なぜシアカムは延長契約を結ばないのか ラプターズへの影響は?

2023-09-23
読了時間 約2分
(Getty Images)

パスカル・シアカムが延長契約を結べるようになって数か月が経つ。だが、実現はしていない。

その理由はいくつかある。

シアカムとしては、オールNBAチーム入りすれば、大幅な収入アップを逃すことになる。一方で、トロント・ラプターズは、全盛期にあるオールスター選出2回の選手に大金を投じるべきかどうか、厳しい決断を迫られる岐路にあるのだ。

『スポーティングニュース』では、このオフシーズンにマックス延長契約を結んでもシアカムが満足しないかもしれない理由、そしてそれが新シーズンのラプターズにどう影響するかを分析した。

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なぜパスカル・シアカムはラプターズと延長契約を(おそらく)結ばないのか?

少なくとも、現時点で結ぶことはないということだ。

シアカムは自分次第でさらに大金を得られる。現在は4年1億9220万ドル(約284億4560万円/1ドル=148円換算)の延長契約を結ぶことができるが、新シーズンでオールNBAチームに選出されれば、来年夏に5年2億9030万ドル(約429億6440万円)の延長契約を結べるのだ。

オールNBAチームに選ばれるのは、簡単なことではない。だが、シアカムは以前に2回、それを達成している。昨季は自己最多の平均24.2得点、5.8アシスト、7.8リバウンドを記録した。それだけに、2023-2024シーズンも候補となるだろう。

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そしてたとえオールNBAチームに選ばれなくても、シアカムは来年夏に5年2億4880万ドル(約368億2240万円)という大型契約を結ぶことができる。今オフシーズンで延長契約を結ぶより良い条件だ。

パスカル・シアカムが延長契約を結ばないことのラプターズへの影響

シアカムが延長契約を結ばなければ、ラプターズとしてはあまりによく知る状況となる。

2023-24シーズンは、シアカムの現行契約の最終年だ。つまり、来年のオフシーズンにシアカムは無制限フリーエージェントとなる。シアカムはラプターズ残留を望んでいると報じられているが、フレッド・バンブリートがキャリアのすべてをトロントで過ごしたいと口にしたのは、それほど昔のことではない。そして今、バンブリートはヒューストン・ロケッツの一員となった。

契約最終年ということで、ラプターズはバンブリートやカワイ・レナードの時と同じリスクをシアカムに関しても背負うことになる。FA市場で有数の人気銘柄となる選手が無制限FAとなり、別のチームとの契約を決断してトロントを去るが、ラプターズに見返りはないというリスクだ。

そのため、ラプターズを巡るトレードの噂があるのも驚きではない。シアカムへの関心が強く噂されているのが、アトランタ・ホークスだ。『Sportsnet』のマイケル・グレンジ記者は7月、ラプターズが「チーム得点王の市場価値をはかろうとしている」と報じた。

「ラプターズに数週間、数か月と長引かせるつもりはない。だが、まだシアカムのトレードの可能性に扉を閉じる用意はないようだ」

ほかには、オーランド・マジックとインディアナ・ペイサーズがシアカムに関心を寄せていると言われる。

これらは、シアカムのトレードは不可避と意味しているのだろうか。そうではない。『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、シアカムが延長契約を結ばずとも、トレードデッドライン(トレード期限)までラプターズにとどまる可能性は「非常に高い」と報じている。

原文:How Pascal Siakam not signing a contract extension could impact the Raptors this season(抄訳)