ゴールデンステイト・ウォリアーズは開幕から6勝2敗と有望なスタートを切ったが、その後は4勝10敗と苦しんでいる。ステフィン・カリーはやすやすとリーグのトップ10入りする選手のままで変わらない。ダイナミックなパフォーマンスを見せている。だが、チームは平凡なようで、間違った方向に進んでいるようだ。
カリーは今でもチームを優勝に導けるだけの優れた選手である。だが、ひとりでそれはできない。
ウォリアーズが再び優勝を争う候補に返り咲くには、何が必要なのだろうか。
今シーズンをウォリアーズが救うための3つの方法
1. もっとボールを大切に
ウォリアーズは常にターンオーバーが多いチームだ。これは今季も例外ではない。
ターンオーバー率はリーグ26位で、最近のオクラホマシティ・サンダーに敗れた試合では28ターンオーバーだった。この2年のリーグで最多の数字だ。
クリス・ポールはウォリアーズのセカンドユニットの中でよりボールを大切にしている。平均7.2アシストに対してターンオーバーはわずか1.2だ。文字通り、ボールを「落としている」のは、スターターたちである。
そのスターターグループによるターンオーバーの問題の大半は、クレイ・トンプソン、アンドリュー・ウィギンズ、ケボン・ルーニーの全般的な調子の低下とつながっている。彼らは以前ほど得点の脅威がない。判断を下す役割を任されると、足りないところが目立った。
2. 王朝を築いた選手たちへの依存脱却
ウォリアーズはトンプソンやルーニー、最近ではウィギンズの貢献でその地位を堅固にしてきた。だが、今季は3人とも大きく調子を落としている。
トンプソンはまるで彼の抜け殻のようだ。ショットセレクションの問題を抱え、効率が悪くなっている。3ポイントショット成功率はわずか35.4%と、これまでのキャリアで圧倒的に低い。身体能力に関しても、今季はダンクがゼロ。ペイント内に入っていくことも、もうできなくなっている。3フィート(約0.9メートル)以内からのショットは、自己最低の2.8%しかない。これはキャリア平均の13.4%から大きく落ち込んだ数字だ。
ウィギンズもずっとショットを決められていない。さらに懸念されるのが、あらゆる分野で彼のパフォーマンスが落ちていることだ。アシスト、リバウンド、スティール、ブロックと軒並みダウン。そしてターンオーバーは増えている。かつては守備のストッパーだったが、今季の彼はチームワーストのディフェンダーのひとりだ。
ルーニーは今でも大半の試合で先発出場している。だが、彼らしくないことに安定していない。平均5.7得点と8.4アシストという数字は昨季から低下。逆にターンオーバーは大きく増えた。
ウォリアーズはより若い選手たちがもっと良いパフォーマンスを見せている。モーゼス・ムーディーはひと皮むけたようで、3P成功率は34.7%。連係あるバスケットボールをしている。ブランディン・ポジェムスキーは素晴らしい新人で、ショットとプレイメークの力をもたらした。彼ら2人がもっとプレイする必要がある。
ジョナサン・クミンガは浮き沈みのあるシーズンだが、彼の身体能力はある種のマッチアップでウォリアーズにとってルーニーよりも良い選択肢となる。
3. クレイ・トンプソンのトレード
スティーブ・カー・ヘッドコーチがラインナップに手を入れて変更しても、トンプソンが以前のような調子に戻らない限り、おそらくウォリアーズは理論上で勝てるだけのチームではない。
そしてトンプソンが以前のように戻ることはないだろう。ならば、放出を模索する必要がある。
4320万ドル(約63億720万円/1ドル=146円換算)の年俸で契約が今季で満了するトンプソンが、別のハイレベルな選手を加えるためのトレード要員となるのは論理的なことだ。ウォリアーズがウィギンズやポールをトレードする可能性もあり得るが、ウィギンズはまだかなりの契約が残っており、移籍させるのがより難しい。一方、ポールはベンチユニットにとって重要な存在だ。
ウォリアーズがトンプソン放出に至った場合、魅力的な代わりの選手たちがいる。
ザック・ラビーンは選択肢のひとつだろう。5年2億1520万ドル(約314億1920万円)の契約の2年目とあり、関心度は高くないとも報じられている。そのため、一部で想定されるよりも獲得しやすいかもしれない。ラビーンはまた別の優れたシューターであり、トンプソンよりもダイナミックなリムフィニッシャーだ。もっとボールを持たないところからの役割で活躍できるかもしれない。また、ウォリアーズは2番手のスコアラーを強く必要としている。ラビーンはとてもうまく当てはまるだろう。
獲得可能かもしれない別のハイレベルな選手では、パスカル・シアカムもいる。3790万ドル(約55億3340万円)の契約最終年で、トロント・ラプターズで平均20.7得点、6.9リバウンド、5.0アシストと、再び堅実なシーズンを過ごしている。ただ、3Pは平均3.8本試投で成功率20.5%と大きく数字を落とした。
シアカムはウォリアーズが切実に必要としている、もっとサイズがあって攻撃を実行できる選手だ。彼とドレイモンド・グリーンを並べれば、フロントコートはとても万能な守備力を身につけられる。
将来のドラフト1巡目指名権など、ウォリアーズには大型トレードを実現させるための道がいくつかある。カリーが3月で36歳になることを考えれば、最後の優勝リングを狙うに最高のタイミングだ。ウォリアーズはカリーのために、それを実現させるための最高の状況にしなければならない。
※スタッツはいずれも現地12月11日時点
原文:Three ways the Warriors can save their season, including Klay Thompson trade and more Moses Moody minutes(抄訳)
翻訳:坂東実藍