FIBAバスケットボールワールドカップ2023に出場するアメリカ代表のロスターは、選手たちの名前が明らかになるにつれて批判の的となった。だが、だからこそ、最終成果を待つべきだ。
選手の名前が発表されていき、ロスターが完成していく中で、このチームにアメリカ代表がどういうビジョンを持っているかはすぐに明白になった。今後のFIBA主催大会やオリンピックで競っていくために、NBAの新進気鋭の若手スターたちを選び、鍛えていくという計画だ。
ロスター最年長は28歳になったばかりのジョシュ・ハートとボビー・ポーティス。最年少はアメリカの法律で飲酒も認められていない、20歳のパオロ・バンケロだ。
ロスターの平均年齢は24.4歳。ブランドン・イングラム（25）、オースティン・リーブス（25）、タイリース・ハリバートン（23）、ジャレン・ジャクソンJr.（23）、ウォーカー・ケスラー（22）、アンソニー・エドワーズ（21）は、いずれも25歳以下の選手たち。そのほかはキャメロン・ジョンソン（27）、ジェイレン・ブランソン（26）、ミケル・ブリッジズ（26）となっている。
スティーブ・カー・ヘッドコーチは誰をスターターに選び、どのようにローテーションしていくべきなのか。FIBAワールドカップ2023におけるアメリカ代表選手たちの出場時間を展望していこう。
FIBAワールドカップ2023のアメリカ代表のスターターは？
予想スターティングファイブ
- ガード：ジェイレン・ブランソン
- ガード：アンソニー・エドワーズ
- フォワード：ミケル・ブリッジズ
- フォワード：パオロ・バンケロ
- センター：ジャレン・ジャクソンJr.
カーHCはスターターの選択で、特にバックコート陣、そしてフォワードの2人を選ぶのに難しい決断を迫られる。
先発出場するはずだと自信をもって言えるのは、このロスターで真の、そして最高のビッグマンであるジャクソンJr.だ。マッチアップ次第で、ケスラーとポーティスが控えとして出場するだろう。
昨季のNBAで年間最優秀守備選手賞を受賞したジャクソンJr.を除き、そのほかの4人のスターターは、入れ替えになるかもしれない。
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バックコート
バックコートの2つのスターター枠を競うのは、ブランソン、エドワーズ、ハリバートンだろう。それぞれボールを持っても持たなくてもプレイでき、どのコンビネーションでも機能するはずだ。
チームのベストプレイヤーとされるのはエドワーズだ。おそらくは彼が得点面でアメリカ代表をけん引することになるだろう。だから、彼はほかの2人よりも有利だ。ロスター最高のプレイメーカーはハリバートンだと思うが、カーHCはブランソンの経験やスターターとしてのリーダーシップに傾き、彼を選ぶのではないだろうか。
リーブスはほかと異なるが、ベンチスタートから火付け役として一定の出場時間を得るはずだ。
フォワード
ガード同様、2つの枠を3人の候補が競う。イングラム、ブリッジズ、バンケロだ。
バンケロはロスター最年少の選手だが、先発すべきだと強く信じている。6フィート10インチ（約208センチ）、250ポンド（約113キロ）のサイズを生かせるからだ。リバウンドでジャクソンJr.を助けられるだろう。パワーフォワードとしての得点とプレイメークのスキルセットは、アメリカ代表にとって唯一無二の武器となる。
バンケロに続くのは、ブリッジズかイングラムのはずだ。
ブリッジズのほうが守備に優れ、ペリメーターでブランソンに足りない守備力を補えるだろう。スコアラーや攻撃の起点としてはイングラムのほうが優れている。だが、彼の才能はエドワーズがコートにいない時の方がより適しているかもしれない。
カーHCがバンケロをベンチスタートにし、ブリッジズとイングラムのフォワードコンビがアメリカ代表に強力な攻撃力とペリメーターからのショット力をもたらす可能性もある。この3人のうち、どの2人が先発フォワードを務めるのかは最も興味深い。
ジョンソンはベンチスタートから3＆D（3ポイントショットと守備が得意な選手）のフロアスペーサーとして出場時間を得るだろう。ハートはエネルギッシュな守備でアメリカ代表に活気をもたらすはずだ。
大会中にカーHCがラインナップを様々に組み合わせても驚きではない。機能する可能性のあるコンビネーションはたくさんあるのだ。誰が先発出場するにしても、アメリカが最も才能あるロスターでFIBAワールドカップ2023に臨むことは否定できない。