フィラデルフィア・76ersにとっては、めまぐるしい24時間だった。11月11日(日本時間12日)、スターターのケリー・ウーブレイJr.が自宅付近で事故に遭い、「長期」の戦列離脱を余儀なくされることが分かったのだ。
『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によると、ウーブレイJr.は肋骨を骨折しており、でん部と右脚も負傷したという。今季のウーブレイJr.は平均16.2得点、5.1リバウンドを記録し、7勝1敗の76ersに貢献していた。
ウーブレイJr.の突然の離脱は、優勝を目指す76ersにとって大きな痛手だ。事故での離脱ということも、76ersの人々の心に響いた。
ウーブレイJr.を失い、76ersはヒーローを必要としていた。12日(同13日)のインディアナ・ペイサーズ戦でそのヒーローとなったのが、タイリース・マクシーだ。
マクシーはすさまじいスピードとショットでペイサーズのバックコートを苦しめ、自己最多の50得点をあげて76ersを今季8勝目に導いたのである。
心理的な負担も大きかった中で、まさに76ersが必要としていたパフォーマンスだ。そして試合後、『NBC Sports Philadelphia』のインタビューに応じたマクシーが心に思っていたのは、あるひとつのことだけだった。
マクシーは「これはまったく僕のものじゃない」と話したのだ。
「すべてはケリー・ウーブレイJr.だ。僕たちは彼のために祈っている。愛しているよ。会ったばかりのところだけど、愛している。早く良くなることを願っているよ」
マクシーのパフォーマンスは、ウーブレイJr.も誇らしく思うだろう。あらゆる類のショットで活躍し、自信や堂々たる姿勢を見せた。ウーブレイJr.もそれらでリーグでの知名度を上げたのだ。
さらにマクシーは守備でも活躍し、オールランドなパフォーマンスを披露している。
この夜のマクシーは大活躍だった。そしてウーブレイJr.の存在は、マクシーがペイサーズの守備をかいくぐる助けとなったことだろう。
原文:Tyrese Maxey dedicates 50-point game to injured 76ers teammate Kelly Oubre Jr.: 'This had nothing to do with me'(抄訳)
翻訳:坂東実藍