ビクター・ウェンバンヤマはオールNBAに選ばれるべきか スパーズ新人はリーグトップ15入り?

2024-03-21
読了時間 約3分
(Getty Images)

サンアントニオ・スパーズのビクター・ウェンバンヤマは、すでに典型的なNBAのルーキーではないことを示している。

1試合平均20.7得点、10.4リバウンド、3.5アシスト、3.5ブロックという数字が示す以上の素晴らしさだ。対戦したNBAのベテランたちは、大きな敬意をウェンバンヤマに示してきた。ドレイモンド・グリーンは、すでにリーグでベスト20に入る選手と呼んでいる。カイリー・アービングは、正当な年間最優秀守備選手賞候補と評した。レブロン・ジェームズは「上限がない」と述べている。

さらに言おう。ウェンバンヤマは、すでにリーグでトップ15に入る選手だ。オールNBAチームに選ばれるべきである。理由は2つ。まず、今季のオールNBAはポジションに関係なく選ばれるから。そして、出場65試合超という新たな条件により、ジョエル・エンビードのような一部の競争相手が選外になるからだ。

ここでは、ウェンバンヤマが今季のオールNBA入りにふさわしい理由をまとめる。

なぜビクター・ウェンバンヤマはオールNBAに選ばれるべきか

ビクター・ウェンバンヤマのスタッツは別世界

ウェンバンヤマは平均20得点&10リバウンド超を達成している6選手のひとりだ。平均ブロックはリーグトップである。ただ、彼のスタッツが印象的なのは、そのオールラウンドぶりが理由だ。

ウェンバンヤマは支配的なビッグマンとエリート級ガードのどちらのクオリティーも素晴らしい。プルアップの3ポイントショット成功率38.8%は、彼のサイズの選手では聞いたことがないほどだ。また、通算ダンクで今季リーグ8位と、ロブの脅威としてもファンタスティックである。

平均20得点&10リバウンド&3アシスト&3ブロック超という数字は、2000年のシャキール・オニール以来だ。そしてウェンバンヤマはオニールよりも平均出場時間が11分ほど短い。このスタッツを達成してきた他の6選手全員が殿堂入り確実だ。健康を保てば、ウェンバンヤマもいずれその仲間入りを果たすだろう。

1試合で5得点&5リバウンド&5アシスト&5スティール&5ブロック超を記録する5x5は、NBAでは非常にまれなことだ。しかし、ウェンバンヤマはNBAキャリアを始めて51試合で達成した。

ウェンバンヤマを止める術はない。それはシンプルに、止めるにはあまりに多くの強みがあるからだ。

 

他の誰もできないことをするビクター・ウェンバンヤマ

別格のスタッツを記録しているウェンバンヤマのプレイは別レベルだ。

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このような7フッターを見たことがあるだろうか?

あるいは、かつて年間最優秀守備選手賞を受賞し、オールディフェンシブチームに5回選出されているヤニス・アデトクンボを、このように翻ろうする7フッターを見たことがあるだろうか?

今季、ウェンバンヤマはじつに多くの様々な方法で活躍してきた。彼の試合は必見だ。これまで夢にも思わなかったようなことを彼がやってのける可能性が高いからである。

すべてが終わった時に、ウェンバンヤマはリーグ最高のハイライト集をつくれるだろう。オールNBAは特別な選手を報いるものだ。そしてウェンバンヤマは、そういう選手だ。

ウェンバンヤマにスパーズの出来の責任なし

ウェンバンヤマのオールNBA選出に反対する声の主な理由は2つある。ひとつは、平均出場時間が29.1分間のみということ。もうひとつは、所属するスパーズがリーグワースト3位の成績ということだ。だが、どちらもウェンバンヤマ自身がコントロールできることではない。

ウェンバンヤマがコートに立っている時のスパーズは、ネットレーティングが-3.7で、それに基づけば33勝にふさわしい出来だ。ウェンバンヤマがプレイしていない時のスパーズは、ネットレーティングが-11.5となり、15勝のチームになる。

そして、ウェンバンヤマと一緒にプレイする真のポイントガードがいれば、数字はさらにバラ色となる。今季のスパーズは当初、ジェレミー・ソーハンにその役割を託してひどい出来だった。トレイ・ジョーンズというバックアップレベルのポイントガードとでさえ、ウェンバンヤマにとっては十分だったのだ。この2人が一緒にコートに立った時、スパーズはネットレーティングが+4.9であり、52勝するチームのような出来だった。

出場時間に関しては、ウェンバンヤマ自身はもっとプレイしたいと望んできた。新人王受賞が確実視されているが、出場時間は受賞者の中で歴代3番目の少なさとなる。スパーズがあまりにも慎重になっているのであり、それに関してウェンバンヤマはコントロールできない。

また、スパーズがザック・コリンズを先発出場させたり、リーグに長くとどまることがない見込みの10人と契約したことが、ウェンバンヤマを外す理由となるべきではないだろう。もしも、デンバー・ナゲッツ以外のプレイオフ出場チームの先発センターとウェンバンヤマを入れ替えたら、もはや迷うことはないはずだ。

今季のウェンバンヤマはずば抜けていた。オールNBAに選ばれるべきだ。

原文:Victor Wembanyama should make an All-NBA Team: Spurs rookie is already a top-15 player in the league(抄訳)
翻訳:坂東実藍