ダラス・マーベリックスがプレイオフの旅路を続ける中で疑問となっているのが、ルカ・ドンチッチのパフォーマンスだ。
レギュラーシーズンでMVP級のプレイだったドンチッチは、ポストシーズンで苦しんでいる。1試合平均28.3得点、9.4アシスト、8.4リバウンドは十分に堅実な数字だが、フィールドゴール成功率は39.5%。3ポイントショット成功率は22.7%だ。
オクラホマシティ・サンダーとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第1戦でも、ドンチッチはFG19本中6本成功の19得点にとどまった。2023-2024シーズンのドンチッチが20得点未満だったのは6回目。3月19日(日本時間20日)ぶりのロースコアだった。
サンダーの守備に苦しめられているのかもしれない。だが、ドンチッチの苦戦はそれだけが理由ではないようだ。ここでは、健康面がパフォーマンスに影響しているかもしれない点をまとめる。
ルカ・ドンチッチに何があった?
プレイオフで浮き沈みがあったドンチッチだが、4月23日(同24日)のファーストラウンド第2戦以降、3Pが効率的になっていない。
故障者情報に最初に名前が出たのは、4月28日(同29日)。ロサンゼルス・クリッパーズとの第4戦を前に、右ひざの痛みでクエスチョナブル(Questionable=不確か)とされた。
4月30日(同5月1日)、マーベリックスのジェイソン・キッド・ヘッドコーチは、ドンチッチが右ひざのケガをおしてプレイしていると明かした。翌日、ドンチッチはクリッパーズに快勝した試合でポストシーズン自己最多の35得点をあげている。だが、3Pは8本中2本成功にとどまった。
以降、ドンチッチは3P18本中2本成功(11.1%)を含むFG45本中15本成功(33.3%)という数字だ。各試合の故障者情報で名前が出ている。
クリッパーズとのファーストラウンドで突破を決めた試合後、ドンチッチは「(ひざは)OKだ。ある程度休むまでは良くなると思わない。かなりの時間だ。夏じゃないかな」と話した。
サンダーとの第1戦で41分間出場したドンチッチは、健康面の影響を問われると、「どうでもいいよ。僕らは負けたんだ」と答えている。
ルカ・ドンチッチの苦戦がうかがえるスタッツ
レギュラーシーズンのドンチッチは、自己最多かつリーグ最多の平均33.9得点をあげたのに加え、3Pも平均試投10.6本で自己最高の成功率38.2%という数字だった。FG成功率48.7%は、6年のキャリアで自身2番目の数字だ。
レギュラーシーズンとポストシーズンの数字を比較すると、ケガの影響がうかがえる。
レギュラーシーズン | プレイオフ | |
平均得点 | 33.9 | 28.3 |
フィールドゴール成功/試投 | 11.5/23.6 | 9.7/24.6 |
フィールドゴール成功率 | 48.7 | 39.5 |
3ポイントショット成功/試投 | 4.1/10.6 | 2.4/10.7 |
3ポイントショット成功率 | 38.2 | 22.7 |
クリッパーズとサンダーの守備が影響したのも確かだ。しかし、最も注目すべきはケガだろう。
ドンチッチはプレイオフの間にケガが良くなることはないと考えている。それはつまり、それを抱えながらいかにプレイできるか次第ということだ。
原文:What's wrong with Luka Doncic? How knee injury is limiting Mavericks superstar in 2024 NBA Playoffs(抄訳)
翻訳:坂東実藍