ステフィン・カリーがコービー・ブライアントとの思い出を語る「僕の価値を認めてくれたことは本当に特別」

2023-07-28
読了時間 約2分
(NBA Getty Images)

どの選手にもNBAの洗礼を受けた瞬間はある。しかし、子どもの頃から憧れてきたスター選手との直接対決は、おそらくまったく違った経験だろう。

前の世代の選手にとっては、それはマイケル・ジョーダンとの対決だった。今の世代の選手にとってはレブロン・ジェームズとの対決だ。しかし、現在リーグにいるスター選手たちにとっては、それはコービー・ブライアントと対決することだった。

2020年にブライアントが悲劇的な死を遂げて以来、ブラックマンバと対戦した懐かしい思い出について、これまで語られることのなかった選手たちのエピソードをいくつも耳にしてきた。

ゴールデンステイト・ウォリアーズのスーパースターであるステフィン・カリーは最近、ショーン・エバンスと『Hot Ones』に出演し、キャリア序盤にブライアントと対戦したときの思い出に残る3つの経験について語っている。

(NBA Getty Images)

エバンスは、シャープシューターのカリーの『ベイビーフェイス・アサシン』というニックネームについてブライアントが話した有名なエピソードのことをカリーに尋ね、それが、カリーがコービーについて語るきっかけになった。

カリーは自身のルーキーシーズンのエピソードから話し始めた。ブライアントが自分のゲームにリスペクトを示したときのことを振り返り、カリーがそのことを知ったのは試合が終わってからだったと話している。

「あれはルーキーシーズンにホームでレイカーズと対戦したときだ。攻撃で、ちょっとパンプフェイクをして相手に身体を寄せながらバックボードを使ってショットを打ったんだ。コートの反対側に戻るとき、なぜかカメラが彼を映していて、彼が隣にいたチームメイトに向かって『おい、彼はいいね』と口にしてるのがわかったんだ」と、カリーは言う。

「最高にすごいことだよ。コービーが僕のプレイをちゃんと見たのは初めてで、僕のゲームを認めてくれるなんて本当に信じられないほど素晴らしいことだ」

カリーの話はそこで終わらなかった。彼は続けて、ブライアントの象徴であるマンバメンタリティを初めて間近で目にしたときのことを話した。

「2度目はプレシーズンゲームで対戦したときで、彼はマンバメンタリティを発揮してプレシーズンの第1クォーターで僕をフルコートで抑えにきたんだ」と、カリーは話す。

「振り返ったら、彼はこんな感じでさ(コービーの特徴である険しい表情を真似る)。スライドしながらずっと僕の前にいるんだ。一体何が起こっているんだ? あのコービー・ブライアントだぞ!って感じだった」

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「彼は4、5回スライドしながら僕に付いてきて、僕にぶつかって、僕はバランスを崩したんだんだけど、実はこの時点で僕はヘトヘトで疲れ果てていたんだ。こっちはプレシーズンゲームでコンディションを整えようとしてるのに、僕よりはるかに身体が大きいくて強い彼が、僕に体当たりとかしてディフェンスで全力でプレッシャーをかけるんだよ」

「だから、倒れたらもう打つしか選択肢がなかった。それがどんな結果になろうとね。たぶん30フィートのところからシュートして決めたんだ。僕はそのあと何もなかったかのように振る舞った。あれは冷静さを保った人生最大の瞬間だった。だって、あのコービー相手だよ。彼がフルコートで僕のディフェンスについている状態から、僕は30フィート(約9メートル)のショットを沈めて、冷静を装ったんだ」

カリーは笑顔で続ける。

「戻るときに彼にちょっとお尻を叩かれたんだけど、僕はそれにすら気づけなくて、ちょっと彼を押してディフェンスをしているかのように見せかけたんだ。でもハーフタイムにロッカールームに行ったらすぐに、『あの映像がほしい。あの映像を携帯電話に保存しておかなきゃ』って言ったよ」と、彼は豪快に笑った。

『The Ringer』のケビン・オコナーが、カリーが話していた試合の映像を見つけて、インタビュー映像と合わせてTwitterで共有してくれている。

最後に、カリーはエバンスが最初に言った『ベイビーフェイス・アサシン』について言及している。

「3度目はあなたがさっき言っていたことだけど、僕が笑顔の裏に隠している闘争本能を彼が分析してくれたことだ」と、カリーは熱く語った。

「彼は、僕が楽しんでプレイする姿や僕の笑顔を見て、人々はその笑顔の裏にある闘争本能や競争心に惑わされるって言っていた」

「あんな風に僕の価値を認めてくれて、特に彼はあんな風に公に褒める人じゃないからなおのこと、あれは本当に特別だったよ」

NBA史上最も偉大な選手の1人であるカリーでさえ、スポーツの歴史上最も影響力のあるアイコン(偶像)の1人であるコービー・ブライアントからそのような賞賛を受けることがどれほどの意味を持つのかを十分に理解している。

カリーの『Hot Ones』でのインタビューすべては以下で見ることができる。

原文:Stephen Curry reveals three awesome Kobe Bryant stories on 'Hot Ones'
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc