ボストン・セルティックスのロバート・ウィリアムズ三世は、最近、本来の自分自身でないような気がしている。それは、プレイオフのほとんどの期間で左ひざのしつこい痛みを抱えているためだ。
しかし、それにもかかわらず、6月8日(日本時間9日)にTDガーデンで行われたNBAファイナル第3戦、ゴールデンステイト・ウォリアーズを相手にボストン・セルティックスが116-100で勝利した試合で、彼が最も影響力のあるディフェンダーであることに変わりはなかった。
ウィリアムズ三世は、10リバウンド、4ブロック、3スティールと、守備の主要な3つのカテゴリーすべてでゲームトップをマーク。さらに、26分の出場でフィールドゴール5本中4本成功で8得点をあげ、出場時のチームの得失点差を示すプラスマイナスは+21(試合最高)を記録した。
シリーズを2勝1敗とリードした第3戦の後、アル・ホーフォードは「ロブ(ロバート・ウィリアムズ三世)こそ真のゲームチェンジャー(試合の流れを一気に変える選手)だ」と話している。
「彼のように勝利に貢献する選手がいてとても幸運だよ。彼は数字以上のインパクトを与える存在なんだ。適切な場所にいたり、彼が試合にもたらすすべてが重要なんだ」
絶えず続く不快感を抱えつつも、ウィリアムズ三世は自分はコートに立つべきだと言う。このファイナルの舞台でプレイすることをこれまでずっと夢見てきた彼にとって、それは喜んで払う犠牲なのだ。
左ひざの痛みでプレイオフの最初の3ラウンドを欠場したウィリアムズ三世は「僕はただ、チームのために自分の責任を果たそうとしているだけだ」と語る。
「僕らはここまで来れたんだ。自分自身とじっくり対話して、ケガを押してでもやり遂げるって決めたんだ。今の調子には満足している。ケガのことはシーズンが終わってから考えるよ。今はまだ戦っている最中なんだ」
ウィリアムズ三世は、試合に出場できる程度にひざの調整するために何時間も治療を受けながら、毎日戦い続けてきた。そして、最初の3ラウンドではそれぞれ少なくとも1試合は欠場したものの、ファイナルではまだ一度も欠場していない。
痛みを押してプレイすることに慣れているマーカス・スマートは、ウィリアムズ三世が今の状況を乗り切れるようにメンタル面でサポートしている。
「ロブには常に声をかけているよ。彼がどんな経験をしているか僕はわかっているっていう単純な理由でね」と、このプレイオフ期間中、同じようにケガに悩まされているスマートは話す。
「彼は痛みを抱えているのに、それでも、コートに出てチームを助けたいと思っている。でも同時に、自分のキャリアのことも考えているんだ。彼にも話したけど、自分の身体のことは自分がよくわかっているはずだ。自分がどこまで耐えられるのか、どこが限界なのかは自分でわかっている。でも、僕らには(優勝という)特別なチャンスがあって、ここにまた戻ってこられる保証はないんだよ」
この舞台に戻れる保証がないとわかっているからこそ、ウィリアムズ三世は身体の不調を抱えながらも、自分にできる限りのプレイしたいと考えている。彼にとってそれは、リムアタックをしかけるウォリアーズの選手たちをやりにくくすることから始まる。
第3戦でウィリアムズ三世は、ショットに対抗し、ブロックし、身体を張って、ゴール周りで恐るべき存在感を示した。
「とても大きいね」と、セルティックスのヘッドコーチのイメイ・ユドカは話す。
「彼はブロックを4つしたと思うが、ブロックしたショットだけでなく、彼によって結果的に変わったショットもある。ゴール下での彼の存在がドライブしてくる選手たちを止めるんだ。我々の勝利における彼の貢献は大きい」
第3戦と第4戦の間に休みが1日しかないことを踏まえると特に、この先の道のりも容易ではないことをウィリアムズ三世自身も理解している。しかし、優勝がかかっているとわかっているが故に、10日(同11日)の試合で、そして、セルティックスが彼を必要とするすべての試合で、彼は全力を尽くして再びコートに立とうとするだろう。
「何のためにプレイしているかわかっているし、リスクを取ってプレイしてここまで来たんだから、僕にもっとやるべきことがあることは明らかだ」とウィリアムズ三世は言う。
「でも、それだけの価値があるんだよ。それは間違いない」
原文:Rob Williams Proves to Be Ultimate Warrior in C's Game 3 Win
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc