なぜマーベリックスのティム・ハーダウェイJr.はNBAファイナル2024で出場していないのか?

2024-06-12
読了時間 約3分
(Getty Images)

ティム・ハーダウェイJr.はルカ・ドンチッチ、カイリー・アービングに続き、ダラス・マーベリックスで3番目に高額なサラリーを手にしている選手だ。今季は1試合平均14.4得点を記録し、シックスマン賞の投票で9位に入った。

では、なぜ、そのハーダウェイJr.がNBAプレイオフであまりプレイしていないのだろうか。

ハーダウェイJr.はNBAファイナル第1戦の前半で7分42秒間しか出場していない。2本のショットは決まらず、後半はベンチに座った。そして第2戦は1分も出場していない。ウェスタン・カンファレンス・ファイナル最後の3試合も出場していなかった。

ハーダウェイJr.の出場時間が少ない理由はケガではない。シーズンが進むにつれて、効果がなくなっていったからだ。

なぜティム・ハーダウェイJr.はマーベリックスで出場していないのか?

ベストの状態だったハーダウェイJr.は、マーベリックスの得点源だった。もともと彼は、クリスタプス・ポルジンギスのトレードの一環でマーベリックスに加入した選手だ。ニューヨーク・ニックスが契約最後の2年に約4000万ドル(約62億8000万円/1ドル=157円換算)を支払うことを望まなかった。だが、トレード後の活躍で、マーベリックスとは4年7500万ドル(約117億7500万円)という契約を結んだ。

当初は良い取引だと思われた。ハーダウェイJr.はマーベリックスでのフルシーズン最初の2年で3ポイントショット成功率40%近くを記録。2021年のシックスマン賞投票で5位に入った。だが、今季のオールスターブレイク以降は3P成功率31.8%とショットがスランプ状態だ。

ハーダウェイJr.は守備が素晴らしい選手ではない。リバウンドやプレイメークの観点からも、あまり多くをもたらす選手ではない。ショットが決まらなければ、チームに貢献できないのだ。

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がっかりさせるプレイにもかかわらず、ジェイソン・キッド・ヘッドコーチはシーズンを通じてハーダウェイJr.をのびのびとさせてきた。輝きを放った時もある。1月15日(日本時間16日)の試合では、ドンチッチ不在の中で41得点をあげ、勝利に貢献した。オクラホマシティ・サンダーとのカンファレンス・セミファイナル第2戦でも17得点をマークしている。だが、レギュラーシーズンまでさかのぼり、ここ21試合で二桁得点は3回だけだ。

こうして、ハーダウェイJr.はローテーションでジョシュ・グリーン、ダンテ・エクサム、ジェイデン・ハーディーの後塵を拝すようになった。

NBAファイナルでティム・ハーダウェイJr.は出場するか?

ハーダウェイJr.が一定の出場時間を得る可能性はまだ残っている。マーベリックスには得点源となるような選手が必要だ。ファイナルを通じ、マーベリックスは3Pが不調。最初の2試合で平均93.5得点にとどまっている。

ハーダウェイJr.がオープンな3Pを決めることができるか見るために、消去法で彼が投入される可能性はある。ここまでは、誰もそれができなかったのだから、彼を試さない理由はない。ドンチッチを除くマーベリックスの選手たちは、最初の2試合で3P32本中5本成功にとどまっている。

前回プレイオフを戦った3年前、ハーダウェイJr.は3P成功率40.4%を記録した。ただ、今の彼は当時と同じ選手に見えない。今プレイオフでの3P成功率は30.8%だ。

もしもハーダウェイJr.がショットの自信を取り戻せば、彼はシリーズを変えることができるかもしれない。そうすれば、マーベリックスが彼を活用する可能性があるのは確かだ。

原文:Why is Tim Hardaway Jr. not playing for Mavericks in NBA Finals? Shooting slump has guard out of Dallas rotation(抄訳)
翻訳:坂東実藍