八村塁らとトレイ・ヤングのトレード案はレイカーズやホークスにとって理にかなうのか?

2024-02-16
読了時間 約3分
(Getty Images)

ロサンゼルス・レイカーズは今季のトレードデッドライン(トレード期限)で動かなかった。だがそれは、ドラフト1巡目指名権を2つ加えられる夏も動かないという意味ではない。

常にトレードを巡る噂があがるのは、トレイ・ヤングだ。『The Athletic』のヨバン・ブーハ記者は、レイカーズがオフシーズンにヤングやドノバン・ミッチェル、カイリー・アービングを狙うかもしれないと報じた。

ヤングを巡ってどのような取引があり得るのか。そしてそれは、両チームにとって理にかなうものなのだろうか。

なぜホークスは八村塁らとトレイ・ヤングのトレードを検討するべきなのか

(NBA Entertainment)

トレード案

  • レイカーズ獲得:トレイ・ヤング
  • ホークス獲得:八村塁、ゲイブ・ビンセント、ジャレッド・バンダービルト、ジェイレン・フッド・シフィーノ、2024年と2029年と2031年のドラフト1巡目指名権

なぜこのトレードに?

レイカーズのロスターにはアンタッチャブルな選手が3人いる。レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、そしてオースティン・リーブスだ。彼らの誰も取引に含めずに、ヤングの2024-2025シーズンの年俸4300万ドル(約64億5000万円/1ドル=150円換算)と合わせるには、八村、ビンセント、バンダービルトを含める必要がある。

ディアンジェロ・ラッセルも良い選択肢となるが、彼の契約状況は厄介だ。1870万ドル(約28億500万円)のプレイヤーオプションがあり、ラッセルが受け入れるなら、それによってトレードに含められる。

しかし、ラッセルは非常に良いプレイを見せている。そして新たにもっと高額の契約を狙い、契約最終年をオプトアウトする可能性のほうが高そうだ。そうなった場合、レイカーズはサイン&トレードで彼を使えなくなるという、セカンドエプロンの問題に対処しなければならない。

フッド・シフィーノとマックス・クリスティーは、レイカーズで最も優れた若手有望株の2人だ。ホークスは少なくともどちらかを見返りに求めるだろう。

レイカーズが提示するドラフト1巡目指名権が3つなのは、それが彼らの最大限の提示だからだ。

ホークスがこのトレードを受け入れる理由

今のホークスの主軸は機能しなかった。オフシーズンにヤングかデジャンテ・マレーのどちらか(あるいは両選手)が去ることになると噂されている。

ホークスがやり直したいのであれば、ヤングを手放すほうが理にかなう。ボールを持つ度合いや守備での限界から、周囲を固めていくのがやや難しい選手だ。

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八村は良いシーズンを過ごしている。27歳になるまであと2年の契約はリーズナブルだ。ビンセントは期待に見合わず、サラリーのつり合いとして含まれる。バンダービルトは4年4800万ドル(約72億円)の1年目。フッド・シフィーノは攻守両面のポテンシャルを秘めた長身の若手ガードだ。

これらの選手たちはもっと多くのドラフト指名権を得る引き換えに、別のチームに放出されるかもしれない。ここでホークスはそれを優先させるだろう。レイカーズは高齢のチームで、2029年や2031年の指名権は非常に良いものとなる可能性がある。

ホークスがこのトレードを断る理由

ホークスがこのトレードを断るかどうかは、ヤングに対する関心がどれほどかによる。

サンアントニオ・スパーズが加わるなら、今回の条件を上回ることができるだろう。スパーズには多くのドラフト指名権がある。そこにはホークスの2025年と2027年の指名権や、2026年の指名権交換権も含まれる。

これが重要なのは、ホークスがヤングを手放すのであれば、当面はロッタリーピックとなることがほぼ確実だからだ。底を打つのは、ホークスにとって他チームと同じインセンティブにならない。だからこそ、彼らはそもそもヤングを手放すことを渋るのだろう。

スパーズとトレードすることで、ホークスは再建のための恩恵を大きく得ることができるはずだ。そしてスパーズには、レイカーズが提示できる3つ以上の指名権がある。

レイカーズはこのトレードに合意するか?

ヤングがレイカーズの攻撃の問題に役立つことは確かだろう。そしてレイカーズは、ヤングの弱点を隠すのに役立つだけ守備のインフラも整っている。うまくフィットするはずだ。

だが、この取引をすれば、高い代償を払うことにもなる。チームを強化するためのドラフト指名権は、いくつかの2巡目指名権と、2026年、2028年、2030年の指名権交換権だけになる。ジェームズ引退後、ヤング、デイビス、リーブスの主軸に頼ることになるだろう。

ただ、それは重要なことなのかどうかだ。ジェームズは年を重ねており、レイカーズに残される時間は限られている。ヤングは獲得可能な中で最高の選手かもしれない。

現状のままなら、レイカーズは現実的に優勝できるほどではない。リスキーではある。だが、優勝するかおしまいかというメンタリティーならば、チームに必要なギャンブルだ。

原文:Why Hawks say yes and no: Trae Young trade to Lakers for Rui Hachimura, first-round picks package(抄訳)
翻訳:坂東実藍