OG・アヌノビーは今季のトレードで最高の取引だった。それはここまでのプレイオフでも示されている。RJ・バレットとイマニュエル・クイックリーはトロント・ラプターズで良いプレイだった。だが、ニューヨーク・ニックスはやり直すとすれば、一瞬で同じトレードを繰り返すだろう。アヌノビーが加入してから、ニックスは24勝5敗という成績だ。その成功の多くは直接彼が影響している。
アヌノビーが出場している時間に、ニックスは対戦相手を粉砕してきた。レギュラーシーズンでアヌノビーがコートに立っている時間、ニックスは100ポゼッションあたりで相手に21.7点差をつけている。ローテーションプレイヤーでリーグ最多の数字だ。
ボックススコアのスタッツを見ると、アヌノビーのレギュラーシーズンは最高ではなかった。平均14.1得点、4.4リバウンド、1.5アシストという数字だ。だが、これらの数字で彼がいかに貴重な存在だったかを物語ることはできない。アヌノビーはカンファレンス・セミファイナルでインディアナ・ペイサーズを倒すだけでなく、ニックスにNBAファイナルまで勝ち進むチャンスを与える鍵となるだろう。
OG・アヌノビーの守備の足跡はそこかしこに
アヌノビーはリーグ有数のヘルプディフェンダーだ。その貢献はなかなか気づかれない。事前に彼が炎上を防いでいることがしばしばだからだ。
彼はギャップを埋めてドライブを阻み、ヘルパーがダンプオフパスをブロックする助けとなり、リムで守備の最終ラインとして動くこともできる。アヌノビーのオフボールでの見事な守備がなければ、ニックスは第6戦でフィラデルフィア・76ersを沈めていなかっただろう。
また、オンボールの守備もアヌノビーは強い。様々な役割で守れる万能性を持つ。さらに重要なのは、彼が徹底的にファイトすることだ。76ersとの第4戦終盤で、アヌノビーはジョエル・エンビードを守り、彼に入るパスを阻むハードワークをして、76ersの攻撃を行き詰まらせた。
さらに、アヌノビーはガードに対する守備でも有能だ。レギュラーシーズンでは何度かタイリース・ハリバートンにつき、食らいついてタフショットに持ち込んでいる。
ペイサーズはパスカル・シアカムが素晴らしく、アヌノビーは最初に彼を担当することになるだろう。シアカムはポストで自分より小さいディフェンダーに激しく当たり、ペリメーターでは自分より遅いディフェンダーを相手にドライブして活躍する。アヌノビーが1on1でシアカムとのマッチアップに対処できれば、ニックスはこのシリーズをコントロールするはずだ。
OG・アヌノビーはジェイレン・ブランソンへの重圧を軽減
アヌノビーは攻撃でも大きく貢献する時がある。ドリブルからジャンプショットをつくり出すこともあり、プレイオフでエンビード相手にダンクも叩き込んだ。
これらは例外的なプレイだ。それよりも、アヌノビーはブランソンに対する注意をそらすことで活躍する。ブランソンのドライブにヘルプを増やした相手を3ポイントショットで叩くことができるシューターなのだ。
また、アヌノビーのカッティングもニックスの攻撃にとって非常に貴重だ。こういったプレイで彼はタイミングが完璧であり、いつ隙間ができるかを正確に分かっている。そしてボールを持ってアタックする時はリムで素晴らしいフィニッシャーなのだ。
こういったちょっとしたすべてが、アヌノビーをニックスにとって貴重な存在としている。トム・シボドー・ヘッドコーチを安心させる存在だ。ファーストラウンドは平均41.7分間の出場だった。これからも彼は多くの時間でプレイするだろう。目立たなくても貢献度が高い選手だからだ。
原文:With O.G. Anunoby, the Knicks have been close to unbeatable: What makes him the league's best glue guy(抄訳)
翻訳:坂東実藍