プレイオフ敗退のサンダーがコンテンダーになるために必要な動きは? 注目はギディーのトレードか?

2024-05-20
読了時間 約4分
(NBA Entertainment)

オクラホマシティ・サンダーの素晴らしい2023-2024シーズンが正式に幕を閉じた。

NBA史上最年少でプレイオフのシリーズを制したサンダーは、ウェスタン・カンファレンス・セミファイナルでダラス・マーベリックスの前に敗れた。

シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、チェット・ホルムグレン、ジェイレン・ウィリアムズのトリオが率いたサンダーは、NBAで最も輝かしい未来を持つチームのひとつだ。平均年齢25.0歳のサンダーの今年の活躍は、この球団が予定よりもかなり早く復活したことを示している。

早い段階での成功を最大限に活かすことの重要性を知っている球団があるとすれば、それはサンダーだろう。サンダーのフロントオフィスのマエストロであるサム・プレスティ(ゼネラル・マネジャー)のこのオフシーズンの仕事は、このチームを優勝候補へとさらに一歩近づけるために適切な手を打つことだ。

今回はサンダーがこのオフシーズンに直面する状況をまとめる。

注目ポイント:ジョシュ・ギディーにサンダーでの未来はあるのか?

この3月、『The Sporting News』のステフ・ノー記者は、サンダーのジョシュ・ギディーがチームのオフェンスに与える悪影響についてまとめている

サンダーのプレイオフ中もその問題を見過ごすことはできなかった。

(マブスとの)第2戦の後半にギディーではなく控えのアーロン・ウィギンズを起用した時点で、サンダーのヘッドコーチのマーク・デイグノートが答えを探し求めていることは明らかだった。第6戦では、デイグノートHCはギディーをベンチスタートにしてシャープシューターのアイザイア・ジョーを先発させている。

ギディーのシュートが弱点であることは周知の事実であり、サンダーの主なラインナップと一緒にプレイしても彼の強みであるプレイメイキングとリバウンドを活かすことができない。サンダーの選手層の厚さとこの相性が引き起こした問題を考えると、両者は決別すべき時なのかもしれない。

NBA3年目のシーズンを終えたギディーの来季の年俸は840万ドル(約13億1000万円/1ドル=156円換算、以下同)だ。本来、6フィート8インチ(約203cm)のリードガードであるギディーのプレイメイキングとリバウンドは手ごろな金額なら価値があるはずだ。単にそれがサンダーではないだけで。

ギディーのようなトレード要員はサンダーに何をもたらすだろうか?これから成長するチームなら、10月まではまだ22歳にもならないギディーのような選手から大きな恩恵を受ける可能性がある。

サンダーの将来は、ギディーの居場所や、もしくは別の役割を見つけることにかかっているわけではないが、この状況に適切に対処できればサンダーは優勝できるロスターを獲得するかもしれない。

ギルジャス・アレクサンダーとホルムグレン、ウィリアムズのトリオがこのまま順調に成長し続ければ、サンダーは大型トレードを必要とせず、デンバー・ナゲッツがアーロン・ゴードンを、そしてボストン・セルティックスがデリック・ホワイトを獲得したような動きが必要になるだけだろう。

優勝候補のロスターはしばしばギリギリのところで完成されるものだ。

サンダーの今後のフリーエージェント

チーム最年長の3選手が2024年で無制限フリーエージェントとなるため、サンダーはさらに若返る可能性がある。サンダーは、アイザイア・ジョー、リンディ・ウォーターズ三世、ウィギンズをキープするためにチームオプションを行使できる。

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ジョー、ウォーターズ、ウィギンズのサラリーは合わせて630万ドル(約9億8280万円)で、チームにとっての価値を考えればお買い得だ。サンダーは、この3選手の何人か(または3選手全員)を延長することが可能だ。

無制限FA 制限付きFA プレイヤーオプション チームオプション
ビスマック・ビオンボ キヤンテイ・ジョンソン* 該当なし アイザイア・ジョー
ゴードン・ヘイワード オリビエ・サー*   リンディ・ウォーターズ三世
マイク・マスカーラ     アーロン・ウィギンズ

*2ウェイ契約

サンダーの将来のサラリーとロスター

契約上では、サンダーは2024-25シーズンに向けて素晴らしい状況にある。

サンダーはフランチャイズプレイヤーのギルジャス・アレクサンダーと2026-27シーズンまでの契約を結んでおり、2022年のNBAドラフトクラスのメンバーのジェイレン・ウィリアムズとホルムグレンには2人合わせて1570万ドル(約24億4920万円)を支払うことになっている。

サンダーは財政的なゆとりがあり、最も重要な選手たちを当分の間チームのコントロール下に置いている状況だ。

選手 2024-25 2025-26 2026-27 2027-28
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー $35.9 million $38.3 million $40.8 million UFA
ルーゲンツ・ドート $16.5 million $17.2 million $17.2 million (TO) UFA
チェット・ホルムグレン $10.9 million $13.7 million (TO) RFA  
ジョシュ・ギディー $8.4 million RFA    
ケンリッチ・ウィリアムズ $6.7 million $7.2 million $7.2 million (TO) UFA
ケイソン・ウォレス $5.6 million $5.8 million (TO) $7.4 million (TO) RFA
ウスマン・ジェン $5.0 million $6.7 million (TO) RFA  
ジェイレン・ウィリアムズ $4.8 million $6.6 million (TO) RFA  
リンディ・ウォーターズ三世 $2.2 million (TO) UFA    
アイザイア・ジョー $2.2 million (TO) UFA    
ジェイリン・ウィリアムズ $2.0 million (NG) $2.2 million (NG) UFA  
アーロン・ウィギンズ $1.9 million (TO) UFA    
アダム・フラグラー Two-Way RFA    

PO = プレイヤーオプション

TO = チームオプション

NG = 無保証

UFA = 無制限FA

RFA = 制限付きFA

サンダーの2024年NBAドラフト指名権

サンダーは2024年のNBAドラフトで全体12位の指名権を持つ。その指名権はロサンゼルス・クリッパーズとユタ・ジャズを含む4チーム間トレードの一部としてヒューストン・ロケッツから獲得したものだ。

『TSN』のカイル・アービング記者の最新のモック・ドラフトでは、サンダーはコロラド大学コーディ・ウィリアムズ(ジェイレン・ウィリアムズの弟)を指名すると予測している。

この指名候補についてアービングはこう語っている。

コーディはサンダーにとって、JDub(ジェイレン・ウィリアムズの愛称)のように、高いレベルでディフェンスし、リバウンドを取り、オフ・ザ・ボールで得点できる、長身で万能なアスレチックなウィングとして、素晴らしい指名となるだろう。彼の長さとエナジーはサンダーにとって夢のようなフィットと言えるだろうし、得点オプションがすでに多いサンダーなら若いウィリアムズにオフェンシブゲームを展開するのに必要な時間を与えることができる。

原文:Thunder eliminated from playoffs: Josh Giddey trade can help OKC build contender around Shai Gilgeous-Alexander
翻訳:YOKO B