【プレイイン・トーナメント展望】ペリカンズ対サンダー

(Getty)

プレイイン・トーナメントの組み合わせが決まり、ウェスタン・カンファレンスでは9位と10位の2チームによる面白いカードが実現した。

シーズンを通じて、ニューオーリンズ・ペリカンズとオクラホマシティ・サンダーは何度か戦ってきた。シリーズを制したのはペリカンズだが、3試合とも5点差以内の接戦だった。

ブランドン・イングラムとCJ・マカーラムは、ペリカンズを2年連続となるプレイイン・トーナメント経由のプレイオフ進出に導こうとするだろう。一方、サンダーは当初の期待を上回る活躍を続け、周囲の予想を裏切るプレイオフ進出を果たそうと目指すはずだ。

それぞれ24歳に満たないシェイ・ギルジャス・アレクサンダー、ジョシュ・ギディー、ジェイレン・ウィリアムズの若手トリオは、ポストシーズン初経験で足跡を残すことができるのか。それとも、ペリカンズが再びプレイイン・トーナメントで連勝し、プレイオフに駒を進めるのだろうか。

『スポーティングニュース』が、ペリカンズとサンダーによるプレイイン・トーナメントの前に必要なすべてを紹介する。

ペリカンズ対サンダー、2022-2023シーズンのレギュラーシーズン成績

今季のシリーズは、ペリカンズがサンダー相手に4試合で3勝して制している。

各試合のボックススコアを見てみれば、どちらのチームのラインナップも、負ければ終了というプレイイン・トーナメントの試合に臨むメンバーと同じでないことにすぐ気づくだろう。

11月の最初の対戦はペリカンズが勝利したが、チーム最多得点をあげたのは、プレイイン・トーナメントには出場できない見込みのザイオン・ウィリアムソンだった。続く対戦でもペリカンズはオーバータイムの末に勝利したが、この時はイングラムが欠場している。

今季3回目の対戦もペリカンズが制したが、ここではマカーラムが不在。直近で行われた今季最後の対戦は、サンダーが一矢を報いたが、この時もペリカンズは再びイングラムがいなかった。

レギュラーシーズンで対戦した4試合を通じ、より人手不足だったのはペリカンズだ。だが、いずれも5点差以内で3勝している。

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9位と10位のプレイイン・トーナメントは、負ければ終了という試合だ。シーズンで生き残るための一戦である。こういった状況では、コートに立つベストプレイヤー次第となることがしばしばだ。

ペリカンズにとっては、間違いなくイングラムだろう。今季のサンダー戦は1試合しか出場していないが、その試合で34得点をあげ、終盤に重要な局面で得点し、ペリカンズを勝利に導いた。

3月に入ってから平均27.4得点、7.4アシスト、6.1リバウンドと、シーズン最後の1か月のイングラムは絶好調だった。この間、自身初を含む2回のトリプルダブルを達成し、2試合で40得点超をあげている。

一方のサンダーは、ギルジャス・アレクサンダーがシーズンを通じてリーグ有数の活躍を見せた。MVPを受賞することはないだろう。だが、初のオールスター選出を果たしたギルジャス・アレクサンダーほど、チームにとって貴重だった選手は多くない。

ギルジャス・アレクサンダーは今季のペリカンズとの4試合すべてに出場。2試合で30得点超、1試合で40得点超と、ペリカンズを苦しめてきた。サンダーが3敗したとはいえ、ギルジャス・アレクサンダーは4試合で平均33.5得点と素晴らしい成績を残したのだ。

試合を通じてイングラムとギルジャス・アレクサンダーによるパンチの応酬となることが予想されるが、プレイオフ進出に向けてもう1試合を戦うチャンスをチームに与えるKOパンチを繰り出すのは誰になるのだろうか。

予想： サンダー勝利

ペリカンズはレギュラーシーズンのシリーズを制し、プレイイン・トーナメントを戦った経験もある。だが、この若くて粘り強いサンダーは、負ければ終了という一戦で、そのエナジーを発揮すると思う。

サンダーにはプレッシャーがない。誰もがビクター・ウェンバンヤマを狙うタンク争いに加わると予想していた。プレイオフ進出を競うとは、誰も予期していなかったのだ。一方のペリカンズは、（健康なウィリアムソンがいる前提だったが）西地区のベストチームのひとつになると見られていた。

失うものがないチームは危険だ。そしてコート上の最高の選手、ギルジャス・アレクサンダーが、サンダーが生き残るための違いをつくる存在になると思う。