ポール・ジョージは来季どのチームに? クリッパーズ残留や76ers、ニックス、サンダーなど移籍先候補

2024-05-04
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(Getty Images)

ポール・ジョージはロサンゼルス・クリッパーズに残留するのか。これが、この夏最大の疑問となる。

ジョージの来季の契約は4880万ドル(約74億6640万円/1ドル=153円換算)のプレイヤーオプションだ。彼は新たにもっと長期の契約を目指すと見られる。34歳になった彼にとっては、最後の大型契約になることが見込まれる。

ジョージが今でも生産性の高い選手であることは変わらない。今季は平均22.6得点、5.2リバウンド、3.5アシストを記録して9回目のオールスター選出を果たした。守備も見事なプレイ。どのチームも求めるような、理想的な6フィート8インチ(約203センチ)のウィングだ。そんな計り知れない力を持つ彼だが、クリッパーズはマックス契約の提示を渋っている。そのため、夏にジョージが移籍する可能性があるのだ。

ジョージが契約をオプトアウトし、無制限フリーエージェントになった場合、彼を望むチームは多いだろう。今季のFAは人気銘柄が少ない。来季のオールスターに選出される可能性がある選手を基準にしても、デマー・デローザン、クレイ・トンプソン、ジェームズ・ハーデンだけだ。

ジョージのような選手はどのチームも望む。だが、実際に実現させられる立場にあるチームはわずかしかない。ここでは、現実的な候補となるチームをまとめる。

ポール・ジョージの所属先候補

クリッパーズ

有力視されるのが、クリッパーズとジョージの再契約だ。彼はカリフォルニア出身であり、クリッパーズでプレイすることに満足していると見られる。

クリッパーズはジョージを獲得するために大型トレードを行った。オーナーのスティーブ・バルマーは、高額サラリーを支払うことを惜しまなかった。『Bleacher Report』のエリック・ピンカス記者によれば、提示できる最大限は4年2億2110万ドル(約338億2830万円)。6月30日(日本時間7月1日)まで取引できる。

クリッパーズはこの契約を提示するのに消極的だった。シーズン中はカワイ・レナードと上限をわずかに下回る条件で延長契約を結んだ。そしてジョージとも同じことをする狙いのようだ。両者が合意に達しなければ、多くのチームがクリッパーズにプレッシャーをかけるだろう。

76ers

フィラデルフィア・76ersがジョージを狙ってきたのは周知のとおりだ。6000万ドル(約91億8000万円)のキャップスペースを空け、ジョージ、ジョエル・エンビード、タイリース・マクシーというダイナミックなトリオを結成させることができる。ほかに複雑なトレードをすることなく、財政的に実現させることが可能な優勝を争うチームは、76ersだけだ。そのため、クリッパーズがジョージを手放すと決めたら、76ersが次に続くチームとなる可能性は高い。

ピンカス記者によれば、76ers(やその他のチーム)は、ジョージに4年2億1220万ドル(約324億6660万円)のマックス契約をオファーできる。年俸は4940万ドル(約75億5820万円)からスタート。76ersはFAでさらに別のスターターを1人ないし2人獲得できるだけのキャップスペースだ。

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サンダー

オクラホマシティ・サンダーがジョージ復帰に動くことはあるだろうか。彼のようなウィングをさらに加えることができる有力な優勝候補の一角となるチームだ。ジョージを獲得できれば、リーグ最高のチームのひとつとなることは確かだろう。

Spotracによると、サンダーは3500万ドル(約53億5500万円)のキャップスペースとなる見込み。真剣にジョージを狙うには十分ではない。そのため、さらに空きをつくるためにいくつかの取引が必要だ。

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最も簡単な道は、ルーゲンツ・ドートのトレードだろう。ただ、相手の攻撃の起点に対する脅威として素晴らしく、今季3P成功率が39.4%と大きく向上した彼を手放すのは痛手だろう。

ジョージは以前、オクラホマシティでの日々を非常に高く評価していた。2018年にはサンダーと再契約している。サンダー復帰は優勝リングを狙う最高のチャンスとなるかもしれない。

マジック

『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者によると、オーランド・マジックはジョージへの関心が噂されている。サンダー同様、マジックも資金を投じることができるが、1900万ドル(約29億700万円)と見込まれるキャップスペースを増やすために、いくつかの動きが必要だ。

オーランドはジョー・イングルズとモリッツ・バグナーの契約がチームオプションつきだ。これらを行使せず、彼らをFAとすることを選ぶかもしれない。ジョナサン・アイザックの年俸1740万ドル(約26億6220万円)も保証されていない。ジョージにマックス契約を提示するだけのスペースをつくるには十分だろう。

ジョージが加われば、マジックは強く必要としているパオロ・バンケロ、フランツ・バグナーと組ませるさらなるスコアラーを手に入れられる。レギュラーシーズンの攻撃がリーグ22位だったマジックは、試合に勝つのにリーグ3位の守備により頼っていた。彼らはこれからのチームだ。ジョージのようなベテランを獲得すれば、来季のプレイオフでホームコートアドバンテージを手にできるほどになる。

(SN/Getty)

ニックス

ニューヨーク・ニックスがジョージを獲得するための道はもっと厄介だ。キャップスペースがなく、トレードを交渉しなければならない。

クリッパーズはエプロン(※例外条項などの制限を決定する基準額)のためにサイン&トレードを通じた補強ができない。だが、ジョージが完全な新契約を結ぶのではなく、プレイヤーオプションをオプトインすれば、クリッパーズはジョージをトレードできる。

ジョージのサラリー額に合わせるために、ニックスはジュリアス・ランドルとボーヤン・ボグダノビッチを手放さなければならないだろう。また、クリッパーズにとって価値ある取引とするために、ドラフト指名権も加えなければいけないはずだ。自前の指名権に加え、2024年はダラス・マーベリックスの全体24位指名権、2025年は3つの指名権がある。

ペイサーズ

ペイサーズもキャップスペースが十分でなく、オプトイン&トレードが必要となるチームだ。彼らのスケジュールではベテラン獲得は合わないだろう。だが、ジョージの側に関心があるかもしれない。

Yahoo』のジェイク・フィッシャー記者は2月のトレードデッドラインで、ジョージがペイサーズに復帰し、タイリース・ハリバートンやパスカル・シアカムと一緒になることに関心を抱いているとの声がささやかれるようになったと報じている。このトリオが実現すれば、すぐにペイサーズはイースタン・カンファレンスで優勝を競う本物の候補となるだろう。

ペイサーズには、トレードを実現するのに放出できる高額選手が多くない。マイルズ・ターナー、アーロン・ニスミス、TJ・マコーネル、そしてベネディクト・マサリンからジャレス・ウォーカーのどちらかを含める必要があるだろう。また、ドラフト指名権も加えなければならないはずだ。ペイサーズにはトレードに使える将来の1巡目指名権が2つある。

原文:Paul George landing spots: 76ers, Knicks, Thunder headline best options for Clippers star in free agency(抄訳)
翻訳:坂東実藍