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ロケッツのマイク・ダントーニHCが、NBAジャパンゲームズに向けて意気込みを語る

2019-09-26
読了時間 約2分

10月8日と10日に開催される16年ぶりのNBA Japan Games 2019 presented by Rakuten(NBAジャパンゲームズ)で来日するヒューストン・ロケッツのマイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)が、9月24日に集まった複数のメディアによる電話インタビューに応じた。

 

しっかりと東京を楽しむよ

ーー今回の来日に関して。

まずは、もうすぐシーズンが開幕するということがとても楽しみだよ。日本に行って東京でプレイすることは、選手たちにとってとても良い経験になる。行ったことがない選手は特にね。個人的には2006年以来の日本で、素晴らしい街なのでとても楽しみだが、ビジネスで訪れる形なので、チームといることがほとんどになるだろう。

ーーオフシーズンに獲得したラッセル・ウェストブルックについて、良いと思っているところは何?

良いところはたくさんある。まずその前に、クリス・ポール(オクラホマシティ・サンダーにトレード)はとても素晴らしかったので、彼を失ったことはとても残念だ。ラッセルはリーグ屈指の身体能力を持っている。チームとしてもっと速い展開をしなければならないと思っており、彼が加わることでそれが実現できる。

ーーウェストブルックが加入したことでロケッツに対する期待値は高い。成功を収めるためにチームをどう変化させる必要?

期待値はいつだって高い。毎年、我々は優勝することを目標にしている。今年はおそらく8チームくらいが優勝を狙える位置にいるだろう。我々も素晴らしいチームを作り上げるために時間を要することとなる。さらに、運の要素も常に必要なものだ。ケガをせず、大切な状況でビッグプレイをするといったことが必要となる。

ーー過去2シーズンでロケッツは3ポイントショット試投数でリーグ記録を更新し続けているが、ウェストブルックが入ったことでどう変わる?

やってみないとわからないところではある。しかしそこまで変わらないのではないかと予想している。ラッセルはペネトレイトからレイアップに持っていけるし、そこからキックアウトして3Pショットにつなげることもできる。クリス・ポールは特段3Pが上手いわけではなかったが、それでも我々はたくさん打っていたので、そこはラスになっても続くだろう。

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ーーウェストブルックはサンダーでジェームズ・ハーデンと一緒にプレイしていたとはいえ、どちらもボールを持ってプレイするイメージ。ふたりはどう共存する?

クリスとジェームズがそうだったように、多少はお互いで話し合って決め事を作る必要はあるだろう。しかし両選手が一緒にプレイしたいと思っており、一緒にプレイすることを好んでいれば、どちらがいつボールを持つかなどは自ずと見えてくるはずだ。問題になるとは思っていない。

ーーロケッツのHCに就任してからハーデンはアシスト王、MVP、得点王を獲得し、昨年は強烈なシーズンを見せてくれた。指揮官として彼のここ数年の進化をどう捉えている?

ジェームズの素晴らしいところは、いい選手になりたいという思いがとても強いところ。彼は毎年、自分自身の現状に満足せず、常に上手くなろうと努力しているんだ。

ーーほかの選手を含め、今シーズンはどういった成長を期待している?

もっと速くプレイすることだね。ジェームズがもっと速いプレイをすれば、彼はオープンコートで非常に驚異的な存在となれる。エリック・ゴードンは素晴らしいシーズンを送ると思っている。そしてクリント・カペラは自身のキャリア最高のシーズンを送るだろう。ラッセルとジェームズは元MVPなので彼らの話ばかりになりがちで、それはそれで良いことだと思うのだけど、我々のチームにはほかにも素晴らしい選手が揃っているんだ。

ーーイマン・シャンパートが抜け、昨シーズンはトレバー・アリーザが抜けたりしたが、今年のディフェンスについてどう思っているのか?

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より良くしていきたいと思っている。昨シーズンはアリーザを失ったのと、ケガの影響などもあって立ち上がりが悪かったが、終わってみれば確かリーグ3位のディフェンスを誇っていた。だからそれは続けていきたい。ディフェンスをやれる選手は十分揃っている。それに優勝するのであれば、やはりディフェンスでトップ5に入る必要があると思っている。

ーー同じカンファレンスにふたりの日本人がいる。メンフィス・グリズリーズの渡邊雄太はロケッツ戦に出場、ダラス・マーベリックスと契約した馬場雄大はサマーリーグでロケッツ戦に出場。ふたりの印象は?

そこまで詳しく知っているわけではないが、プレイしていたのは覚えているよ。スカウティングは私の仕事ではないからね。グリズリーズの選手はよく覚えている。ワシントン・ウィザーズにも今年は日本人が入ったよね。どちらもとても良い選手になれると思っている。日本からこうして素晴らしい選手がNBAに来ることはとても良いことだ。フェニックス(サンズ)にいた頃、私は田臥勇太(現Bリーグ 宇都宮ブレックス)をコーチしているのだが、彼は本当に素晴らしい選手だった。いろいろな国の選手がNBAに来てくれるのは本当に面白い。

ーーウィザーズの八村塁の印象は?

才能に溢れているね。良い選手になることを願っているよ。ルーキーシーズンというのは誰にとっても大変なものだけど、彼にはとてもエキサイティングな未来が待ち構えていると思う。

ーージャパンゲームズで対戦するラプターズの印象は?

まず彼らはディフェンディング・チャンピオンだ。昨年は素晴らしいシーズンを送り、ニック・ナースHCもとても良い仕事をした。カワイ・レナードを失った(ロサンゼルス・クリッパーズへ移籍)ものの、まだ良い選手がたくさん残っているので、対戦するのが楽しみだ。

ーーパスカル・シアカムはどう守る? PJ・タッカーやタボ・セフォローシャあたりが守るのか?

ふたり同時に守らせるってことはないだろうけど(笑)、そうだね、PJは4番なので守ることになるだろう。あとはジェームズだったりセフォローシャだったり。シアカムだけじゃなく、(フレッド)バンブリートなんかも昨年から残っている彼らのキープレイヤーだと思っている。あとは(マルク)ガソルもいる。しかし、今はとにかく我々は自分たちのチームについて集中している状況だ。良いチームになり、日本を楽しみたい。

ーーほかにもタイソン・チャンドラーやベン・マクレモアといった選手を新たに加えているが、気になっている選手はいる?

彼らを見られるのは楽しみだけど、今回どこまで出場して、どれだけチームに影響するかはわからない。ただ、マクレモアはしっかりと見たいと思っているし、タイソン・チャンドラーは我々にとってとても良い選手になってくれると期待している。トレーニングキャンプ開始から1~2週間でどれだけ仕上がっているかは見てみないとわからないが、ロッカールームでの存在感や、控えセンターとしてとても重要な存在になるだろう。

ーージャパンゲームズでは連携やコンディションなど、コーチとして何を見たい?

全部だね。コンディショニングもそうだし、ジェームズとラスがどう連携するのか、それに対してチームがどう反応するのか、どれだけの速さでプレイできているのか。コーチとしてはやはり全部を見るし、それに対して何を解決できるかを考えていく。

ーーシーズン通して調子が落ちたときにどういうケアをするかなど、チームを率いる上で重視していることは何?

パニックに陥らないこと。昨日起きたことを引きずらないということ。我々のモットーのひとつとして、「so what, what's next」(だからどうした、次はなんだ)というのがある。それをしっかりと守ることだ。利他的な良い選手が揃っていれば、それはやっていける。

ーーFIBAバスケットボール・ワールドカップでのアメリカの結果(7位)を受け、NBAのコーチとしてアメリカ代表はどうすべきだと思う?

それは私の仕事ではないね。グレッグ・ポポビッチHCは史上最高のヘッドコーチのひとりであり、彼らが何をすべきかを解明し、それを成し遂げてくれることに私は何の疑いも持っていない。2006年の日本での試合のあとの、当時のマイク・シャシェフスキーHC(当時及び現デューク大学)の状況と似ているね。もっと良いチームにしなければいけないという課題があり、実際にそれは達成した。

ーー東京オリンピックの会場でもさいたまスーパーアリーナでやるということの意味。

選手たちにはとにかく日本での体験を楽しんでもらいたい。新しい文化、新しいアイディア、異文化の生活に触れることで人は大きく成長することができる。それをぜひ楽しんでもらいたい。しっかりと東京を楽しむよ。