SN NBAアウォーズ2023:MVP・海外出身選手チーム・最優秀若手選手ほかを独自選出

2023-05-02
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(The Sporting News Illustration)

11の国と地域でNBA公式サイトを運営するThe Sporting News(スポーティングニュース。以下SN)は、2023年から新たに独自のNBAアウォーズを発表することにした。

2022-2023シーズンは、30チームすべてが少なくとも1人の海外(米国外)出身選手を起用し、41か国・6大陸から120人の海外出身選手が開幕ロスターに名を連ねた。NBA史上、2シーズン連続で120人以上の海外出身選手が登録されたのは初めてのことだ。

それに対して、今シーズンの『SN NBAアウォーズ』は、19か国を代表する67人の国際メディア関係者による投票によって決定された。投票はレギュラーシーズン終了後の4月10日(日本時間11日)に開始され、4月15日のプレイオフ第1戦前に締め切られた。順位式の賞では、1位が5ポイント、2位が3ポイント、3位が1ポイントを与えらえる形を取っている。投票を実施したのは以下の賞だ:

The Sporting News MVPは、1958-1959シーズンにボブ・ペティットがビル・ラッセル、エルジン・ベイラー、ボブ・クーシーらを抑えて初受賞したのが始まり。SNが印刷物から世界的なデジタルブランドへと進化するにつれ、同賞もまた進化を遂げていく。

それでは、結果をご覧あれ!

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最優秀選手賞(MVP)

勝者:ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)

1位と3位の1位票の差はわずか3という大接戦の末に、ジョエル・エンビードがニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)とヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)を上回り受賞した。

エンビードは平均33.1得点で2年連続得点王に輝いたのに加え、10.2リバウンド、4.2アシスト、1.7ブロック、1.0スティールを記録。3度の50得点は今季トップであり、センターとして1シーズンで3度以上50得点を記録したのはほかにウィルト・チェンバレンとカリーム・アブドゥル・ジャバーのみだ。

2年連続NBA MVP、そして昨年の『Sporting News Player of the Year』に選出されているヨキッチは、平均トリプルダブルに迫る数字(24.5得点、11.8リバウンド、9.8アシスト)を残し、ナゲッツをウェスタン・カンファレンス首位へと導いた。ヨキッチがコートに立っていた時のナゲッツは、彼がベンチにいるときと比較してネットレーティングが22.9も高かった。

アデトクンボはバックスはリーグ首位の成績へと導き、平均得点もエンビードを上回った。平均36分換算で今季のアデトクンボよりも得点が高いのは、NBA史上でもウィルト・チェンバレンとジェームズ・ハーデンのみだ。

投票は以下の通り:

選手 1位票 2位票 3位票 ポイント
1. ジョエル・エンビード(76ers) 24 28 12 216
2. ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ) 22 19 23 190
3. ヤニス・アデトクンボ(バックス) 21 17 26 182
4. ジェイソン・テイタム(セルティックス) 0 1 1 4
5. ステフィン・カリー(ウォリアーズ) 0 1 0 3
6. ドマンタス・サボニス(キングス) 0 0 3 3
7. ルカ・ドンチッチ(マーベリックス) 0 0 1 1
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オール・インターナショナル・チーム

オール・インターナショナル・チーム(海外出身選手ベスト5)の投票対象となるためには最低50試合以上に出場する必要があり、今季は33選手が該当した。その中から、投票者はファーストチームとセカンドチームに5人ずつ選出した。

近年は海外出身選手が歴史的なペースでリーグに入ってきているだけに、それらの選手を表彰するのは当然の流れだろう。ここ2シーズンは、リーグMVPの最終候補3人が全員海外出身選手であり、MVPは5年連続で海外出身選手が受賞している。

ファーストチーム

  • ヤニス・アデトクンボ(バックス)
  • ルカ・ドンチッチ(マーベリックス)
  • ジョエル・エンビード(76ers)
  • シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(サンダー)
  • ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)

セカンドチーム

  • OG・アヌノビー(ラプターズ)
  • ジョシュ・ギディー(サンダー)
  • ラウリ・マルカネン(ジャズ)
  • ドマンタス・サボニス(キングス)
  • パスカル・シアカム(ラプターズ)
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最優秀若手選手賞(23歳以下)

勝者:ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)

NBAには、ルーキーの枠を超えた若い才能が溢れているリーグだ。FIFAワールドカップで栄えあるFIFAヤング・プレイヤー賞が授与されるように、SNでも、世界中の投票者に最高の若手選手を選んでもらう機会を設けた。

選出資格は、今季の2月1日時点で23歳以下であること、50試合以上に出場していること。SNのグローバルライター陣が選んだファイナリスト10名(アルファベット順)はこのようになった: パオロ・バンケロ(マジック)、ルカ・ドンチッチ(マーベリックス)、アンソニー・エドワーズ(ティンバーウルブズ)、ダリアス・ガーランド(キャバリアーズ)、ジョシュ・ギディー(サンダー)、タイリース・ハリバートン(ペイサーズ)、ジャレン・ジャクソンJr.(グリズリーズ)、タイリース・マクシー(76ers)、エバン・モーブリー(キャバリアーズ)、ジャ・モラント(グリズリーズ)。

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結果は、ドンチッチが67の1位票のうち54票を獲得し、圧倒的な強さを誇った。マーベリックスはプレイオフに進出できなかったものの、ドンチッチは1試合平均32.4得点、8.6リバウンド、8.0アシストを記録し、歴史的なシーズンを送った。ニックス戦では、60得点、21リバウンド、10アシスト、そしてフリースローを外しながらもリバウンドを掴んで奇跡のショットを決めて延長戦に持ち込むなど、まさに圧巻のパフォーマンスを披露した。

続いてジャ・モラントが2位、アンソニー・エドワーズが3位となった。モラント(6票)、エドワーズ(4票)、ハリバートン(1票)、マクシー(1票)、バンケロ(1票)がそれぞれ1位票を獲得。最終選考に残った10人全員が、少なくとも4つの投票用紙に登場した。

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最優秀守備選手賞

勝者:ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)

最優秀守備選手賞の選考は大きく割れる形となった。

ジャレン・ジャクソンJr.が67票中32票の1位票を獲得したものの、10人の最終候補のうち9人が1位票を獲得する大混戦だ。

最終的に、ロペス、エバン・モーブリー、ヤニス・アデトクンボなどよりも出場時間が少ないながらも歴史的なブロック率を誇ったJJJが選出された。

投票結果は以下の通り:

選手 1位票 2位票 3位票 ポイント
1. ジャレン・ジャクソンJr.(グリズリーズ) 32 22 5 231
2. ブルック・ロペス(バックス) 17 20 14 159
3. エバン・モーブリー(キャバリアーズ) 2 9 15 52
4. ヤニス・アデトクンボ(バックス) 5 6 5 48
5. ドリュー・ホリデー(バックス) 3 2 8 29
6. バム・アデバヨ(ヒート) 2 5 4 22
7. OG・アヌノビー(ラプターズ) 3 1 4 22
8. ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ) 2 0 7 17
9. アンソニー・デイビス(レイカーズ) 1 1 4 12
10. ルディ・ゴベア(ティバーウルブズ) 0 0 0 0
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最優秀新人選手賞

勝者:パオロ・バンケロ(オーランド・マジック)

バンケロは、1試合平均20.0得点でマジックをリードし、SNの最優秀新人選手賞を受賞した。20歳のルーキーとは思えない充実したオフェンスレパートリーで、入団早々からその実力を見せつけた。最初の6試合で20得点以上を記録したNBA史上6人目の選手となり、殿堂入りしたグラント・ヒル、ドミニク・ウィルキンズ、エルビン・ヘイズ、オスカー・ロバートソン、ウィルト・チェンバレンと並び称された。

2位はジェイレン・ウィリアムズ(サンダー)、3位はウォーカー・ケスラー(ジャズ)となった。

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最優秀コーチ賞

勝者:マイク・ブラウン(サクラメント・キングス)

ブラウンHCはサクラメント・キングスを再生させ、NBA史上最長となるプレイオフ不出場記録を断ち切り、王者ウォリアーズを壮絶なプレイオフ・ファーストラウンドの7戦シリーズで瀬戸際まで追い詰めた。

キングスは2004-2005シーズン以来最多の48勝をあげ、ディアロン・フォックスとドマンタス・サボニスの2人がオールNBA級の活躍を見せた。ブラウンHC指導の下、最もエキサイティングで速いペースでプレイするチームのひとつとなり、飛ぶ鳥を落とす勢いだったキングスは、NBAリーグパスで視聴される人気チームとなった。

2位はセルティックスのジョー・マズーラHC、3位はナゲッツのマイケル・マローンHCとなった。

原文:SN NBA Awards 2023: Voting results for MVP, All-International Teams, Best Young Player & more

翻訳:大西玲央 @ReoOnishi