されたほどに至らなかったのは、これが初めてではない。ブーデンホルザーが指揮を執った5シーズンのうち3シーズンで、バックスは東地区の第1シードを獲得した。だが、その3回はファーストラウンド敗退(2023年)、カンファレンス・セミファイナル敗退(2020年)、カンファレンス・ファイナル(2019年)に終わっている。
2021年はバックスにとって50年ぶりの優勝に導いたが、プレイオフの前にブーデンホルザーは勝ち進めなければ「おそらく退陣」と報じられていた。
2023年のブーデンホルザーは、2021年と同じように批判を浴びていたのだ。
『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、NBAプレイオフ2021を前にこう報じていた。
ヒートに敗れてから数週間、バックスがスーパーマックス契約を結ぶようにヤニス・アデトクンボを説得しつつ、同時に自分たちの終えんも考えていた時、情報筋によると、ブーデンホルザーに対する大きなフラストレーションが忘れられたことはなかったという。焦点は修正の欠如だ。ブーデンホルザー自身も、コーチングのミスがあったことを認めている。だが、経営陣以下、環境の特殊性からそれらの真の意味を評価するのが極めて難しいという認識があった。
マイク・ブーデンホルザーの指導成績
ブーデンホルザーの下でバックスはレギュラーシーズンに271勝120分、プレイオフで39勝26敗という成績を残した。
ブーデンホルザーは2018-2019シーズンに60勝22敗を記録し、自身2度目の年間最優秀コーチ賞を受賞している。2020-2021シーズンには優勝に導いた。
バックスの前はアトランタ・ホークスで5シーズン指揮を執っている。
シーズン | レギュラーシーズン成績 | ポストシーズン成績 | 結果 |
2018-19 | 60-22 | 10-5 | 東地区決勝敗退 |
2019-20 | 56-17 | 5-5 | 東地区準決勝敗退 |
2020-21 | 46-26 | 16-7 | 優勝 |
2021-22 | 51-31 | 7-5 | 東地区準決勝敗退 |
2022-23 | 58-24 | 1-4 | 東地区ファーストラウンド敗退 |
マイク・ブーデンホルザーとバックスの契約
バックスは2021年にブーデンホルザーと「複数年の延長契約」を結んだことを発表している。契約期間は公表されていない。だが、2024-2025シーズンまでの契約と報じられていた。
原文:Why did the Bucks fire Mike Budenholzer? Milwaukee head coach out following stunning loss to Heat(抄訳)