ルカ・ドンチッチとシェイ・ギルジャス・アレクサンダーは、今季のオールNBAファーストチームに選出されることが濃厚だ。57勝のサンダーと50勝のマーベリックスのセカンドラウンド(準決勝)という最高の舞台で彼らは対決する。
オクラホマシティ・サンダーは第1シードだが、両チームの差は思うほど大きくない。ダラス・マーベリックスはトレード期限で先発のPJ・ワシントンとダニエル・ギャフォードを獲得し、チームを再編成した。それ以来、両チームは22勝9敗で並んでおり、これは25勝6敗のボストン・セルティックスに次ぐリーグ2位の成績である。
サンダーはホームコートアドバンテージを持っているかもしれないが、第1シード対第5シードの対戦としては互角のシリーズだ。ここでは、このシリーズを展望する。
サンダー対マーベリックスの予想
サンダーに対する批判は、プレイオフで戦うには若過ぎるし、小さ過ぎるというものだった。ニューオーリンズ・ペリカンズとのファーストラウンドではヨナス・バランチュナスに手こずったが、それでも彼らはスイープ(全勝)でシリーズを勝ち抜いた。彼らの若さも特に不利にはならなかったようだ。
一方のマーベリックスは、カワイ・レナードを欠いたロサンゼルス・クリッパーズとのタフなシリーズを勝ち上がった。彼らにはサンダーを苦しめるバランチュナスのような従来型のビッグはいないが、ギャフォードとデレック・ライブリー二世という素晴らしいオフェンシブリバウンダーがいる。リバウンド争いはこのシリーズのカギを握り、マーベリックスにとって有利になるはずだ。
サンダーが用いるスクリーンの組み合わせと頻繁なリムへのドライブのため、彼らは独特の課題を抱える。その裏でリーグ3位のオフェンス力を誇っていた。マーベリックスにはドンチッチとカイリー・アービングというディフェンスにおける弱点がある。両者ともファーストラウンドでは予想以上のディフェンスを見せたが、彼らは頻繁に試されることになるだろう。
弱点はいくつかあるものの、マーベリックスのディフェンスは言われているほど悪くない。開幕当初は苦戦を強いられたが、トレード期限後のディフェンス成績はリーグ7位だ。マーベリックスが抱える2人のセンターはリムプロテクションの役割を非常によく果たし、ワシントンは移籍以来、フォワードとして自身最高のディフェンスを見せている。
マーベリックスは通常の第5シードよりもはるかに強いチームだ。このシリーズはビッグプレイを連発するスター選手が揃った素晴らしいものになるだろう。最終的には、ドンチッチとアービングがギルギウス・アレクサンダーとジェイレン・ウィリアムズより有利だと考える。なぜなら、マーベリックスのほうがリバウンドで優位であり、レギュラーシーズンでもサンダーを相手に善戦しているからだ。
予想:第7戦でマーベリックス勝利
サンダー対マーベリックス、2023-2024シーズンのレギュラーシーズン成績
サンダーとマーベリックスは4回対戦し、サンダーが3勝1敗とリードしている。
- 2023年12月2日:サンダー 126-120 マーベリックス
- 2024年2月10日:マーベリックス 146-111 サンダー
- 2024年3月14日:サンダー 126-119 マーベリックス
- 2024年4月14日:サンダー 135-86 マーベリックス
最初の対戦では、リードしていたサンダーが第4クォーターにマーベリックスに30-0のランを許した。サンダーはそれでもなんとか持ちこたえ、僅差で勝利している。
第2戦では、マーベリックスの選手としてデビューしたギャフォードとワシントンが即座にドンチッチとのプレイに溶け込んだ。猛烈なペースでプレイしたマーベリックスは、ファストブレイクの得点でサンダーを33-2で上回った。
第3戦と第4戦は両者の分析には役に立たない。ドンチッチは2試合とも欠場し、シードがすでに確定していたマーベリックスは第4戦で先発のほとんどを休ませており、どちらもサンダーが圧勝している。
サンダー対マーベリックスの注目ポイント:ルー・ドートとルカ・ドンチッチの対決の行方は?
今季得点王に輝いたドンチッチは、プレイオフのクリッパーズ戦でもその支配力を発揮した。クリッパーズはあらゆる異なるスキームを使ってドンチッチに対抗しようとしたが、何もうまくいかなかった。ディフェンスを巧みに翻弄するドンチッチにはどんなゲームプランも効果はない。
少なくともサンダーには1対1でガードできる選手が何人かいる。ルー・ドートはブランドン・イングラムを1試合平均14.3得点、フィールドゴール成功率34.5%に抑え、徹底的に苦しめることに成功したシリーズを終えたばかりだ。
NBAのトラッキングデータによると、レギュラーシーズン中のドートは同じレベルでドンチッチを抑えることに成功していない。ドートが主要なディフェンダーの時のドンチッチのFG成功率は57.1%だ。ドンチッチは、時に最高のディフェンダーでさえ滑稽に見せてしまう。
サンダーのほかの選手たちはさほど良い結果を残せていない。ドンチッチは今季のサンダー戦で、1試合平均34.0得点(FG成功率55.6%、3ポイントショット成功率42.9%)、13.5アシスト、11.5リバウンドを記録している。
ドートはドンチッチのストッパーとして最も重大な役割を担うことになるが、彼を止めるにはチーム全体の力が必要となる。ケイソン・ウォレスもベンチからフルコートでプレッシャーをかけられる厄介な選手だ。ジェイレン・ウィリアムズはサイズがあり、オンボールのディフェンスがうまい。ギルジャス・アレクサンダーはスティールを量産する存在だ。そして、レギュラーシーズンの総ブロック数でリーグ2位となったチェット・ホルムグレンももちろんコートに戻ってくる。
過去に効果があったのはドンチッチを疲れさせることだった。サンダーが彼に対抗して積極的にオフェンシブリバウンドを取りに行き、彼をフルコートでガードしてできるだけ動かすことができれば、ドンチッチはシリーズ終盤には疲弊してガス欠になる可能性があるだろう。
原文:Thunder vs. Mavericks prediction, odds, schedule for 2024 NBA Playoffs second round series(抄訳)
翻訳:YOKO B