ビクター・ウェンバンヤマのNBAデビュー戦はどうだった? ファウルトラブルを乗り越え輝き

2023-10-26
読了時間 約3分
(NBAE via Getty Images)

10月25日(日本時間26日)、テキサス州サンアントニオのフロスト・バンク・センターで行われた2023-2024シーズンのNBAレギュラーシーズンの開幕戦、ダラス・マーベリックス対サンアントニオ・スパーズの一戦では、ビクター・ウェンバンヤマの時代の始まりに大きな注目が集まった。

19歳のウェンバンヤマのNBAデビュー戦は、良かったところもそうでないところもあった。

世界中の大勢のファンが中継を見守る中、満員の観客の前で、ウェンバンヤマは冷静にコートに立った。23分間のプレイで15得点、5リバウンド、2アシストを記録。史上最も注目を集めた有望新人のひとりとして、注目に値するデビューを飾っている。

ウェンバンヤマのスタッツは、必ずしも大きく目を引くものではないかもしれない。だが、そのパフォーマンスを深く見ていく価値はあった。

ビクター・ウェンバンヤマのNBAデビュー戦はどうだった?

ウェンバンヤマが存在感を発揮するのに、時間はそうかからなかった。

これから試合のたびにそうなるかもしれないが、ウェンバンヤマはオープニングティップに勝利。そこからチームが得点をあげると、最初の守備で初ブロックを記録する。カイリー・アービングのミッドレンジからのショットを止めた。

序盤からウェンバンヤマは鋭く、ザック・コリンズを見つけてアシストも記録。その後いくつかのポゼッションを経て、初のフィールドゴール試投となるプルアップからの3ポイントショットを放った。

決まらなかったものの、最初のショット試投でやりやすそうだったウェンバンヤマは、第1クォーター残り8分24秒にデビン・バセルのアシストから3Pを沈め、NBAでの初得点をマークする。

第1Q残り1分51秒に2本目の3Pを沈めたウェンバンヤマは、同43.5秒に2つ目のファウル。そしてファウルトラブルが、ウェンバンヤマのデビュー戦の輝きをいくらか失わせることになった。

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後半序盤に3つ目、4つ目のファウルを犯したウェンバンヤマは、第3Q残り8分37秒でベンチへ。第4Q序盤にコートに戻るも、26秒後に5つ目のファウルの笛を吹かれる。

そして再びベンチで4分ほどを過ごしたウェンバンヤマだが、残り7分12秒で再登場。ウィングスパンを生かして見事なアリウープフィニッシュを見せると、3Pで二桁得点を達成し、サイズとスキルのコンビネーションが並外れていることを改めて思い知らせた。

残り4分56秒、ウェンバンヤマはダンクを叩きこみ、チームを逆転に導くとともに、自身は15得点とする。第3Qまでで6得点だったウェンバンヤマだが、わずか3分にも満たない間に9得点を加えたのだ。

ビクター・ウェンバンヤマのデビュー戦に見えたこと

ウェンバンヤマのデビュー戦で最大の収穫だったのは、ファウルトラブルにもかかわらず、試合にインパクトを与える方法を見つけられるだけの才能を見せたということだ。

3Pが5本中3本成功、2ポイントショットは4本中3本成功と、ロングレンジからのショットが多かったのは不思議な感じだが、ウェンバンヤマはそういう傾向にある。

ファウルを避けることができれば、守備でもインパクトを残せる。ウェンバンヤマにそれだけの力があるのは周知の事実だったが、典型的な卓越した新人よりもずっと素晴らしい守備でのインパクトを及ぼすために必要なIQも持ち合わせている。

ユニコーンやエイリアンと呼ばれてきたウェンバンヤマだが、NBAデビュー戦は、彼もまた人間なのだと思い起こさせた。こういった場でプレイすることの緊張が、ファウルトラブルや新人らしいミスにつながったのは疑いない。

記録を更新することはなかったかもしれない。だが、ウェンバンヤマの初戦は、スパーズとNBAにおける特別な何かの始まりとなった。試合終盤のスパートは、どんな困難が訪れようと、彼は大丈夫なのだと強く思わせるものだった。

原文:How did Victor Wembanyama play in NBA debut? Spurs rookie overcomes foul trouble to shine in loss to Mavericks(抄訳)