【バスケW杯】なぜアメリカは優勝できなかった? うまくいかなかった3つの理由|FIBAワールドカップ2023

2023-09-09
読了時間 約2分
(Getty Images)

2010年と2014年のFIBAバスケットボールワールドカップで優勝したアメリカ代表だが、ここ2大会は連続で決勝に勝ち進むこともできなかった。

9月8日に行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2023準決勝で、アメリカはドイツに111-113で敗れた。10日の3位決定戦でまだメダルを目指すことになるが、望んでいた結果でなかったことは確かだ。

準決勝を見ていなかったアメリカのバスケットボールファンは、大きな疑問を抱いているだろう。つまり、今大会で何が起きたのかということだ。

アメリカがFIBAバスケットボールワールドカップで優勝できなかった理由

ベストプレイヤーたちの不在

最も明確な点をはっきりさせよう。今大会のアメリカ代表のロスターは、充実してはいなかった。

大会に出場しなかったアメリカの選手たちを考えてみれば分かる。デビン・ブッカー、ステフィン・カリー、アンソニー・デイビス、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズ、デイミアン・リラード、ジェイソン・テイタム…まだ続けるべきだろうか。今大会には、オールNBAチーム入りした選手はひとりもいなかった。

簡単に言えば、以前の国際大会ほど圧倒的なタレントのレベルではなかったということだ。

ドイツに敗れた試合後、アメリカのスティーブ・カー・ヘッドコーチは「こういう試合は難しい。もう1992年じゃないんだ」と話している。

「世界中の選手たちが以前より向上している。各チームが良くなっているんだ。ワールドカップやオリンピックで優勝するのは、簡単なことじゃないんだよ」

サイズの不利を覆せなかったアメリカ

アメリカがロスターの構成でフロントコートの問題を抱えていたことは明らかだった。

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モンテネグロ、リトアニア、ドイツのいずれにも、アメリカはサイズ不足を突かれた。これらの試合でオフェンシブリバウンドは24-53と大きく差をつけられている。準決勝ではドイツにセカンドチャンスから25得点を許した。アメリカは8得点だ。

特に厳しい大会となったのが、ジャレン・ジャクソンJr.だ。ファウルトラブルでコートにとどまることがなかなかできなかったり、リバウンドであまり助けになることができなかった。主にバックアップを務めたビッグマンはパオロ・バンケロで、ウォーカー・ケスラーがベンチから途中出場することはあまりなかった。

『The Ringer』のケビン・オコナー記者が指摘したように、カーHCはジャクソンJr.とケスラーが一緒にプレイするラインナップをもっと試すことができたはずだ。メンフィス・グリズリーズでのジャクソンJr.は、スティーブン・アダムズという真のセンターの隣で活躍した。ケスラーはもっと出場時間を与えられれば、その役割をこなすことができたかもしれない。

3ポイントショットのバトルで屈したアメリカ

サイズの問題はドミノ効果を生んだ。アメリカは守備でミスマッチからペイント内で崩れ、オープンなかたちをつくられることが多かった。

カーHCは「(ドイツには)スイッチで大きくて強い選手たちがたくさんいる。かなりのストレスをかけられるんだ」と話している。

アメリカは104-111で敗れたリトアニア戦で、開始から連続9本の3Pを決められ、試合全体で25本中14本成功を許した。準決勝では成功率で48.0%とドイツの43.3%を上回ったが、3P成功本数じたいは12本対13本で下回っている。

ドイツの優れたシューターであるアンドレアス・オブストに、3Pの場面で3回ファウルしたことも指摘しておくべきだろう。わずか2点差で勝負がついた試合で、アメリカはオブストにフリースロー9本中8本成功を許した。

これらの要素が組み合わさり、ワールドカップはアメリカにとって再び落胆の結果となったのだ。

原文:What went wrong for Team USA at FIBA World Cup? Three reasons why Americans won't be playing for gold medal(抄訳)